写真で見るスズキ「ワゴンR」「ワゴンRスティングレー」


 9月6日に発売となった新型軽自動車「ワゴンR」。開発コンセプトに「軽ワゴン低燃費No.1 新世代エコカー ワゴンR」を掲げ、徹底的な燃費改善が図られた。

 詳細は別記事に詳しいが、新型ワゴンRでは低燃費化を目的に減速時のエネルギーで発電・充電し、走行時の発電に使用する燃料を低減する「ENE-CHARGE(エネチャージ)」、停車前の減速時に13km/h以下でエンジンを停止し、燃料カット領域を拡大する「新アイドリングストップシステム」、蓄冷材を採用してエンジン停止中でも冷風を送ることで室内を快適に保つとともに、アイドリングストップ時間の拡大に貢献する「ECO-COOL(エコクール)」という、3つの新技術を投入した。

 これに加え、最高980Mpa級の高張力鋼板を全体の約41%に使用したボディーの採用により、トータルで約15kgの減量に成功したほか、インパネの内部構造や内装トリムなどの材料・工法を変更し、内装でも約10kgの軽量化を実現。さらにエンジン、足まわりにも手が加えられ、車両全体で軽量化を行ったことで最大70kgの軽量化に成功した。これにより、軽ワゴン最軽量となる780kg(FX/2WD)を達成している。

 パワートレーンでは、フリクションを低減した改良型の直列3気筒DOHC 0.66リッター「R06A型」エンジン(自然吸気/ターボをラインアップ)とともに、副変速機機構付きCVTに低粘度オイルを採用した。さらに、新アイドリングストップシステムを搭載したことなどにより、JC08モード燃費は28.8km/L(ワゴンRスティングレーのTグレードをのぞく自然吸気エンジン/2WD)を達成した。

 また、自然吸気エンジン・4WD車が27.8km/L、ターボエンジン・2WD車が26.8km/L、ターボエンジン・4WD車が25.0km/Lとなるなど、全車平成17年排出ガス基準75%低減、平成27年度燃費基準+20%を達成。エコカー減税により、自動車取得税および重量税が免税(100%減税)となる。

 新型ワゴンRのボディーサイズは、先代から20mm低くなったのみで全長/全幅は変わらず、3395×1475×1640mm(全長×全幅×全高)とした。しかし室内寸法は2165×1295×1265mm(室内長×室内幅×室内高)と115mmも長くなるとともに、室内高は10mm低くなるにとどまっている。

 車種については、ベースモデルのワゴンRと、より個性的なワゴンRスティングレーをラインアップ。ワゴンRは「FX」「FXリミテッド」、ワゴンRスティングレーは「X」「T」の4グレード構成で、それぞれに2WD車、4WD車を展開する。

ワゴンR

 新型ワゴンRのエクステリアは、ラウンド感を強めたフロントまわりとメッキグリルの採用により上質感を高めたほか、フェンダーまわりから前後バンパーにつながるライン、ワゴンR伝統の縦型ヘッドランプ、大型化したリアコンビネーションランプ、14インチ大径タイヤなどが特徴となる。

 ボディーカラーは新色としてフィズブルーパールメタリック、イノセントピンクパールメタリックを含めた全8色を設定。

 今回撮影したのはFXリミテッド(2WD)。価格は124万9500円。

ワゴンR FXリミテッド(2WD)。ボディーサイズは3395×1475×1640mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2425mm
硬質なメッキグリルを採用標準装備はハロゲンヘッドランプだが、撮影車はオプションのディスチャージヘッドランプを装着する
ベースグレードのFXはホイールキャップだが、FXリミテッドは14インチアルミホイール(タイヤサイズ:155/65 R14)となるグレードをあらわすバッヂはリアゲートの右側につく。その下にアイドリングストップのエンブレムが備わる
自然吸気の直列3気筒 DOHC 0.66リッターエンジンは最高出力38kW(52PS)/6000rpm、最大トルク63Nm(6.4kgm)/4000rpmを発生新型ワゴンRは減速時のエネルギーで発電・充電し、走行時の発電に使用する燃料を低減する「ENE-CHARGE(エネチャージ)」機能を備え、軽量でコンパクトなリチウムイオンバッテリーと、一般的な軽自動車と比べ約2倍の発電能力を持つ高出力オルタネーターを採用するアイドリングストップ車専用の鉛バッテリーを装備。エネチャージでは必要な電力の大部分を減速時のクルマの慣性を利用して発電することで、リチウムイオンバッテリーと鉛バッテリーに充電する
LEDストップランプを採用するリアコンビネーションランプは、FX、FX リミテッドともに標準装備
インテリアは温かみのある明るい色を採用した2トーンカラー。シートカラーはベージュとグレーが用意されるが、FX リミテッドはグレーとなる。シート表皮はジャージ
FX リミテッドは本革巻きステアリングを標準装備助手席下のアンダーボックスは全車標準装備メーターは、エコドライブをするとブルーからグリーンになるエコドライブアシスト照明を装備
撮影車はオプションのCDプレーヤーを装備豊かな面質と抑揚のあるラインを組み合わせたインストルメントパネル全グレードともフルオートエアコンを標準装備
ドアトリムはインストルメントパネルとの連続性を持たせたベージュの加飾が施されるキーレスプッシュスタートシステムはFX リミテッドのみ(スティングレーのぞく)の装備アイドリングストップ機能のON/OFFボタン
助手席前のリッド付きインパネボックス
前席足下にペットボトルなどを収納できるインパネドリンクホルダーを用意トランクスペース下にタイヤパンク応急修理セットや、ジャッキなどを装備
後席は5:5分割可倒式シートを採用し、リクライニング機構も備わる
メーター内にアイドリングストップ節約燃料、アイドリングストップ時間、エコスコア、瞬間燃費、平均燃費、航続可能距離、オドメーター、トリップメーターを表示できるマルチインフォメーションディスプレイを装備

ワゴンRスティングレー

 一体デザインのヘッドランプとスケルトングリル、丸目4灯イメージのヘッドランプ、スポーティで迫力のあるバンパー開口部、厚みを増したボンネットなど、精悍なフロントマスクを特徴とするワゴンRスティングレー。

 特にスモールランプと連動して白くライン状に点灯するLEDイルミネーションを、フロントグリルとヘッドランプに採用し、夜間での存在感が際立つデザインに仕上げた。また、リアコンビネーションランプにはアルミ蒸着にクリアレンズを組み合わせた、高級感のあるデザインにしたほか、新デザインの15インチアルミホイールを装備。

 ボディーカラーは、メインカラーのフェニックスレッドパールを含む全6色を設定する。

 撮影車はスティングレー「T」(4WD)で、ボディーカラーはルナグレーパールメタリック。価格は161万3850円。

スティングレー「T」のボディーサイズは、ワゴンRから全高のみ20mm高くなる3395×1475×1660mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2425mmで変わらない
フロントグリルとヘッドランプは、スモールランプと連動して白くライン状に点灯するLEDイルミネーションを採用
フロントフォグランプはX、Tともに標準装備Xは14インチアルミホイールとなるが、Tは15インチアルミホイール(タイヤサイズ:165/55 R15)を標準装備する
リアゲートのバッヂはスティングレーであることをあらわすだけで、グレードは表示されないTのみ直列3気筒 DOHC 0.66リッター ターボエンジンを搭載し、最高出力47kW(64PS)/6000rpm、最大トルク95Nm(9.7kgm)/3000rpmを発生
リアコンビネーションランプの点灯パターン
インテリアはブラックを基調に各所にシルバーの加飾が施され、スポーティな仕上がりをみせるシート表皮はメインがジャガード織物、サイドがジャージとなる
スティングレーは全車本革巻きステアリングを標準装備するが、Tのみオーディオスイッチが付くワゴンRと同様のメーターが付く
Tのみパドルシフトを装着するオプション設定のCDプレーヤー
フルオートエアコンを全グレード標準装備ドアトリムもブラックを基調とし、精悍な仕上がり

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http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(編集部:小林 隆/Photo:中野英幸)
2012年 9月 7日