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クローズドの“公道”でレーシングカーも走行した「浅間ヒルクライム2014」リポート

GMは新型「コルベットコンバーチブル」を、ルノーは新型「メガーヌ」を会場で発表

クローズドの公道で行われた「浅間ヒルクライム2014」
2014年6月14日、15日開催

 6月14日、15日に晴天の長野県小諸市にて「浅間ヒルクライム2014」が開催された。初日に行われたナンバー付車両による小諸市内パレードランから大会はスタート。その後チェリーパークラインでヒルクライムデモンストレーションランが行われた。

 このヒルクライムは開催3回目にして初めて公道封鎖が行われ、これによりフォーミュラカーやモトGPマシンなど通常では公道走行ができないレーシングマシンの走行が可能となり、一般参加の車両とともに多くのギャラリーの前で走行を披露した。

パレードラン

大会は小諸市内のパレードランからスタート
今話題のケータハムカーズ「セブン 160」
「アバルトラリー500R3T」は全日本ラリー参戦マシンだ
沿道で多くの自動車ファンや近隣住民がパレードランを楽しんだ

ヒルクライムデモンストレーションラン

 メインイベントであるヒルクライムでは、走行時間のみ公道封鎖が行われ、普段はサーキット等でしか走行できないマシンも多数走行。一般参加車両のほかに数多くの協賛メーカーやディーラーが持ち込んだ最新モデル、全日本ラリーやジムカーナ参戦車両、そして2013年モトGPチャンピオンマシンなど、年式やカテゴリーに垣根のないバラエティに富んだマシンが走行して会場は沸いた。

 それでは実際に走行した車両を写真で紹介しよう(記事中の車名は大会運営事務局のエントリーリストによるもの)。

公道封鎖によりナンバーなし車両の走行も可能となった
スタート地点に向かう名車達
公道を走るフォーミュラカー
ジャガーEタイプSrIIIロードスター
ランボルギーニカウンタックアニバーサリー
レクサスLFA
ゲンバラ Biturbo T-GT650EVO
ジャガーDタイプ レプリカ
ユーノス ロードスター
ジャガーKX140 OTS
アストンマーティン V8 ヴァンテージ クーペ
マクラーレン650S
ポラリスRZR4
ディーノ246GT
アバルト750GT Zagato
WINDLE-R1
LCR-F2-KUMANO
MV agusta 750S America
MOTO GUZZI P250(1937)は大会唯一の戦前モデル
日本の峠を駆け上がるモトGPマシン ホンダRC213V。ライダーは高橋巧選手だ
アルピーヌA110 1600SX
梅雨時にもかかわらず晴天に恵まれた高峰高原
ロスマンズカラーのマシンが駆け上がる姿はかつてのWRCのような風景に思えた

ジムカーナや新車発表会など様々なイベントが目白押しだったメイン会場

 メイン会場となった浅間2000パークスキー場では、ヒルクライム参加車両によるジムカーナが行われた。また、ゼネラルモーターズ・ジャパンは同会場で新型「コルベットコンバーチブル」を初披露し、ルノー・ジャポンは新型「メガーヌ」の発表を行った。

 大会初日には、近隣で行われているクラシックカーイベント「スプレンドーレ伊香保」とのコラボイベントも実現し、貴重なクラシックカーから最新モデルまで、まさに垣根を越えて会場に集まった。

大会初日、会場では新型コルベットコンバーチブルが初披露された
披露された新型コルベットコンバーチブルは、1960年代に登場した第2世代のシボレーコルベットとともにヒルクライムに参加
大会2日目のヒルクライムで、最新のルノーフェイスに進化した新型メガーヌ(6月27日発売)がデビュー。写真左はラリードライバーの奴田原文雄選手、写真右はルノー・ジャポンの大極司代表取締役社長
6月27日に発売となるメガーヌハッチバックGT220(写真左)、メガーヌエステートGT220(写真中)、メガーヌ ルノー・スポール(写真右)がヒルクライムを走行。なお、メガーヌ ルノー・スポールは奴田原選手がドライブした
時代もカテゴリーも違うさまざまなマシンが会場に展示された
メイン会場で行われたジムカーナの様子
初めて目にする人も少なくなかったであろうサイドカーの注目度は高く、その俊敏な運動性に多くの観客が沸いた
クラシックカーイベント「スプレンドーレ伊香保」とのコラボレーションにより貴重なモデルが会場に続々と登場

 今回の会場とは異なるものの、浅間の麓といえばかつて日本初の「浅間高原自動車テストコース」が存在し、我が国の自動車産業に大きく寄与した地だ。その地で海外でも人気の高いヒルクライム走行を行うことは非常に意義深く、GMが歴史のあるコルベットの最新モデルお披露目の場にこの地を選んだのもそういう理由によるものだという。

 また、3年目にして地元の関係各所の協力を得て念願の公道封鎖が実現し、ナンバーのないレーシングマシンが他のさまざまなモデルとともにチェリーパークラインを走行することが今大会より可能となった。愛好家の手によって大切に保存されてきた戦前のモデルや一世を風靡したいわゆる”スーパーカー”、そしてさまざまな協賛メーカーやディーラーの協力により実現した普段目にする機会の少ない最新モデルまでが一堂に揃い、その走行する姿をエンジン音とともに堪能でき非常に楽しい時間を過ごせた。貴重な歴史的名車の参加も多い「スプレンドーレ伊香保」とのコラボレーションによりクルマのバリエーションが広がったことは、来場者にとっても朗報だったであろう。

 まだ歴史の浅いイベントではあるが、クルマにそれほど興味のない方からマニアまで広く受け入れらるような、地域に根ざしたお祭りとして末永く成長していくことを期待せずにはいられないイベントであった。

(高橋 学)