本田技研工業「ジェイド」は5ドアハッチバックボディーで6名乗車を可能としたモデル。多人数乗車と言えばミニバンの独壇場で、1ボックス形状のボディーを持つのが一般的。だが、同車は一見するとステーションワゴンにしか見えないシルエットを持つ。それもそのはずで、「Light&Solid」をテーマにデザインされたボディーの全高はわずか1530mm。同じワゴン系でもSUV色を強めたモデルよりもずっと車高は低く、ほとんどのタワーパーキングにも収まり、それでいて多人数乗車が可能なのだ。過去、各社から多種多様なステーションワゴンがリリースされていた時期には3列シートを持つモデルも存在していたが、多人数乗車の受け皿がミニバンやSUVにシフトした現在では異色のモデルと言える。
ボディーサイズは4650×1775×1530mm(全長×全幅×全高)。これは4月24日発売の新型「ステップワゴン」より40mmほど短く幅は80mm広く、そして車高は300mmあまり(ステップワゴンの駆動方式によって異なる)も低い。そこに組み合わされるパワートレーンは「ヴェゼル」や「フィット」でお馴染みの「SPORT HYBRID(スポーツ ハイブリッド)i-DCD」だ。ジェイドの場合、これら2車よりボディーサイズに余裕があるものの、3列目を実現するためには心臓部となる「IPU(インテリジェントパワーユニット)」をリアに搭載することはできない。そのため、センターコンソール部分に縦置き配置する独特のレイアウトを採用しているのが大きな違いといえる。そのほかにも燃料タンクや排気系レイアウトの薄型化、アッパーアームをボディーに直付けしたダブルウィッシュボーン式サスペンションなど、全高を抑えるとともにフロアを低床化し、室内空間を最大限確保するために多くの技術が盛り込まれている。
パワートレーンは直列4気筒DOHC 直噴1.5リッターのL15B型ユニットと、H1型交流同期電動機(モーター)を組み合わせたハイブリッド。スペックはそれぞれ最高出力96kW(131PS)/6600rpm、22kW(29.5PS)/1313-2000rpm。最大トルクが155Nm(15.8kgm)/4600rpm、160Nm(16.3kgm)/0-1313rpm。トランスミッションは7速DCT、駆動方式は2WD(FF)のみとなり、JC08モード燃費は24.2km/L~25.0km/L。
グレードはベーシックモデルとなる「ハイブリッド」と、新運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」などを標準装備する「ハイブリッド X」の2タイプ。価格はそれぞれ272万円、292万円。
撮影車両は上位グレードとなるハイブリッド X。ボディーカラーはホワイトオーキッド・パール。既存のミニバンとは一味違ったシルエットが特長。外観からは3列目を持つモデルとは思えないスマートさだ ルーフ後端にグラスエリアがある、と思いきや実はここまでがリアハッチになっている フロントマスクは最近の“ホンダ顔”。ハイブリッド XはHエンブレム裏にミリ波レーダーを内蔵している ハイブリッド専用モデルなので全車フェンダー部に“HYBRID”のバッヂがつく ドアミラーはボディー同色タイプでLEDウインカーを内蔵 ハイブリッド Xのドアハンドルはクロームメッキタイプ ボディー同色の大型テールゲートスポイラーはハイブリッド Xの専用装備。ハイブリッドにはブラックカラーが付く フォグランプまわりにはクロームメッキのガーニッシュを装着 リアコンビランプの点灯パターン。写真では見えないがライセンスランプにもLEDが採用されている 直列4気筒DOHC 直噴1.5リッターのL15B型ユニット ハイブリッド Xのアルミホイールは走行音を低減する“ノイズリデューシング”構造を採用。タイヤサイズは215/50 R17。ハイブリッドのタイヤサイズは205/60 R16 マフラーは後方からテールパイプが見えないデザインになっている アイボリーカラーのインテリア。インパネは曲面を多用しており上質な印象 ステアリングは本革巻き。チルト&テレスコピック機能も備わる センターコンソールにはIPUが収るためボックス形状。上面にはシフトレバー メーターパネル左側には各種情報の表示が可能なマルチインフォメーション・ディスプレイ。これはタコメーター表示 ペダルに反力を与えることでアクセルの踏みすぎを抑制するリアクティブフォースペダルを装備。動作状況を見ることができる マルチインフォメーションディスプレイの右側はパワーメーター Honda インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器+LaneWatch+後退出庫サポートはセットでメーカーオプション 助手席側ドアミラーに装備されるカメラ映像を利用するLaneWatch。ガイドラインは10m間隔 DC12Vソケットの隣には引き出し式のカップホルダーを装備する ルーフ前端中央にマップランプなどを備えたコンソールを配置 シートはレザーとファブリックのコンビネーションタイプが標準。写真の本革シートはメーカーオプション 本革シート仕様は運転席8ウェイ+助手席4ウェイパワー調節付き ハイブリッド Xのドアトリムは木目調パネルとレザーの組み合わせ アームレスト前方にシートヒーターのスイッチが付く。シートヒーターは本革シートとのセットオプション 2列目シートは中央に大型のアームレストが用意されパーソナル感が強い快適空間 前方にスライドさせると左右シート間が離れるためパーソナル感が強まる センターコンソール後端には2列目用のエアコンアウトレット。その下にはIPU用のエアダクトも リアドアのドアトリム。スピーカーは標準では4つ、一部パッケージ装着車はツィーターが追加され6スピーカーになる 4名乗車時のラゲッジルーム。フラットで使いやすそう 2列目は背もたれを前方に倒すだけでなく座面ごと前に起こすことでより大きな空間を確保可能 後端に見えているストラップを手前に引っ張り収納場所にセット ラゲッジボードを前側に倒して終了。難しい操作は必要なく、カンタンに素早くセット可能だ 無限パーツ装着車
発売と同時に無限(M-TEC)からも数多くのアイテムがリリースされている。よりスポーティなジェイドに仕上げることができるアイテム群は、オーナーはもちろん、購入を考えているオーナー予備軍も必見だ。
Honda SENSINGに対応したフロントグリル 標準装備のサイドシルガーニッシュを取り外して装着するサイドスポイラー 無限デュアルサイレンサー用のリアアンダースポイラー。標準マフラー用も用意 カーボンナンバープレートガーニッシュはドライカーボンを採用した本格派 アルミ製のスポーツペダル。ブレーキペダルにはニッケルクロームの発泡金属を採用することで滑りを防止 アルミとドライカーボンを使った球形のセレクトノブ。写真のサイドロゴタイプのほかに、上部にロゴが入るタイプも 純正アクセサリー装着車
純正アクセサリーはジェイドの特長をさらに高め、スマートに演出する。テールゲートスポイラーやフロントロアガーニッシュといったエクステリア、シートカバーやフットライトといったインテリア、それに15mmローダウンされるサスペンション、アルミホイールなどさまざまなアイテムを豊富に用意している。
フロントグリルとフロントロアガーニッシュによりスポーティな印象が強まる。フォグランプもLEDタイプを用意 フロントロアガーニッシュはカーボン調。ライセンスフレームもオプションパーツ スパッタリングによる輝きが特徴的な18インチアルミホイール“MG-015” 爪などによるキズを防止するドアハンドルプロテクションカバー リアビューを引き締める大型のテールゲートスポイラー エプロンタイプのためカンタンに取り外して洗うことができるシートカバー ルーフ取り付けタイプのリア席モニター。9インチで解像度はワイドVGA センターコンソールやスピーカー、フットライトなどにブルーのLED照明を用意。この3点をセットにしたオトクなパッケージも センターコンソールイルミネーション。奥に見えるのがLEDスピーカーリング&ドアポケットイルミネーション ロゴが光るサイドステップガーニッシュ。イルミネーションなしも用意されている