写真で見る

写真で見る ホンダ「ステップワゴン」

「ステップワゴン スパーダ」(写真手前)と「ステップワゴン」(写真奥)

 本田技研工業の「ステップワゴン」は、5ナンバーサイズで日本の道路環境にジャストフィットするミニバン。アグレッシブなデザインを採用する「ステップワゴン スパーダ」もラインアップ。こちらは全長が45mm伸びるため3ナンバーになる。

 ホンダが提唱した「クリエイティブムーバー(生活創造車)」シリーズの第3弾として1996年5月に発売された初代ステップワゴンは、「取り回しのよい5ナンバーサイズ」「多人数が快適に移動できる広々とした空間」「家族みんなが使いやすい機能」という3つのテーマを掲げてデビュー。以来、コンセプトはそのままに時代の流れを取り込みつつ進化を続け、5代目となる新型でも基本テーマに大きな変更はない。

 この新型で重視されたのは3列目シート。近年は3世代で移動することが増えつつあるという市場研究を踏まえたもので、これを見据えて導入されたのが「わくわくゲート」だ。従来は跳ね上げ式の1枚型だったテールゲートを、6:4程度の比率で左右に分割。助手席側の大きな方を横開き可能としている。ゲートの荷重がかからず軽い力で開閉できるようになったことに加え、狭い場所での開閉も可能になった。

 さらに、これまでのテールゲートは荷物の出し入れ時にしか使われていなかったが、開口部の地上高を低く抑えるとともにグリップを装備したことなどにより、テールゲート側からも車内に乗降できるようになっている。もちろん、これまでどおり全体を跳ね上げて開けることも可能となっており、まさに「目の付け所が……」的なギミックなのだ。

 もう1つ、新しい試みとなっているのが心臓部。これまでステップワゴンは2.0リッター自然吸気エンジンをメインに搭載していたが、新型では欧州を中心とした小排気量化の流れを受け、排気量のダウンサイジングを図っている。搭載されるエンジンは新開発となる1.5リッター直列4気筒 VTECターボの「L15B」。これは今後ワールドワイドで使用されるメインストリームユニットになるとのことで、その第1弾にステップワゴンが選ばれたことになる。

 気になるスペックは、最高出力110kW(150PS)/5500rpm、最大トルク203Nm(20.7kgm)/1600-5000rpmと、先代モデルが搭載していた「R20A」と比較すると最高出力はそのままに、トルクアップ&ワイドバンド化が図られている。このパフォーマンスならフル乗車での登坂時などでもストレスを感じさせない走りができそうだ。組み合わされるトランスミッションはCVTのみで、駆動方式は全車に2WD(FF)と4WDを用意。JC08モード燃費は最高で17.0km/Lと、こちらも先代モデルを上まわる数値となっている。

 ラインアップは標準モデルが「B」「G」「G・EX」の3タイプ。2代目から登場したスパーダも用意されており、こちらは「SPADA」「SPADA Cool Spirit」の2タイプ。

ステップワゴン

撮影車両はG。ボディーカラーはコバルトブルー・パール
2WD(FF)車のボディーサイズは4690×1695×1840mm(全長×全福×全高。4WD車の全高は1855mm)でホイールベースは2890mm。フロントピラーを前に出した“ワンモーションビッグキャビン”とすることで室内空間を最大限に確保している
フロントマスクは最近のホンダ車一連のフォルムと少し雰囲気が異なる柔らかな印象
ヘッドライトはハロゲンタイプ。G系グレードではオプションでLEDヘッドライトも選択できる
サイドビューサポートミラーを標準装備
GとBはスチールホイールに樹脂キャップを装着。タイヤサイズは205/60 R16 92H
サイドのドアウインドー部にあるピラーはブラックアウトされている
リアビューは左右非対称。リアコンビネーションランプ形状も左右で異なる
わくわくゲートを閉めた状態
サブドアを横開きで開けた状態。ストッパーは3段階(写真は全開状態)
デフォッガー用の熱線は縦方向に入っている
テールゲートを上開きにした状態。開口部の地上高は従来モデルより85mm低くなり445mmとなった
テールゲートはバンパー下部までカバーする大きなサイズ
リアワイパーは1本で、分割された右側まで拭き取り可能。ワイパーの破損を防ぐため、右側を拭いている状態でエンジンを止めても待機位置に戻るセッティングとなっている
エンジンルームには1.5リッターのVTECターボユニットが収る
エンジンの単体モデルを前方向から
同じく運転席側から
インタークーラーはバンパー下部にセットされる
ピストンまわり
直噴システムを採用
バルブはナトリウム封入タイプ。軸部分だけでなくカサ部分にも封入されている
VTC(バルブタイミングコントロール)は吸気、排気の両側に採用
タービンは三菱重工業製の小径タイプ
電動ウェイストゲート付ターボチャージャーを採用
水平基調のインパネデザイン。G以上のグレードではブラウンの内装色が標準。Bはダークグレーが標準となる
スパーダ系以外は全車ウレタンステアリングを装備
メーターはデジタル表示。「タイヤ角度モニター」などが表示可能になるマルチインフォメーションディスプレイは全車オプション
プッシュエンジンスタート/ストップスイッチはステアリングコラム左側にレイアウト。カラーはブラック
シフトセレクターはセンターコンソール中央に付く。ストレートゲートの5ポジションタイプ
ペダルまわり。パーキングブレーキは足踏み式
パワースライドドアは、Bでは助手席側だけにオプション設定。それ以外のグレードでは助手席側を標準装備し、運転席側をオプション設定する
インパネ右下のスイッチ類。ハロゲンヘッドライトはマニュアルレベリング機構を採用
ホンダインターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器はGグレード以上にメーカーオプション設定される。静電式メニューボタンなどの機能面は最近のホンダ車に共通したもの
4つのカメラでクルマの周囲を確認可能な「マルチビューカメラシステム」は、カーナビ装着車にリアエンターテインメントシステムとセットでオプション設定
GとBはフロントフルオートエアコン+リアマニュアルクーラーが標準。4WD車とG・EXはトリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンを採用。B以外のグレードではプラズマクラスター技術も搭載する
インパネの両サイドにカップホルダーを装備。運転席側/助手席側どちらにもLED照明が備わる
G・EXの加飾パネルは木目調になる
縦型のグローブボックス
インパネ中央下側にDC12VソケットやUSB&HDMI端子を装備。最下部には開口部の大きいポケットスペースを用意する
シート表皮はツィード調ジャージ
運転席のドアトリム。中段のポケットには「ドリンク(缶)を入れないように」との注意表示がある
ドアアームレストにはパワーウインドースイッチとドアミラースイッチなどを配置
シートバックテーブルのヒンジ部分にはコンビニの袋などを掛けるのに便利なフックがある
アームレストにもサイズの大きなコンビニフックを設定
フロントシート頭上にはマップランプとサングラスホルダーを用意
8名乗車を可能にする6:4分割ベンチシートは全車にメーカーオプション設定。背もたれの中央に収納式アームレストを装備
6:4分割で前後スライドとリクライニングが可能
2列目シートの座面後方には3列目からの降車時に利用するスライド用ペダルがある
3名乗車が可能な3列目シート
1列目&2列目、または2列目&3列目でシートのフラット化が可能
車内側から見た「わくわくゲート」
車内からゲートを開けるときに押すロック解除スイッチ。停車時のみ利用可能で、約1秒間の長押しで電磁ロックが解除される
車外から見た「わくわくゲート」。助手席側の側面に格納式の大型アシストグリップがあり、3列目シートをダイブダウンさせたフロアもフラットなので乗降しやすい
3列目シートを起こしたフル乗車時のラゲッジスペース
フロアが掘り下げられているため上下にスペースがあり、収納力は意外なほど高い
片側をダイブダウンさせた状態でも、少し大きめの荷物ぐらいなら積めそうだ
3列目シートを収納するとフラットなフロアが出現
シートを格納するには、まず肩口の中央寄りにあるストラップを引いて背もたれを前に倒す
背もたれが倒れると、同時にフロア側前方のロックが外れて前方が浮き上がる
後方に引っ張りながらダイブダウンさせ、押し込んでロックをすれば完了
3列目を収納した状態のラゲッジスペース
2列目は格納できないが、前方にスライドさせることでラゲッジスペースを拡大できる

ステップワゴン スパーダ

撮影車両はSPADA Cool Sprit。ボディーカラーは見る角度によって色が変わるスパイスパープル・パール
ボディーサイズは4735×1695×1840mm(2WD車の全長×全福×全高。4WD車の全高は1855mm)で、ステップワゴンより全長が45mm長い
フロントノーズを延長することでアグレッシブなイメージを強調
オプションのHonda SENSINGを装着するとフロントウインドー上部にカメラが付く
エンブレム部分にミリ波レーダーを装備。中央下のカメラはマルチビューカメラシステム用
スパーダはLEDヘッドライトを全車で標準装備
ドアミラーはLEDウインカー内蔵タイプ
ドアミラー下部にもマルチビューカメラシステム用カメラが付く
ボディーのサイドにエッジが効いたデザインの専用カラードサイドシルガーニッシュを装着
LEDハイマウントストップランプを内蔵するスパーダ専用のテールゲートスポイラー
燃料は全車無鉛レギュラーガソリン仕様。燃料タンクは52L
リアコンビネーションランプはクリアを基調としたデザインになる
テールゲート左側に横開き用のオープナーを装備
テールゲートの右側下にスパーダのバッヂが付く
メッキ仕上げのリアライセンスガーニッシュに、バックビューカメラや跳ね上げ用のオープナーを内蔵
SPADA Cool SpritのFFモデルのみ、タイヤサイズが205/55 R17 91Vになる
マフラーはテールパイプが見えにくいようレイアウト
スパーダのインテリアはブラック基調。Cool Spritはさらにシルバーを組み合わせたカラーリングとなる
スパーダは本革巻ステアリングを標準装備。パドルシフトはSPADA Cool Sprit専用アイテム
シルバーの加飾以外はステップワゴンと同じデザイン
Cool Spritはトリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンに加え、運転席&助手席シートヒーターも標準装備
シフトセレクターとステアリングコラムのあいだにアイドリングストップのON/OFFスイッチ、ステップワゴンと同デザインのスタートスイッチなどがある
インパネ中央下側のUSB&HDMI端子
DC12Vソケット横に引き出し式のカップホルダーを装備
カップホルダーの下は収納スペース
プッシュ式のセンターテーブル(インストルメントパネル内蔵型)
Cool Spritの加飾は「ウェーブメタル」と名付けられた専用品
ルーフに設置されたオーバーヘッドコンソール
Cool Spritにはマップランプのほかに、ダイヤルで照度調節が可能なLEDルームランプを標準装備
サングラスホルダーには室内確認用ミラーを内蔵
運転席、助手席ともサンバイザーにバニティミラーを装備
B以外にオプション設定される「リアエンターテインメントシステム」のフリップダウン式9インチワイドVGAディスプレイ
トリプルゾーンコントロール・フルオートエアコンの2列目シート用操作パネル
調光式LEDルームランプは2列目、3列目シートにも設定される
Cool Spritのシート表皮はプライムスムースとソフトウィーブのコンビネーション
中央側にアームレストを装備
2列目のキャプテンシートは左右にアームレストを備える
B以外のグレードには、運転席と助手席の後方に収納式のシートバックテーブル、スマートフォンなどを収めることを想定したシートバックアッパーポケットを標準装備
テーブルを起こして使用状態にしたところ
B以外のグレードのスライドドアにはロール式のサンシェードを内蔵する
3列目シートは表皮の違い以外にほかのグレードと大きな形状変更はない。両サイドのアームレストに、運転席側3個、助手席側2個のカップホルダーを設定する
助手席側アームレストは内部にジャッキを収納し、上部にHDMI端子&DC12Vソケットを装備
フル乗車状態のラゲッジスペース

(安田 剛)