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2019年の“レーシングミク”は杏仁豆腐氏デザイン。グッドスマイルレーシング体制発表会

「円熟したチーム」でSUPER GT GT300クラスチャンピオン奪還を目指す

2018年12月22日 発表

グッドスマイルレーシングの2019年チーム体制と「初音ミク レーシングVer.」のキャラクターデザインを発表

 グッドスマイルレーシングは12月22日、2019年のチーム体制と「初音ミク レーシングVer.」のキャラクターデザインを発表。同日に発表会が開催された。

 2019年のチーム体制は2018年と同じく、エントラント名「GOODSMILE RACING&TeamUKYO」としてSUPER GTのGT300クラスに参戦。エントラント代表をグッドスマイルカンパニー 代表取締役の安藝貴範氏が、監督をTeamUKYO 代表の片山右京氏が務める。ドライバーは谷口信輝選手、片岡龍也選手が続投。メンテナンスガレージも変わらずRSファインが担当する。安藝氏は昨年と同じ体制になったことについて「円熟したチームを武器に闘います」と話した。

左からRSファイン 代表 河野高男氏、ドライバーの谷口信輝選手、片岡龍也選手、監督を務めるTeamUKYO 代表 片山右京氏、エントラント代表のグッドスマイルカンパニー 代表取締役 安藝貴範氏

 参戦車両は2018年のメルセデス・ベンツ Mercedes-AMG GT3を継続して使用。車両名は「グッドスマイル 初音ミク AMG」でゼッケンは0から4に変更となった。タイヤは引き続き横浜ゴムとなる。

 さらに、2018年に初開催された「SUZUKA 10 HOURS」にも引き続き参戦。3人目のドライバーとして、小林可夢偉選手が迎えられることが明らかにされた。

 同時に、公式キャラクター「初音ミク レーシングVer.」のキーデザインが披露され、人気ゲームのキャラクターデザインなどを手掛ける杏仁豆腐氏の担当と発表された。なお、プロジェクト全体のアートディレクションは、2014年から変わらずコヤマシゲト氏が担当する。

2019年の「初音ミク レーシングVer.」は、レースをイメージしてチェッカーフラッグ風の衣装を着用
2019年のレーシングミクについて意見を聞かれた片山氏は「年々雰囲気が若返っているような感じがします。個人的には好きです」と汗をかきながら話した
谷口選手が自身のスマートフォンでレーシングミクを撮影する場面も見られた

 なお、マシンカラーリングはチーム初の試みとして、2019年1月11日~13日に幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開催される「東京オートサロン 2019」において、2019年シーズンからスポンサーに加わる埼玉自動車大学校のブースにて公開。レースクイーンの「レーシングミクサポーターズ」は2019年2月10日に幕張メッセで開催される「ワンダーフェスティバル 2019[冬]」で発表され、グッドスマイルカンパニーのブースにニューカラーリングのマシンなどが展示される予定とした。

2019年シーズンのスポンサー企業
2019年シーズンの個人スポンサーは12月22日の20時から募集を開始する。詳細はグッドスマイルレーシングのWebサイトを参照していただきたい

和気あいあいとした体制発表会で、2019年シーズンに向けた熱い想いを語る

2018年シーズンの振り返りと、2019年シーズンに向けた抱負を語った

 体制発表会では安藝氏、片山氏、谷口選手、片岡選手、RSファイン 代表の河野高男氏が2018年シーズンを振り返るとともに、2019年シーズンに向けての抱負を語った。

エントラント代表(グッドスマイルカンパニー 代表取締役)の安藝貴範氏

 安藝氏は冒頭で「昨年までは『SUPER GTの体制発表』としておりましたが、SUPER GT以外のレースにも参戦していることもあり、発表会のタイトルを『2019年体制発表会』とさせていただきました」と、SUPER GT以外のレースにも積極的に参戦していくことを表明。

 続けて、「2018年シーズンは最後の1周までチャンピオン争いを繰り広げましたが、残念ながら年間チャンピオンは獲得できず、総合順位はドライバーズランキングで4位となりました。SUZUKA 10 HOURSは見応えのあるレースができたと感じておりまして、日本のチームでは最高位の5位でしたが世界のチームと闘うことの難しさやワンメイクタイヤの使い方など、あらためて感じ取りました。この経験を糧にして2019年も闘っていきます。SUPER GTやSUZUKA 10 HOURSのほかにもいろいろと企画は練っておりまして、調整中のものもありますので、もしかしたら参戦レースが増えるかもしれません」と2018年シーズンを振り返るとともに、今後について語った。

監督(TeamUKYO 代表)の片山右京氏

 片山氏は「サーキットにいると緊張していて笑えないのですが、このチームでは1番落ち着いて笑えるので、これがチームなんだという原点を感じています。今年はさまざまなことがある中で闘うのが苦しくて、いろんな作戦で予選Q1をとってなんとか前に出て、後ろをとにかく抑えきるんだとドライバー2人は頑張ってくれて、最終ラップまでチャンピオン争いをできたということに“グッドスマイル劇場”というような、他のチームにはないチャレンジスピリットを感じています。タイヤとかクルマの性能調整とか、客観的に見たら苦しいのかもしれないです。去年は攻めすぎたかもしれないですが、もう少し組み立てたらできたことがあると感じています。来年はそれを絞り出して、また“グッドスマイル劇場”を楽しんでもらえたらと思います」と熱く語った。

ドライバーの谷口信輝選手

 谷口選手は冒頭で言葉を詰まらせてしまい、安藝氏から「今日は何の日か分かって来てます?(笑)」と言われつつも「いろいろなチームが来年に向けてクルマが変わったりドライバーが移動したりしている噂を聞きますが、われわれはこの体制を守っているので、これが強みだと思っています。2018年は奮った成績を見せることができなかったので、2019年はスタートからグイグイとポイントを稼いで、成績やレースの内容でグッドスマイルレーシングがもっと目立っていけるように頑張りたいと思います」としっかりとした口調で語った。

ドライバーの片岡龍也選手

 片岡選手は「何も変わらないであろうと分かっている中でお越しいただきましてありがとうございます(笑)」と冗談を交えつつ、「変わらないのが他のチームに対してのアドバンテージになると思っています。2018年は前半がほぼ戦えていなかったように思うのですが、後半は一気に巻き返すことができて、最終戦の最終ラップまでチャンピオン争いできたというのは、かなり上り調子で終われたと思っております。波に乗れたら来季もチャンピオンが獲れる可能性は十分にあると思っております」と熱意を述べた。

RSファイン 代表 河野高男氏

 河野氏は「2018年シーズンは作戦的にもかなり攻めて、もう少し違うやり方もあったのではないかと思っています。このところチャンピオンを獲るのは3年周期ですが、1年縮めて2年周期にして、その次の年は連覇できればいいなと思っています。これだけの体制を整えているので、何が何でもチャンピオンを目指して頑張りたいと思います」とチャンピオン獲得に意欲を見せた。