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フォーミュラカーも公道を駆け抜けた! 「浅間ヒルクライム2016」リポート

浅間山麓にヒストリックカーから最新EVまで集結

2016年5月28日~29日 開催

新緑の浅間山麓に様々なカテゴリーのマシンが集結した「浅間ヒルクライム2016」

 5月28日~29日、2015年に続き今年も晴天に恵まれた長野県小諸市にて「浅間ヒルクライム2016」が開催された。公道封鎖が行なわれて3度目となる今大会も、通常では公道を走行できない4輪のフォーミュラマシンやレーシングマシン、ナンバーを取得していないカスタマイズされたマシン、2輪ではMotoGPマシンなどが封鎖されたチェリーパークラインを駆け抜けた。

 また、メイン会場となったアサマ2000パークには、輸入車インポーターをはじめさまざまな企業がブースを出展。こちらも賑わい、初日の小諸市内のパレードランを含め2日間で2万人近い来場者があった(主催者発表)。

ヒルクライム走行

 メインイベントは、走行時間のみ完全に封鎖されたチェリーパークラインでのヒルクライム。新緑の美しい九十九折りの上下合わせて2車線の道路を道幅いっぱいに使い、標高およそ2000m付近のゴールに向かって一気に駆け上がる。約7kmのコースの標高差は700m以上と、クルマによってはエンジンセッティングも難しいコースだ。そんな難コースに挑んだ新旧さまざまなカテゴリーのマシンを写真で紹介しよう。

2014年に主催者の念願が叶い、公道封鎖によりさまざまなレーシングカーが走行可能となった
封鎖されたのは九十九折りのチェリーパークライン
途中にシケイン等さまざまな安全対策がなされるコース
公道封鎖後、メイン会場から新緑のチェリーラインを下りスタート地点に向かうマシン
タイトターンの続く約7kmの急勾配を駆け上がるさまざまなマシン。来場者は最新モデルから貴重なヒストリックカー、希少モデルの全開走行を楽しんだ。なかにはシーズン中にもかかわらず、SUPER GT GT300クラス参戦マシンの姿もあり、そのバリエーションに驚く

 テスラモーターズ、NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)、横浜ゴム、トミーカイラは、このヒルクライムに電気自動車(EV)で参加。ドライブする楽しみやモータースポーツの世界に一歩踏み込んだEVと、往年の名車たちとのコントラストを感じるのもまた楽しいものだ。

 2輪では、公道封鎖が実現した2014年からMotoGPマシンを走行させているHRC(ホンダ・レーシング)が今年も参加。2014年にシリーズを戦ったMotoGPマシン「RCV1000R」や、今年のダカールラリー参戦マシン「CRF450Rally」を含む4台のマシンを走行させた。

 なお、HRCはライダーを含め8人ものスタッフが現地入りしているが、その大半がMotoGPマシンの走行のためのスタッフだという。世界最高峰のマシンを公道で走行させるのは、それほど大変なことなのだ。HRCと一般参加合わせて6台のホンダ、そして一般参加によるヤマハTZ250(3台)、Zero Engineering(1台)が走行した。

メイン会場(アサマ2000パーク)

ポルシェ ジャパンブースでは、マルティニカラーの最新の「918 スパイダー」とガルフカラーの「917K」が展示され、多くの来場者が足を止めて見入っていた

 スタート前、ゴール後と、参加マシンはここに集結する。さまざまなブースが出展し、ここにも多くのモデルが展示された。

ルノー・ジャポン
ゼネラルモーターズ・ジャパン
アストンマーティン・ジャパン
テスラモーターズ
横浜ゴム
GLM(トミーカイラ)
ACE CAFE JAPANを中心に“From UK”と題されたイギリスモーターカルチャーの雰囲気を持ったブース
GO&FAN JAPAN
MOTUL
HRC
ラリーのイメージが強いPLUM Racingは、今回フォーミュラマシンで参加
長野県諏訪市、そして諏訪警察署公認キャラクター「諏訪姫」も会場に
全日本ラリーを戦う元世界チャンピオン、新井敏弘選手も参加
同じく全日本ラリーで戦うアバルトR3Tと眞貝知志選手
ランボルギーニ カウンタック、新井敏弘選手のスバル WRX、ボルボ 123T(1967年)というバラエティに富んだオモチャ箱のような並びもこのイベントならでは

 公道封鎖によるヒルクライムが始まり早3年。今年も天候に恵まれた中での開催となった「浅間ヒルクライム」も、すっかりこの地に定着した感がある。昨年起こったサイドカーのアクシデント等、順風満帆とはいえない部分もあったが、それを乗り越え今年は100人以上のボランティアスタッフが集まり、地元の行政機関、関係各所はもとより多くのスポンサーの協力を得て今年も成功を収めたと言っていいだろう。多くのマシンに負担を強いた坂道でのスタンディングスタートの変更など、さまざまな改善が行なわれた今年の大会は、エントラントにとっても好評だったようで、1歩1歩着実に進化しているようだ。

 この素晴らしいロケーションを、オーナーの手によって大切に維持された貴重なマシンや最新モデルが駆け抜ける姿は、多くのギャラリーを今年も楽しませたようだ。

(高橋 学)