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2018年の初音ミク号は4号車から0号車に。小林可夢偉選手を加えて「鈴鹿10時間耐久」参戦
「グッドスマイルレーシング 2018年度 SUPER GT 参戦発表会」レポ-ト
2017年12月25日 13:21
- 2017年12月23日 開催
2017年のSUPER GT GT300クラスでシリーズチャンピオンを獲得したGOODSMILE RACING & TeamUKYOが12月23日に2018年度のSUPER GT GT300クラスへの参戦発表会を行なった。
会場になったのは東京に秋葉原にあるグッドスマイルカンパニー本社。定刻になり司会者の紹介で登場したのは不動のメンバーとも言える5名。エントラント代表の安藝貴範氏、監督の片山右京氏、ドライバーの谷口信輝選手、同じくドライバーの片岡龍也選手。そしてメンテナンスガレージ RSファイン代表の河野高男氏だった。
挨拶に立ったエントラント代表の安藝氏は「2018年も無事に参戦させて頂けそうなことになりましたので、本日の発表となりました。さて、皆さんは監督が誰になるのか? ドライバーの布陣はどうなるのか? など非常にドキドキしていることと思います(笑)が、ここに並んだ顔を見てお分かりのようにまったく変わることなく来年も体勢でやっていきます。そして参戦するクルマですがこちらも変わりません。十分な戦闘力があるということを実感した上でのMercedes-AMG GT3となりました。でも、今年の車両を使うのではなく新車を投入します。同じクルマなのだから、今年のクルマを引き続き使うのかと思っていたら、ウチのドライバーさん達は新車が好きなので、気がつくと新車のオーダーを入れられていました(笑)」と、変化が少ない参戦発表会に気を使ってか、冗談を交えて挨拶となった。
そして「さて、ここで大きな変更点をひとつお伝えします。来年のゼッケンは“0”になります」とGOODSMILE RACING & TeamUKYOとして2015年に付けていたゼッケンナンバーへ戻すことを発表。
さらに「今年は初音ミクGTプロジェクトとして3度目になるシリーズチャンピオンを獲らせて頂きました。ただ、過去2回のチャンピオンを獲得し、その度に連覇を目指していたのですがいまのところ上手くいっていません。それだけに今回こそ連覇を狙うため競争力のあった2017年と同じ体制で戦っていきますので、応援よろしくお願いします」と2018年もチャンピオンを目指すためのチームであると紹介した。
続いては監督の片山氏の挨拶だ。「まあ、続投が分かっていたと思いますが発表会なので紹介されてから登場することが大事です。ところがさっき、うかつにも会が始まる前にこのフロアにあるコーヒーメーカーにコーヒーを取りに出てきてしまい皆さんに姿を見られてしまった片山です」とこちらも笑いから入る挨拶になった。
そんな発言のあと「今年はチャンピオンを獲ることができました。このプロジェクトはちょうど10年目になりますが、なんと10年の間に3回もチャンピオンを獲っています。そんなチームですが、今年を振り返ってみるとセーフティカーが入るタイミングに恵まれないなど、流れはけっしていいものではなくて、本当はもっと表彰台に上がったり優勝することができたのではないかと個人的には悔しい思いがあったりします。しかし、ドライバーやメカは最高の仕事をしてくれました。BOP(レーシングカーの速さを均一化するための性能調整)でMercedes-AMG GT3は他の車両より厳しくされていたなかで表彰台に4回も上がったり、表彰台は逃してもしぶといレースをしてポイントを稼いでくれました」と語った。
さらに「GT300がジェントルマンのレースであることは変わりないのですが、車両やタイヤの競い合いの度合いが高くなり、ヨーロッパのエンデュランスレースに近いような激しい戦いになっています。そのなかで連覇を目指すことは難しいかもしれませんが、ここで発表したようにしっかりした体制で新しいシーズンにチャレンジしていきたいと思っています」と激戦区になっているGT300でも、強いチームを持って連覇を目指すことを宣言した。
ドライバーの谷口選手からは「連覇を目指すのは当然のことですが、今年、1勝しかできなかったのでもっと優勝回数を増やしていきたいと思います。でも、ライバルチームが速いクルマを出してくるというウワサも聞きますので勝つのは今年以上に難しいかもしれません。それだけにポイントをしぶとく取っていき、最後にはチャンピオンを獲れたと言う展開になるのかもしれませんが、そこはただポイントを取るのではなく勝つことにこだわって、優勝回数を増やしていくシーズンにしていきたいと思っています」と連覇に加えて優勝回数も増やしていくという力強いコメントが聞けた。
片岡選手からは「なにも変わらないことは強味と思っています。来シーズンはゼッケン0を背負って連覇を目指しますが、連覇というのは2年かけて達成するものだけに失敗すると再び挑むのにも時間が掛かります。そのためなんとしても来年もチャンピオンを獲りたいと思います。これが3度目の連覇への挑戦になるので3度目の正直になってくれるといいなと思います。来年はライバルチームも競争力を上げてくるところが多いと聞いていますのでハードなシーズンになることも予想できますが、ボクらのチームが全員でしっかりと役割をこなしていければ目標である連覇ができるのではないかと思います」と連覇に挑戦すること自体の難しさと、それゆえに貴重なタイミングを今度こそ生かしていきたいという意気込みが語られた。
最後はメンテナンスを担当するRSファインの河野氏。河野氏は「今期はシーズン前のテストからタイヤ、車両ともに調子がよい年でした。そしてその調子よさを生かして開幕で勝てたことが、結果的にチャンピオン獲得につながったのではないかと考えています。また、メカミスはほぼない状態でやってこれられたのでそこもチャンピオン獲得に貢献できていたのかなと思っています。来年も変わらない体制で参戦できることは私から見ても強味だと思っていますので、横浜ゴムさんと協力しドライバーにも頑張っていただいて、みんなで力を合わせて連覇を成し遂げたいと思っています」と語った。
全員の挨拶が終わったところで次に発表されたのが初音ミクGTプロジェクトのシンボルである「レーシングミク」の新しい絵柄についてだ。
2018年版レーシングミクを描いたのは人気イラストレーターのかんざき ひろ氏だ。安藝代表は「いろいろな作品でキャラクターをいかにかわいく表現するかという議題になると挙がるのがかんざきさんの名前です。そんな非常に忙しい方ですが、今回ご協力頂いてこちらのイラストが完成しました。レーシングミクさんは毎年絵柄が変わるのでその年ごとにクールになったりかわいくになったりしますが今回はラブリーなイメージですね」という感想も語った。ちなみにイラストが完成したのは発表会の前日だったという裏話も語られた。
この日、もうひとつ発表されたのが8月に開催される「鈴鹿10時間耐久レース」へ出場すると言うこと。これは2017年に挑んだスパ24時間レースに続く耐久レースへの挑戦となる。チーム体制はSUPER GTとほぼ同じで、長丁場となるこのレースでは3人目のドライバーとして小林可夢偉選手が参加する。発表会には小林選手も登場。参戦への抱負を語ってくれた。
小林選手は「鈴鹿10時間耐久レースは初めて開催されるレースですね。今年のスパ24時間にもGOODSMILE RACING & TeamUKYOからエントリーさせてもらいましたがは、残念ながら不完全燃焼で終わっているので鈴鹿のレースではみんなと力を合わせてリベンジしていきたいと思います。レースにはヨーロッパの強豪も参加するのではないかと思いますがそんな場でしっかりと日本の力を示していきたいです。そしてたくさんの賞金を手に入れていきたいですよね!」とメディアだけでなく、スパ24時間では一緒に悔しさを感じたメンバーに向けても語りかけた。