カーグッズ・ミニレビュー

30〜140km/hまで設定可能なクルスロ「3-drive・α」

ピボットのオートクルーズ&スロットルコントローラー

 名古屋在住の筆者は、2013年から神奈川県川崎市にオフィスを借り、活動の拠点を関東に移した。サラリーマンの単身赴任に近いイメージとなり、自宅のある愛知県名古屋市と、川崎の間を高速道路で移動する機会が増えた。名古屋〜川崎間は、高速区間だけで300km超。少しでも楽に運転したいと思い装着したのがオートクルーズコントローラーだ。

3-drive・α。オートクルーズコントローラー作動中はAccと表示される

 オートクルーズコントローラーは、セットした車速をコントローラーが維持してくれる装置で、アクセル操作なしで一定速の走行が可能となる。人間が操作するより安定した速度で走行できるので燃費向上の可能性もある。筆者が期待するところもこの2点で、長距離高速運転の疲労軽減と燃費向上だ。

 筆者が選んだ製品はピボットのオートクルーズ&スロットルコントローラー「3-drive・α」。ピボットはレース用のエンジン制御や市販車のエンジンコンピュータ、カーナビ用のECOシステム、メーター、センサーなどエンジンの電子制御に関するソフト、ハードを得意とする会社だ。

 3-drive・αはオートクルーズコントローラーの機能と、スロットルコントローラーの機能をあわせ持つ製品で、ピボットはこの製品ジャンルを“クルスロ”と名付けている。オートクルーズコントローラーとして設定できる速度は30km/hから140km/ h。設定した速度で走行中にブレーキを踏むか、解除スイッチを押すとオートクルーズを解除できる。速度の設定は、走行中にセットスイッチを押すことでセットされる。スイッチ操作による微調整も可能でオートクルーズ中にアップスイッチ・ダウンスイッチを押すごとに2km/hずつ速度を上下させることができる。

 もう1つの機能であるスロットルコントローラーは、アクセルの開度とスロットルの開度の関係をスポーツモード7段階、エコモード5段階に変更する機能で、アクセルを踏んだときのエンジンのレスポンスを変更することができる。スロットルコントローラーに関してはこちらの記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/minigoods/20120420_527086.html)も参考にしていただきたい。

 汎用タイプの市販品を購入する際に、自分で取り付けができるのか不安に思う人は多いだろう。筆者もその1人で、ピボットのWebページから対応車種表や取扱説明書をダウンロードし、事前に確認を行った。ザックリとした取り付けの流れは、「専用ケーブルをアクセル部分のコネクターにかませる」「ブレーキから信号を取り出す」「車速パルスを取り出す」。この3つができれば装着は可能だ。

●車種対応表(PDF)
http://pivotjp.com/product/tha/img/tha_list.pdf

●取扱説明書
http://pivotjp.com/download/img/pdf/3DA.pdf

配線図

 購入前にデジカメでアクセルペダルとブレーキペダルの上部を撮影してみると、それらしいコネクターを確認することができた。ブレーキから信号を取り出すのは別売のハーネスを用意する方法と、コネクターから自力で信号を取り出す方法がある。筆者は別売のハーネスを用意することにしたので、車速信号線から車速パルスを取り出せれば取り付けできると判断した。

アクセルペダル上部にそれらしきコネクター
ブレーキペダルの上部にもそれらしきコネクター

 ブレーキ用のハーネスを使用すれば、大半の車種は車速パルスの取り出しが唯一の難関といった感じだ。ピボットの配線一覧表では、筆者のステップワゴン(RG1)はボンネット内から車速パルスを取り出すことになっている。それらしきボックスを見つけたが、微妙に作業しにくい位置にある。

●配線一覧表(車速・ブレーキ関係)
http://pivotjp.com/download/img/pdf/THA-signal.pdf

 たまたま川崎のオフィスの近所に住む、カーナビ関係のコンサルティング等をしている三宅健氏の自宅を訪ねた際に車速パルスの取り出しについて相談をした。「カーナビメーカーのWebページに情報がある」と、その場でサクッと調べていただき、助手席の足下の左側から取り出せると分かり、取り付けられそうな予感を得ることができた。

●【特別企画】彩速ナビで知るクルマとオーディオの関係(後編) Text by 三宅健
http://car.watch.impress.co.jp/docs/special/20120803_550789.html

●アルパインが公開している各車種の配線図
http://www.alpine.co.jp/support/fitting/

 3-drive・αの製品の構成は、表示と操作を行うコントローラーと、制御ユニットが主となる。ほかにはケーブル類、両面テープ、インシュロックバンド、検電テスターなどで、ここまでが本体として販売されている。車種別専用ハーネス、ブレーキハーネスは車種ごとに異なるので別売となる。筆者は手元での操作を可能とするオプションのセットスイッチも用意した。

本体一式
制御ユニットのコネクター。オプションのセットスイッチは予備に接続する
コントローラー
左が車種別専用ハーネス。アクセルのコネクターに接続する。右がブレーキハーネス
オプションのセットスイッチ。曲面に取り付けるときは径によってアダプタを使い分ける

クルスロ「3-drive・α」を取り付け

 クルマでの取り付け作業を開始する前に、事前準備として室内で電源ケーブルのブレーキ電源の線とブレーキスイッチ信号の線にギボシを取り付けた。駐車場に移動し、まずは1番の難関と思われる車速パルスの取り出しから作業開始だ。助手席の左側のパネルを外し、青いコネクターを確認。オス側の12番ピンが対象だが、オス側はボディーに固定されていたのでメス側の該当する配線の被覆をむいて車速信号の線を巻き付けた。

助手席の左側のパネルを外して車速パルスを取り出す
青いコネクタがターゲット
オス側は固定されていたのでメス側の線から取り出すことにした
被覆をむいて線を巻き付けた
動作確認後に圧着ペンチで固定。この後絶縁テープを巻いた

 こう書くと簡単そうに感じるが、ドアを開けただけでは暗くて手元が見えず、LEDランタンで照らしながら作業した。ケーブルを引き出すことができないため作業はしづらく、それなりに時間を必要とした。配線間違いの不安があったので、カットギボシの圧着ペンチによる固定は動作確認後とした。余談だがこの青いコネクターを外すと電動スライドドアが動かなくなったり、燃費メーターがリセットされたりした。

 ブレーキ用のハーネスとアクセル部分のコネクターは簡単に作業終了。とは言え運転席の足下に上半身あお向けで真上を見ながらの作業だ。作業空間は思ったより狭く両手が自由に使えない場所もあり、ブレーキ部分のコネクターから信号線を取り出すのは難易度が高そうな印象。ブレーキ用のハーネスを用意したのは正解だった。

アクセル部分のコネクターを抜き専用ハーネスをかませる
ブレーキ部分もコネクターを抜きブレーキハーネスをかませる

 表示と操作を行うコントローラーは操作性、視認性とケーブルの取り回しを考慮してダッシュボードのやや右側に付属の両面テープで固定しドア側から足下にケーブルを降ろすことにした。

 制御用のユニットに車速パルス、ブレーキ電源、ブレーキスイッチ信号、アースのつながった電源ケーブルとアクセル部分に接続した車種別専用ハーネス、コントローラーのケーブルを接続、簡単な動作検証をして配線に間違いがないことを確認した。

コントローラーは配線と操作性を考慮してウインカーの前方に固定した
制御ユニットに各線をつなぎ動作確認

 ここで少々問題が発生。車速パルスをつないだケーブルがやや短く、助手席のフロアマットの下を通して直線的にレイアウトしないと制御ユニットまでとどかない。美観的にもイマイチだし、切断等のトラブルの可能性も高くなる。できればコンソールの裏を通して安全かつ美しい配線がしたいものだ。

 ここで作業を中断し、部屋に戻ってコンソール部分の外し方をインターネットで検索。右側2カ所のネジとドリンクホルダーの裏の隠しネジを外せば取り外せることを確認。はめ込み部分が多く取り外しに苦戦したが助手席側のグローブボックス下からコンソールの裏を通して運転席の足下に直線的かつ安全な配線をすることができた。制御ユニットはコラムカバー下に平らなところを探して両面テープで固定、ケーブル類もインシュロックバンドで固定した。

 1週間ほど走行して使用感を確認し、手元での操作を可能とするオプションのセットスイッチは頻繁に操作するので、できるだけ近いところが最適と判断しウインカーの裏側に取り付けた。

コンソールを外し直線的かつ安全な配線をした
右膝の上あたりに両面テープで固定
オプションのセットスイッチはウインカーの裏側に取り付けた

 配線が終わったら初期設定だ。キースイッチをオン(エンジンは始動しない)にして、アクセルオフの位置とアクセルを踏み込んだ位置を記憶させる。正常に作業を済ませるとアクセルを一番奥まで踏み込んだ状態で100(%)と表示される。車速パルスの車種ごとの設定なども行い初期設定は終了だ。

アクセルを踏み込むと100(%)と表示される

 筆者はコンソールの取り外しで長時間のロスがあったため作業時間は4時間弱もかかってしまったが、車速パルスの取り出しが簡単な車種であれば2〜3時間で完了すると思われる。

オレンジ色のチェックランプが点灯。テスト走行後に解除された

 ここで2つめの問題が発生した。メーターパネルのチェックランプが点灯したまま消えなくなってしまった。これは、配線時にアクセルコネクターの取り外しをキーOFF後15分以上経ってから行わなかったためのようで、取扱説明書にもその原因や解除方法が記載されている。解除方法はエンジンの始動と停止を繰り返す。それでもダメならバッテリーのマイナス端子を外すなどだ。取り付け時には、アクセルコネクターの取り外し後、しっかり時間をおいてから作業にかかることをお勧めする。

 筆者の場合、エンジンのON/OFFを行ってみたが解除されない。バッテリーの配線を外すしかないかと思ったが、取り付けたら早く試してみたいと思い解除は後回しにして近所を30分ほど試走してみた。戻ってエンジンをOFF、もう一度ONにしたらチェックランプは消灯、バッテリーの配線を外さなくても解除された。

実際にオートクルーズ走行して、燃費を計測

 オートクルーズコントローラー装着後、最初の高速走行は川崎〜鈴鹿サーキットの往復。この時はオプションのセットスイッチはなし。その後セットスイッチを取り付け川崎〜名古屋間を1往復している。高速以外の一般道でも空いている道では時々使用している。

オートクルーズがOFFの時はアクセルの開度が15(%)から5%刻みで表示される。表示色は個人的には赤よりも白の方が好みだ

 操作はいたって簡単だ。走行中にコントローラーのセットスイッチを押すとオートクルーズ状態となり、その時の速度で走行を続けてくれる。セットスイッチを取り付けていれば、手元のセットスイッチを押すとオートクルーズが開始される。解除するときはブレーキを踏むか、コントローラーのセットスイッチの右側を押すか、手元のセットスイッチをもう1度押す。基本的な操作はこれだけだ。

 オートクルーズでの走行は、新鮮かつ独特の走行感がある。特に登り坂では一定速で走っているのだが、加速しているような感覚だ。例えば高速道路で登り坂に差しかかると、そのままの速度で走っているつもりでも自然に減速している。正確に言うと、今まではそのままの速度で走っているつもりだったが、メーターを注視すると実際には減速している。

 オートクルーズ走行をしていると減速しないようにアクセルを開けてくれるので、メーターを見れば定速走行なのだが感覚的には加速しているように感じられる。まわりを走行する車両も自然に減速するので、自分だけスーッと加速している感じだ。肉眼ではアップダウンが分からない程度の道でも、アクセルが開けられたと感じることはしばしばだ。他人が運転しているクルマの助手席に乗っている感触に近いかもしれない。

 余談だが、クルマ酔いしやすい人も、自分が運転しているときはクルマ酔いをしない。その理由の1つは、運転している本人はアクセルを踏む、ブレーキを踏む、ハンドルを切るといった動作に対し、G(加速度)を予測して頭が振られないように防御姿勢を取るからだと言われている。

 運転していない人はGの予測ができないため、前後左右に頭が振られることでクルマ酔いしやすくなる。本などを読んでいて前を見ていないと、余計に酔いやすくなるのはこのせいだ。オートクルーズ中に感じる加速感はほんのわずかなのでクルマ酔いとは無縁のレベルだが、自分の意志とは関係なくアクセルが開けられると、他人が運転しているような(他人が運転しているようなものだが)不思議な感覚を覚える。

 下り坂ではまた別の感覚がある。今まで意識していなかったが、筆者は高速道路の下りコーナーに入るときに無意識にアクセルを戻し、コーナー立ち上がりで少しアクセルを踏み込んでいた(ということに気付いた)。自分としては一定速で走っているつもりだったが、ほんのわずかな減速、加速をしていた。オートクルーズ状態で下りコーナーに入ると、加速しながらコーナーに突っ込んでいくような錯覚があり、恐怖というほどではないが、それなりに違和感があった。実際に高速道路で加速を感じることは少ない。筆者が走行した経路を例にすれば、東名の大井松田から御殿場を除くとたまに感じる程度だ。下りコーナーの感覚も御殿場から大井松田への下り坂以外では1度も感じたことはない。

 オートクルーズコントローラーを装着する目的だった長距離高速運転の疲労軽減はそれなりに効果を感じている。走りのスタイルによると思うが、バンバン追い抜きをする人よりは、ある程度の速度でクルージング走行をする人のほうが恩恵を感じやすいだろう。

 筆者は長距離高速運転をするときに、小判鮫走行をすることが多い。自分が走りたい速度で走行するトラックを見つけて、その後ろを追従するのだ。トラックは前がつまらない限り一定速で走ることが多いので、小判鮫的に追従すれば何も考えずに一定速で走行ができる。単独で走行するよりストレスは小さかった。

 小判鮫走行の欠点は、ターゲットがなかなか見つからないことだ。80〜90km/hで走るならターゲットとなるトラックはたくさん走っているが、100km/hで走りながら100km/hで走るトラックを探しても、お互いに同じくらいの速度で走っているので、5km前のトラックには追い付かず、3km後ろのトラックも追い付いて来ない。なかなか丁度よいターゲットと会えないことがある。せっかく見つけたターゲットも排気ガスが目立つトラックだったりするとガッカリ。また次のターゲットを探すことになる。

 その点、オートクルーズコントローラーを付けるとターゲットを探す必要がなくなる。小判鮫走行をしなくても、何も考えずに一定速で走行できるので、長距離走行のストレスは相当軽減できたと感じている。逆にターゲットにされることが増え、2回目の川崎〜名古屋のときは1時間以上オートバイのハーレーが筆者の後ろを追従し「ドッドッドッドッと、うるさいなあ」と思いながらの走行となった。復路の名古屋〜川崎では後方に5台のクルマが追従。筆者が走行車線に入ると5台も走行車線に、追い越し車線に移ると5台も追い越し車線に追従といった現象が発生した。

 長距離高速運転をしていると、足首を回したくなったり、シートに座り直したくなったりしたことはないだろうか。アクセル操作から解放されるとこれらの動作を自由にすることができる。ヨッコイショと座り直したり、膝を曲げ伸ばししたり、足首を回したりできるので、小さなことだが快適さを感じることができる。

3-drive・αの設定について

 3-drive・αのオートクルーズ中の機能と設定も紹介しよう。オートクルーズで走行中にコントローラーの上下のスイッチで設定速度を2km/hずつアップダウンさせることができる。例えば100km/hでセットしたつもりでも微妙にずれることがある。98km/hとなった場合は解除してアクセルワークで100km/hにして再セットするよりも、アップスイッチを1回押せば2km/hアップすることができる。

 1回目の鈴鹿往復は手元のセットスイッチを取り付けていなかったので、頻繁にアップダウンのスイッチを操作した。少し前方の車間が縮まるとダウンスイッチで減速、前のクルマが加速するとアップスイッチで速度を微修正しながら走行した。

 ウインカーの裏側にセットスイッチを取り付けると操作方法が変わった。コントローラーは少し身体を前に出さないと届かないが、セットスイッチはそのままの姿勢で押すことができる。車間距離が縮まるとセットスイッチを押して解除し、エンジンブレーキで減速したところで再セット。前方の車両が加速したらアクセルを踏んで速度を上げたところでセットスイッチをダブルクリック風に押して一瞬解除しその速度で再セットするといった感じだ。

 少し減速したいときも手元のセットスイッチを押して一瞬解除。ほんの1秒くらいでもう1度セットスイッチを押すと2〜3km/h減速されたところで再セットされる。ピタッと2km/hのアップダウンがしたい人はコントローラーのアップダウンのスイッチを使用すればよいし、そうでない人はアクセル等で調整してもよいだろう。

リジュームスイッチを押すと自動的に加速しオートクルーズ状態となる

 コントローラーの右側のスイッチは、オートクルーズ中に押した場合は解除の機能となるが、もう1度押すとリジューム機能が働き、解除前の速度まで自動的に加速しオートクルーズ状態に戻すことができる。車速が10km/h以下になるとリジュームは無効となるが、高速道路で止まらない程度に減速した場合はこの機能を使って元の速度に戻すことができる。名称はリジュームとなっているが、筆者にはリスタートのほうがイメージに合っている。インディカー・シリーズのオーバルコースでイエローコーションが解除され一斉に加速する感覚だ。

 このリジューム機能も手元にセットスイッチを取り付ける前はトラックなどが追い越し車線に出てきて減速し、トラックが走行車線に戻って前が開けたときなどに多用したが、手元にセットスイッチを付けると自分でアクセルを踏んで加速後に再セットするようになった。

 コントローラーを近くに設置すると操作機会は増えるような気がする。付属の金具を使用してコントローラーをステアリングの正面に取り付けることも考えたが、筆者は走行中にステアリングの中に手を入れるのを何となく避けたかったので現在の位置に設置した。その場合は手元にオプションのセットスイッチを付けた方がよいだろう。

 オートクルーズ中の加速度合いが変えられるレベル調整機能もある。登坂などで減速した場合に早く速度を回復させるか、ゆっくり回復させるかを設定することが可能だ。一般的にはパワーのあるクルマは低めの設定にし、パワーのないクルマは高めに設定する。

レベル設定は5段階。L-1にするとゆっくり加速、L-5にすると目一杯加速する

 一定速で走行しているときはあまり差を感じないが、先ほどのリジューム(リスタート)機能を使うと設定の差をハッキリと感じることができる。トラックとの間隔が詰まって70km/hまで減速した後、リジューム機能で100km/hまで加速する場合、L-1に設定するとゆっくり加速していくが、L-5に設定すると同時にシフトダウンまでして100km/hへ目一杯加速する。これは車種と好みで設定すればよいだろう。

 速度の表示についても触れておこう。3-drive・αの仕様では設定できる速度は30〜140km/hとなっているが、取扱説明書を見るとメーター読みで35〜145km/hとなっている。この差はスピードメーターの表示誤差によるものだ。

 年式、車種によるがスピードメーターは実際の速度よりも高めに表示される。例えばメーターが100km/hを表示していても実際の速度は90km/hだったりする。車速パルスが送り出す速度が30km/hの時にスピードメーターは33km/hと表示したりするので、3-drive・αの取扱説明書には35〜145km/hと表記されている。実際に筆者のクルマでは32km/h以上でオートクルーズをセットすることができる。せっかくの機会なのでスピードメーターの誤差を計測してみた。GPSスピードメーターなどを使う方法もあるが、今回は誰でもできる方法による計測だ。

 高速道路の路肩には起点からの距離が100mごとに表示されている。クルマは60km/hなら1分間に1km、90km/hなら1分間に1.5km、120km/hなら1分間に2km進む。一定の距離を走行する時間をストップウォッチで計れば正しい速度を計測することは可能だ。

 新東名を90km/hで15km走行した時間は10分22秒。10分ちょうどなら誤差なしだが、22秒の差があった。計算するとメーターが90km/hのとき筆者のクルマは86.8km/hで走っていることになる。メーター表示に対し0.964倍の差だ。名古屋郊外の知多半島道路(自動車専用道)では60km/hで8kmを走行し1回目は8分18秒4、2回目は8分17秒3。速度を計算すると57.8km/hと57.9km/h。メーター表示に対し0.963、0.965となった。

 計算では筆者のクルマのメーターが100km/hの時、実際の速度は96.4km/hだと思われる。逆に言うとメーター読みで103km/hで走行していれば100km/h弱で走行していることになる。

 加えて同じクルマでも新品のタイヤが摩耗すると外形が小さくなり車速は数%高めに表示される。先ほどの計測はタイヤを買い替えた(http://car.watch.impress.co.jp/docs/review/20130329_593372.html)直後のデータなので、2〜3年後には105km/hのメーター表示のときに実測で100km/hになったりすると思われる。

 筆者がオートクルーズコントローラーを装着した目的は長距離高速運転の疲労軽減と燃費向上。疲労軽減に関しては大いに満足しているが、燃費向上に関しては多分効果があるだろうといった感じだ。

 最初は安易に考えていて、オートクルーズ中にクルマの燃費メーターをリセットして燃費計測をし、同じ速度でオートクルーズを解除して燃費計測をすれば検証できると考えた。ところが実際にオートクルーズ中に燃費計測をして分かったことは道路のアップダウンで燃費は大きく異なるということだ。

 極端な例を挙げると、大井松田から御殿場への上り坂では10.0km/Lなのに対し、御殿場から大井松田への下り坂では20.0km/Lになったりする。肉眼ではアップダウンが分からない程度の坂でも1km/Lくらいの差が簡単に発生した。

 結局、同じ道を同じ方向に走ってオートクルーズをON/OFFして比較するしかない。前のクルマに詰まって一定速で走行できないこともあるので5〜6往復くらいしないとデータが取れないことになる。と言うことで、東名、新東名での計測は諦め無料の自動車専用道で実測することにした。

 計測区間は約8km。速度は70km/h。前のクルマに詰まって一定速が保てなくなることがあり測定回数はオートクルーズオンで3回、オフで2回。片道10分強を6往復しているので2時間強、累計100km以上を走行して計測した。

方向 ACC 1回目(km/L) 2回目(km/L) 3回目(km/L) 平均(km/L)
上り ON 15.3 15.5 15.5 15.4
OFF 15.9 15.5   15.7
下り ON 16.1 15.8 15.9 15.9
OFF 15.9 15.9   15.9

 結果は若干オートクルーズOFFの方が燃費はよくなったが、誤差の範囲と考えられる。この測定の問題点は、オートクルーズをOFFにして測定する際に、筆者は70km/hをアクセルワークで保つために3秒に1回くらいメーターを見て走行するという普通の運転とは異なる条件での測定となった。おそらく普通に流れに沿って運転すると結果は異なったと思われる。

 考えてみれば、オートクルーズコントローラーを使っても使わなくても同じ速度で走れば燃費は同じだ。オートクルーズコントローラーを使用しないと速度が上下することで燃費がわるくなる可能性がある。オートクルーズコントローラーを使用して70km/hで走行した場合と、使用しないで60〜70km/hで走行した場合では速度が低いOFF状態の方が燃費はよくなる可能性もある。

 どういう検証方法が現実に近いかは運転の仕方によりそうだ。高速道路で運転中の速度が±10km/hの人はオートクルーズコントローラーで燃費向上が図れるが、凄いテクニックで±1km/hの人ならオートクルーズコントローラーなしでも同等の燃費で走れるかもしれない。オートクルーズコントローラーで燃費が向上する人も多いのではないかとのではないかと思われる。

スロットルコントローラーで、低速域の微妙なアクセルワークを

 最後にスロットルコントローラーの機能にも簡単に触れておこう。スロットルコントローラーはアクセルを踏んだときのレスポンスを変えられる機能だ。スポーツモードの7に設定するとアクセルを軽く踏んだだけでグッと加速する。エコモードの5に設定するとアクセルを普通に踏んでも全然加速しなくなる。

スロットルコントローラーはスポーツモード7段階、ノーマル、エコモード5段階に設定できる

 エコモードにすると燃費が向上しそうな気がしたが、結局アクセルを踏み込む量が増えるので同じ加速、同じ速度で走れば燃費は同じとなる。

 強いて言えばエコモードにするとアクセルを少し踏み込んだときの分解能が上がるので低速時の微妙なアクセルワークはしやすくなる。渋滞時にエコモードに設定すると低速域でのコントロールが楽に感じられた。最終的に筆者はECO2に設定している。

 筆者は今後も川崎〜名古屋を往復する予定だ。オートクルーズコントローラーを装着すると出発前からストレスが減った感じがする。アクセル操作だけと思われる人もいると思うが、使用してみるとその効果は高い。高速道路を頻繁に使用し、クルージング走行をする人なら装着することで疲労軽減になるだろう。

奥川浩彦

パソコン周辺機器メーカーのメルコ(現:バッファロー)で広報を経て2001年イーレッツの設立に参加しUSB扇風機などを発売。2006年、iPR(http://i-pr.jp/)を設立し広報業とライター業で独立。モータースポーツの撮影は1982年から。キヤノンモータースポーツ写真展3年連続入選。F1日本グランプリ(鈴鹿・富士)は1987年から皆勤賞。