写真で見るトヨタ「マークX(プレミアム Lパッケージ)」


 「マークX」(MARK X)は、トヨタのセダンのラインアップ中、クラウンの次に位置する高級モデル。4ドアボディと後輪駆動(一部モデルは4WD)という、オーソドックスな構成を採っている。以前は「マークII」という車名だったが、2004年11月のモデルチェンジで「マークX」になり、アグレッシブなイメージを強めた。そして2009年10月にマークXとなってから初めてのモデルチェンジが行われた。

 現行のマークXは、3.5リッターモデルと2.5リッターモデルに大別される。どちらもV型6気筒エンジンを搭載。トランスミッションは全モデルともDRAMS(駆動力統合制御システム)を備えた6速AT(6 Super ECT)であり、マニュアル感覚の操作が可能なシーケンシャルモードを備える。スポーティなモデルはシフトパドルも装備する。また、3.5リッターモデルはハイオクガソリンが指定される。

 今回取り上げる「プレミアム(PREMIUM) Lパッケージ」は、コンフォート性を重視した最上位モデル。サスペンションスポーツ性を高める「AVS」や、ギア比可変ステアリング「VGRS」は搭載していないが、エンジン、ブレーキ、ステアリングを統合制御し、車両安定性と予防安全性能を確保する「VDIM」が搭載されている。安全性や操作支援の面では非常に充実しており、ミリ波レーダー方式のプリクラッシュセーフティシステムや、ブレーキ制御付きレーダークルーズコントロール、ヒルスタートアシストコントロール、クリアランスソナー&バックソナーなどを標準で搭載している。

 「プレミアム Lパッケージ」のボディーサイズは、4730×1795×1435mm(全長×全幅×全高)、車両重量は1550kg。10・15モード燃費は10.2km/Lとなる。価格は380万円だが、撮影車はオプションのボディーカラー(ホワイトパールクリスタルシャイン)、本革シート表皮、4ウェイランバーサポート(運転席)、ソフトレザートリム、HDDカーナビなどが搭載され、合計で454万250円になる。

「マークII」の頃は“低く長い”イメージだったが、現在のマークXは室内空間を確保するためか、厚みのあるボディとなっている。トランク部は短いが、深さは十分に確保されている。フロントは凝った意匠のヘッドライト、グリルの中央に大きく「X」のロゴを置くなど、押しの強いデザイン。レクサスに通じるものがある。キーを持っていればスタートボタンで始動できる「スマートエントリー&スタートシステム」を搭載している

 

フロントまわり。かなりボリューム感がある「X」のロゴの奥にはクルーズコントロールのためのレーダーを備える「プレミアム Lパッケージ」は、235/45R18のタイヤと18×8Jのアルミホイールを装着
ヘッドライト。ロービームはステアリングに合わせて照射方向を変える「インテリジェントAFS」を装備点灯した状態。ロービームはプロジェクタータイプのため、この角度からは点灯が分かりづらいバンパー下部にはフォグライトを装備
フロントフェンダーは独特の丸いラインを描いているサイドミラーには方向指示灯をビルトイン試乗車はオプションの「バックガイドモニター&サイドモニター」を搭載。ミラー下にカメラを装備する
ルームミラーの隣りには、雨滴感知式ワイパーのセンサーを装備するドアハンドルは上下がボディー同色で、センターがメッキという凝った作り3.5リッターモデル(エンジン:2GR-FSE)はハイオク指定。2.5リッターはレギュラー仕様
リアまわり。厚いテール部だが、トランクは大きく開くヘッドライトに合わせた複雑な形状のコンビネーションランプリアウインドー下部にハイマウントストップランプを装備
マフラーはスタンダードな形状。左右2本出しナンバープレートの上にバックモニター用のカメラを装備するトランクリッドの左右に「MARK X」「Premium」のロゴ

 

3.5リッターのV型6気筒エンジン。大きなカバーで被われており、エンジンそのものは見えない最高出は234kW(318PS)/6400rpm、10・15モード燃費は10.2km/Lトランクリッドを開けた状態。大きく高く開く
ラゲッジルーム。奥が深く、十分な容量をもつラゲッジマットを外すと工具などが見える。ちょっとした小物入れもあるさらにラゲッジアンダートレイを外すと応急用タイヤとジャッキが現われる
ラゲッジルームを水平方向に見る。これは通常の状態リアシートを倒すと長尺物が積載できる。リアシートは6:4分割リアシートを左右とも倒した状態

 

インパネ全体。センターコンソール部分が目立つステアリングホイールまわり。グリップ部は本革巻き、上下は木目調の高級な仕上がりステアリングホイールまわりの俯瞰。スイッチ類やメーターなど、比較的オーソドックスなデザイン
センターコンソール上部。見やすい位置にカーナビ画面、その下に空調の操作パネルセンターコンソール下部。各種収納は、木目調のパネルで被われているシフトレバー。シフトブーツにも本革が使われている。手前は走行モードのスイッチ
ハンドル左側にはオーディオ関連のスイッチが置かれている。「DISP」スイッチはマルチインフォメーションディスプレイの切り換えハンドル右側には電話関連のスイッチが置かれている。その下にはクルーズコントロールの車間距離切り換えスイッチハンドル左側奥のワイパー&ウオッシャースイッチ。雨滴検知による自動動作も可能
ハンドル右側奥のライトスイッチ兼方向指示レバー。基部はフォグライトスイッチ方向指示レバーの下にはレーダークルーズコントロールのスイッチが置かれているハンドル右側のインパネ。スマートエントリー&スタートシステムを装備しているため、右のボタンを押せばエンジンが始動する
インパネ下部の小物入れ。ETC車載器もここに搭載されている衝突の可能性が高いと警告を発するプリクラッシュブレーキ機能のボタン。OFFにできるペダル類。左端はパーキングブレーキ
パワーシートの操作部。右が前後と上下の調整、中央がリクライニング、左は4ウェイのランバーサポートシートを最も前まで出した状態。シート高も高くなるシートを最も後ろまで下げた状態

 

運転席側のドア。インテリアと同じ、ブラックとベージュのカラー運転席シート。ファブリックが標準だが、撮影車は本革シートが採用されていたサイドシルの「MARK X」ロゴマーク
室内全体。広さは必要十分以上。高級感もある運転席ドアには、ウインドー操作やドアロックのスイッチ類が並ぶ運転席ドアのポケット。前部の膨らみはペットボトルなどに最適
助手席側のダッシュボード。エアバッグが収まっているグローブボックスはかなり広い。緊急脱出用のハンマーもここに置かれていたセンターコンソール下部の小物入れは、きれいな木目パネルで被われている
小物入れを開けた状態。下のアクセサリーボックスは灰皿にはならないシフトレバー横のカップホルダーも木目パネルが付くカップホルダー。オプションの灰皿はここに装備する
前席のアームレスト。その前方はシートヒータースイッチアームレストは少しスライドし、コンソールボックスが利用できる左の状態から持ち上げるとコンソールボックスが全開になる
アームレストの中のトレーは移動、取り外しが可能コンソールボックスにAUX端子やアクセサリーソケットが装備されている天井に用意されたオーバーヘッドコンソールの物入れ。メガネなどを入れておくのに便利
サンバイザーにはカードなどを入れられるポケットがあるサンバイザーの裏にはバニティミラーを装備。カバーを開けるとライトが点灯する前席のフロントパーソナルライト。左右独立して使用できる
天井中央のルームライト。ドアの開閉に連動して点灯するエアバッグは、運転席・助手席のほか、サイド、カーテンシールドなどを装備ハンドル下には下半身を守る運転席ニーエアバッグを装備
後席のドアを開けたところリアシートはリクライニング機構付きコンソールボックスの背面には、後席のためのエアコン吹き出し口を装備
前席背面のポケット後席ドアのスイッチは、ウインドー開閉スイッチのみ後席中央のアームレストを引き出した状態
アームレストにはドリンクホルダーを装備する後席は6:4の分割可倒式シート左右とも倒した状態。トランクとつながり、長尺物も積載できる
リアウインドーの視界リアサンシェードを上げた状態。日差しや視線を遮るチャイルドシートを固定するためのトップテザーアンカー

 

大きなメーター。オーソドックスだが、そのぶん見やすい。中央にマルチインフォメーションディスプレイを装備マルチインフォメーションディスプレイの表示。それぞれ、表示なし、走行時間、平均車速、外気温燃費関連の表示。平均燃費、瞬間燃費、航続可能距離、エコドライブインジケーター

 

HDDカーナビは7型ディスプレイ+G-BOOK mXに対応した最新のものカーナビの目的地入力画面目的地を住所から検索して入力
情報表示のトップメニュー交通情報が得られるVICS(FM多重)のメニューETCは使用履歴や登録情報が確認できる
「エコ情報」からは区間燃費や毎分燃費がチェックできるカレンダー表示。単純だが、何かと便利G-BOOKのメニュー。直接オペレーターと話すことも可能
オーディオをFMラジオに切り替えた状態HDDの音楽データ表示。まだ何も登録されていないテレビ受信機能。地デジが受信できる
ハンドルの「MODE」ボタンを操作すると、ディスプレイ上部に表示されるバックガイドモニターの表示。シフトをリバースに入れると自動で表示されるサイドモニターの表示。助手席側の路面を映してくれる

 

(西尾 淳(WINDY Co.) / Photo:石川 智)
2010年 1月 7日