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WRCで戦ったグループBマシンやコンセプトラック「T880」などが公道を駆け抜けた「浅間ヒルクライム2017」レポート
地元の自動車イベント「KOMORO CARnival/こもろカーニバル」とも連携
2017年6月1日 00:00
- 2017年5月27日~28日 開催
長野県小諸市のチェリーパークラインで5月27~28日、「浅間ヒルクライム2017」が開催された。公道を封鎖することにより、ナンバープレートを取得できないレーシングカーの走行も可能になってから4年目となる今大会は、2日間を通じて2016年開催時を上まわる2万1000人(主催者発表)の来場者が足を運び、高峰高原の清々しい風景と集まった貴重なマシンの走行を楽しんだ。
また、例年大会初日に行なわれるナンバー付きの参加車両による小諸市内のパレードランでは、小諸市役所周辺で同日に開催されていた「KOMORO CARnival/こもろカーニバル」の会場をコースに組み込み、地域との連携をさらに強化した。
バラエティ豊かなマシンがチェリーパークラインを駆け抜ける!
メインイベントのヒルクライムは今年も大盛況。100台を超える参加車両がチェリーパークラインを走行し、参加ドライバー、観戦者とも天候に恵まれた高原でヒルクライムを楽しんだ。
参加車両は2輪、3輪、4輪の貴重なクラシックマシンから最先端のレーシングマシン、メーカー出展の最新モデルまでバラエティ豊かにラインアップ。グループB時代を戦ったWRC(世界ラリー選手権)のワークスマシンであるマルティニカラーの「ランチア ラリー 037」や、グループ4時代を戦い抜いた「ランチア ストラトス」など、現役当時は大自然のなかが主戦場だったラリーカーから、かつてはサーキットで活躍したJGTC(全日本GT選手権)参戦マシン「ランボルギーニ ディアブロ イオタ」、2輪のMFJ スーパーバイク最高峰であるJSB1000参戦マシンなど、通常なら峠での走行などあり得ないようなマシンまで参加し、多くのファンが見守るなか、新緑の美しいチェリーパークラインを駆け抜けていった。
さらに充実したメイン会場「アサマ2000パーク」
大会のメイン会場となる高峰高原の「アサマ2000パーク」には多くの出展ブースが並んだ。横浜ゴムブースでの「MODEA」による演奏をはじめ、さまざまなステージイベントや貴重な車両の展示などを実施。ヒルクライム同様、こちらも充実した内容であった。
なかでもこの大会の第1回目から出展し続けているポルシェ ジャパンは、なんと本国のポルシェミュージアム所蔵という「マルティニ ポルシェ レーシング 936/77」「ロスマンズ ポルシェ 956」を会場に持ち込み、車両展示して来場者を驚かせた。
小諸市内のパレードランと「KOMORO CARnival/こもろカーニバル」
小諸市による自動車イベント「KOMORO CARnival/こもろカーニバル」が、ヒルクライム初日の5月27日に小諸市役所とその周辺で開催され、会場には大型のトラクターや消防車、小型EV(電気自動車)、スーパー耐久シリーズ参戦マシン、クラシックカーなどが展示された。
トラクターや小型EVの同乗走行、セグウェイ体験、スーパー耐久マシンのエンジンサウンド披露、市役所内での子供向け工作教室などの体験型イベントも充実しており、多くの来場者で賑わっていた。さらにヒルクライム大会初日に行なわれたパレードランのコースの一部にもこの会場が組み込まれ、大会との連携が図られた。
また、今大会のようなナンバープレートのないレースカーやクラシックカーが、閉鎖された公道で走行できるように規制緩和を実現してきた衆議院議員 古屋圭司氏は、自らステアリングを握りヒルクライムに参加しその走りを来場者に披露。古屋氏の地元である岐阜県恵那市の市長である小坂喬峰氏も地元でのラリー開催に向けた視察のため足を運んでいるなど、小諸市のみならず、自動車イベントによる地域活性化に向けた取り組みが随所から感じられた。
初日の午前中に実施されたヒルクライム中に単独事故があったものの、大きなスケジュールの混乱もなく行なわれたことは重ねてきた経験ゆえの進化と感じる一方、会場では参加車両の年式が多少高年式化していることによる物足りなさを訴えるクラシックカーファンもいたのも事実。
2万1000人のファンとともに盛り上がったイベントだけに、自動車ファンの期待は多岐に渡っており、まだまだ大きくなっていきそうだ。さらなる魅力と安全性を備え、進化しているであろう来年の大会が今から楽しみだ。