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写真で見るマクラーレン「MP4-12C」

 F1チーム「マクラーレン」のグループ企業となる英マクラーレン・オートモーティブのロードカーが「MP4-12C」だ。MP4という名称からF1マシンを想像するとおり、カーボンシャシーをはじめF1の技術が取り入れられた公道走行可能なマシン。

 マクラーレンのロードカーは約20年前に登場したセンターステアリングのマクラーレン「F1」が有名だが、それとは異なりこちらは右ハンドルとなり、エンジンはV型8気筒3.8リッターツインターボ「M838T」でマクラーレンの自社開発とされている。最高出力は441kW(600PS)/7000rpm、最大トルクは600Nm/3000-7000rpm。最高速は330km/hに達する。

 トランスミッションは伊グラツィアーノ製7速デュアルクラッチ「シームレス・シフト・ギアボックス」。ステアリングホイールのパドルでシフトアップ/ダウンが可能なほか、オートモードを備えてイージーにドライブすることもできる。ノーマル、スポーツ、トラックという3種類の変速プログラムも用意される。

 ドアは前方に持ち上がる「ディへドラルドア」で、乗り込む時からスーパーカーらしさを感じさせてくれる。ドアノブはなく、ドアノブが装着されているであろう場所を指先でスワイプするとドアが開く。一体設計のカーボンファイバーで構成された乗車スペースは、ドアが開いてもドアシルが幅広く、高さもあり、すんなりと乗車させてくれない。着座位置は極めて低く、スポーツカーらしさを感じさせてくれる。

 メーター類は、センターにあるタコメーター以外は液晶パネルなどによりグラフィック表示される。警告等の情報は日本語化もなされており、日本人が乗っても戸惑うことはなさそう。操作のほとんどは電子スイッチやタッチパネルとなっており、サイドブレーキも電子スイッチによる操作。変速モードやサスペンションのセッティングの変更もすべて電子スイッチだ。

 MP4-12Cのボディーサイズは4509×1908×1199mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2670mm。重さは1336kgと軽量だ。カーボンモノコックが軽量化に大きく貢献していることが想像される。

マクラーレン MP4-12C
ドアは前方に持ち上がる「ディへドラルドア」。サッシュレスだ
ヘッドライトはプロジェクタータイプ。その他の灯火類はLEDを多用する
マクラーレンのアイコンをフロントのエアインテークなどに取り入れている
エンジンはリアに搭載
ラゲッジスペースはフロントに装備。容量は大きめ
ワイパーは1本タイプ。リンクによって掻き取り角度を最適化している
ターンシグナルランプはミラーにも内蔵
カーボンのサイドミラー
ディへドラルドアは斜め前方に開く。ドアノブに相当する部分を指でスワイプすると開く
リアにはツインターボ付き3.8リッターV型8気筒エンジンを搭載する
ウイングは角度を変えることでダウンフォースを高め、ブレーキ性能を高めるエアブレーキを兼用する
エキゾーストエンドはライセンスプレートの上方にある
リアのライト類はLED。バックライトも白色LEDが備わる
リアにあるマクラーレンのバッヂ
エンジンはクリアーなハッチの下に収まる
フューエルリッドは左後方。キャップレスの構造。オクタン価98を指定している
エンジンルーム
エンジンはカーボンのカバーが被っている。V型8気筒3.8リッターツインターボ「M838T」の最高出力は441kW(600PS)/7000rpm、最大トルクは600Nm/3000-7000rpm
タイヤはピレリ「P ZERO」を装着。サイズはフロントが235/35 R19、リアが305/30 R20
コクピットは低くタイト
サイドシルが太く、高いため、乗り込みは容易ではない
ドアを開けるとフロントタイヤの後方から開く。ドアのダンパーも露出している
サイドシルにあるプレート
フロントシートまわりはカーボンによる一体成型したシャシーとなる
コクピットに電子スイッチが並ぶ
足まわりもタイトなコクピット
ペダルは2ペダル
ディスプレイは中央のタコメーター以外はマルチディスプレイになっている
ステアリングホイール
マクラーレンのエンブレムがあり、エアバッグの表示もある
パドルシフトをステアリングホイールに装着。半押しで変速準備、全押しで変速という独特の操作となる
オーディオ等の操作は上半分で行い、下半分はトランスミッションの変速モードを切り替える
パーキングブレーキや前進/後退の切り替えはここにまとめられている
エンジンスタートボタンと変速モード切り替え。N、S、Tはノーマル、スポーツ、トラックの略
空調はドア側のスイッチで操作する
パワーウインドーとドアノブ
空調のエアアウトレットもデザインされる
小さいバイザーを装備。アルカンターラによる表皮でスポーツカーらしい
キーは電波式。カーボン仕上げだ

(正田拓也)