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ナンバーなしレーシングカーも公道を疾走する「浅間ヒルクライム2015」リポート

GMは「コルベット Z6 コンバーチブル」を日本初披露

2015年5月30日~31日開催

 5月30~31日、昨年に続き今年も晴天に恵まれた長野県小諸市にて「浅間ヒルクライム2015」が開催された。昨年初めて念願の公道封鎖が行われたこの大会は、通常では公道を走行する事ができないフォーミュラーカーなどのレーシングマシンや、ナンバーを取得していないカスタマイズされたマシンが公道である峠を駆け抜ける貴重なイベントであり、その人気も高く、今年も多くの参加者とギャラリーが集まった。

 また、このイベントを新型車の発表の場に選んだゼネラルモーターズ・ジャパンをはじめ様々なメーカーが出展し、走行マシンも往年の名車から最新モデルまでバラエティに富むラインアップであった。

パレードラン

 大会初日、開会式が行われた後に、ナンバー付き車両による小諸市内のパレードランがスタート。沿道に集まったギャラリーの前を走行し、そのままヒルクライムが行われるチェリーパークラインのスタート地点に向かった。なお、開会式では小諸市長の柳田剛彦氏も出席するなど地域密着型イベントとしての顔をのぞかせた。

小諸駅前のロータリーをパレードランするナンバー付き参加車両。トミーカイラ ZZやブガッティ ヴェイロンからトヨタ 86までその車種は幅広く、ドライバーも一般参加選手のほか、関谷正徳氏(レクサス LFA)や新井敏弘選手(スバル WRX STI RALLY)などプロフェッショナルドライバーも数多く参加した。また、開会式では小諸市長も出席し、地域密着型イベントであることをアピールした

ヒルクライム走行

 メインイベントであるヒルクライムは、コースとなるチェリーパークラインを走行時間のみ封鎖。ナンバー付車両から、ナンバーのないレーシングカーまで、通常公道では走行できないマシンも走行することが可能となった。普段は決して目にすることはない、一般公道の峠を駆け上がるフォーミュラカーやサイドカーの姿は、このイベント目玉だ。

フォーミュラカーが駆け上がる峠の風景は、このイベントならではだ。スズキフォーミュラーハヤブサや、ロータスなどのエキゾーストノートが、チェリーパークラインに響いた
パイクスピークヒルクライム参戦EVマシンやサイドカー、そして往年の名車などバラエティに富んだ参加車両
ホンダ「NSR」やドゥカティ「Mk1」など貴重なバイクの参加もあった
新緑の木々の間を駆け抜ける本物のラリーカーや、往年のラリーカーのレプリカは峠道によく似合う。まるで時代の垣根を超えたWRCのスペシャルステージのようだ
現行モデルでありながら、その姿をなかなか見ることのない貴重なモデルも多数走行した。パガーニ「ウアイラ」やKTM「X-Bow」、マセラティ「MC CORSE」などの走行シーンを見る機会は、普段はまずないだろう
新緑の中のスタート地点

 なお、大会初日のヒルクライム走行は午前と午後の2本を予定していたが、1本目に単独事故があり、当該車両以降の走行、そして2本目の走行は中止となった。また、2日目は当初の予定通り開かれたが、コース上で車両故障(火災)があり一時赤旗中断となるなど、アクシデントの多い大会となってしまったのは残念であった。

GMジャパンによるコルベット Z06の発表

 GMジャパンは、昨年に引き続きニューモデルの発表の場に、この「浅間ヒルクライム2015」を選んだ。大会初日に発表されたのは「コルベット Z06」だ。

ファンとの交流「ギャラリー同乗走行」

 2日目、ヒルクライム走行後には「ギャラリー同乗走行」を行った。ヒルクライム走行で赤旗中断の時間があったためか、わずかな時間の同乗走行となったが、ジャンケン大会で勝ち抜いて同乗することができたギャラリーには、貴重な体験であったであろう。

ヒルクライム終了後、“世界のアライ”の「WRX STI」やアバルト「500RALLY R3T」、アストンマーチン等の同乗走行が行われた
4輪、2輪ともに様々なブースがメイン会場のアサマ2000パークに並び、賑やかな2日間となった。HRCはパーツ1つ1つが驚くほど軽いMoto GP用パーツを自由に手に取れるよう展示したほか、エンドレスレディが会場に華を添えた

 今回の会場とは異なるものの、浅間の麓といえばかつて日本初の「浅間高原自動車テストコース」が存在し、我が国の自動車産業に大きく寄与した地だ。海外でも人気の高いヒルクライム走行をこの地で行うことは非常に意義深い。ゼネラルモーターズジャパンが、歴史のあるコルベットの最新モデルをお披露目する場として、昨年に続きこの地を選んだのもそういう理由によるものであろう。

 地元の関係各所の協力を得て、念願の公道封鎖が実現して2回目の開催となった今年の「浅間ヒルクライム2015」だが、残念ながら事故や車両故障もあり、そのような緊急時の運営については課題の残る部分も散見された。とはいえ、この素晴らしいロケーションを駆け抜けるマシンの魅力は、色褪せることなくギャラリーを楽しませたようだ。

(高橋 学)