特別企画
【特別企画】奥川浩彦の「ミシュラン SUPER GTフォトコンテスト」撮影ガイド(後編 撮影編)
流し撮りの撮影テクニックやGoogleストリートビューによる鈴鹿の撮影ポイントを伝授
(2014/8/18 00:00)
8月30日~31日に鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で開催されるSUPER GT第6戦 第43回 International SUZUKA 1000kmで「ミシュラン SUPER GTフォトコンテスト」が開催される。前回(http://car.watch.impress.co.jp/docs/special/20140804_660581.html)はカメラ初心者向けに一眼レフカメラやレンズ、ミラーレスカメラなどの機材選びについて説明した。今回は流し撮りなどの撮影方法、鈴鹿サーキットの撮影ポイントなどについてお伝えしよう。
流し撮りに挑戦
サーキット撮影と聞いて最初に思い浮かぶのは「流し撮り」だろう。まずは流し撮りの基本から説明していこう。次の4枚の写真を見ていただきたい。
これらは同じ場所でシャッター速度を1/500秒、1/250秒、1/125秒、1/60秒と徐々に変化させて撮影した写真だ。手前の芝、奥のスタンドが流れる様子に差があることが分かる。タイヤとホイールもシャッター速度によって見え方が異なっている。
このように、マシンはほぼ同じ速度で走っていても、シャッター速度を変えることでマシンの動き、マシンの速さといったイメージの伝わり方に差がでる。まずは流し撮りの基本としてシャッター速度について考えてみたい。
流し撮りをするにはシャッター速度の設定が重要となる。撮影モードがオート(メーカーによりプログラムAE、マルチプログラムオートなど呼び方が異なる)のままでは、周囲の明るさによってシャッター速度が変化してしまうので、シャッター速度を優先するモード(これもメーカーによりシャッター優先AE、シャッター優先オートなどと呼称)にする。キヤノンの一眼レフカメラの場合は「Tv」、ニコンのミラーレスカメラの場合は「S」にセットする。
オートフォーカスのモードも、キヤノンの場合は「AI SERVO」、ニコンの場合は「AF-C コンティニュアスAF」に設定すると、動く被写体を常にフォーカスが追いかけて撮影することができる。ホワイトバランスなどほかの項目はオートのまま撮影すれば問題ないだろう。
流し撮りをする場合、シャッター速度の決め方が重要だ。先ほどの4枚の写真を見ると、1/500秒では動きが感じられず迫力がない。1/250秒、1/125秒とシャッター速度を落としていくとスピード感が増していく。なら全部1/60秒で撮ればよいかと言うとそうでもない。
シャッター速度を落とすと、背景がより大きく流れてスピード感が増すが、被写体もブレる確率が高くなっていく。ようするに失敗する確率が高くなるということだ。実際にこの4枚の比較写真の撮影では、1/500秒は1ラップ、1/250秒は2ラップ、1/125秒と1/60秒は数ラップずつ撮影をしている。筆者は30年ほどサーキット撮影を続けているが、30年前の筆者が1/60秒で撮影したら10周撮ってすべて失敗かもしれない。
流し撮りは「シャッター速度○○分の1秒で撮れ」といった明確は数字はない。しかし、シャッター速度を落とすと失敗する確率が高くなるのは間違いない。初めて流し撮りをする方なら、1/250秒から1/125秒にセットして撮影してみよう。
さらにシャッター速度に関して少し応用的な話しをしよう。先ほどの4枚の写真のシャッター速度を参考にして、次の写真のシャッター速度を当てていただきたい。
筆者の印象では1/160秒くらい。1/250秒と1/125秒の間といった感じだがいかがだろうか。答えは1/250秒。この写真は先ほどの1/250秒の写真をトリミングしただけの写真だ。
もう1枚。同じ撮影ポイントでグッと広角にして撮った写真のシャッター速度はどれくらいに感じるだろう。
スピード感がやや足りないように感じる写真だが、答えは1/125秒。一般的に望遠レンズより広角レンズの方が手ブレがしにくくなる。同じ理屈で、流し撮りの場合は広角レンズの方が流れにくくなる。言いかえると、広角になるほどシャッター速度を落とさなければスピード感が得られない。
このように同じ場所で撮っても、望遠側にズームしてマシンをアップに撮る場合と広角側にズームして背景を大きく入れる場合でスピード感が異なってくる。なので、流し撮りに最適なシャッター速度に決まりはない。マシンの速度、フレーミング、背景などといった条件によって撮った写真の印象は変わるので、撮りながら試行錯誤をしていただきたい。幸いなことに、フィルムカメラの時代とは違ってデジタルカメラは撮った写真をその場で確認できる。仕上がり具合を見ながらシャッター速度を上げ下げすれば上達の近道になるだろう。
おまけとして、広角側で撮った1/60秒と1/30秒の写真も掲載しておこう。広角にしてマシンが小さめなので、1/30秒の写真は大きめのサイズとした。
カメラの設定、シャッター速度の決め方の次は撮り方だ。流し撮りの撮り方に明確な答えはない、と筆者は思っている。実際に報道エリアで撮っているカメラマンを見てみると、構え方や振り方は人それぞれだ。プロ野球のピッチャーやバッターのフォームがそれぞれ同じではないように、写真の撮り方も人によって異なるのは当然だろう。なので、これが正解とは言えないが筆者の撮影スタイルを紹介しておこう。
流し撮りはゴルフや野球のスイングに近い。テイクバックしてスイングを開始。スタンスの正面で球を捕らえ(被写体を捕らえ)、フォロースルー(振り抜く)というのが一連の動作だ。
スタンスはシャッターを切るときに正対するようにしている。ゴルフのボールを置く位置がシャッターを切る位置だ。近付いてくるマシンに対し、上半身をひねってマシンをファインダーに捕らえ、身体の正面に来たらシャッターを切る。ファインダーにマシンを捕らえたままフォロースルーで振り抜くイメージだ。
文字にすると大袈裟だが、レフトスタンドに向かって立つバッターやグリーンに向かって立つゴルファーが少ないように、普通に撮ればこうなると思われる。SUPER GT公式テストで筆者と鈴鹿サーキットクイーンの中川さんが撮影する姿をCar Watchのスタッフに写してもらった。その中の1枚をお見せしよう。中川さんがカメラを向けているのが2コーナー側。筆者のスタンスは2コーナーに向いているが、1コーナー側から近付くマシンを上半身をひねって視認している。撮りたいマシンが来たらファインダーに捕らえ、スタンスの正面でシャッターを切る、という感じだ。
次はカメラの持ち方。今まで意識したことはなかったのだが、スタッフが撮った写真を見て気付いたのは、筆者は左手でレンズの先端付近を持って撮影している。中川さんはレンズの根本、ボディー側を持って撮影をしている。ほかの写真に写り込んでいる周囲のカメラマンを見ると両方のスタイルがあるので、どちらが正解とは言えないようだ。
連写中に常にズームを変化させて撮りたいならズームリングを持つ必要があるが、フレーミングを決めてそのままとり続けるならズームリングを持つ必要はない。筆者は左手でレンズの先端を持った方が支点との距離が長くなり、細かな調整ができるような気がしている。
筆者は流し撮りのとき、マシンをファインダーに捕らえたらマシンのどこか1点を見るようにしている。例えばスバル BRZなら、ドアにあるBRZの文字のRに集中するイメージだ。EOS 7Dの場合、19点自動選択AF、ゾーンAFなどがあるが筆者は1点AFが基本。撮影中にAFポイントの表示が動くと集中力が途切れるような気がするのでAFポイントは固定している。
通常はAFポイントをBRZのRの文字に合わせるようにしてカメラをスイングするが、多少のズレは無視している。仮にZの文字にAFポイントが重なってもそのまま無理に修正しようとせず、ズレたままスムーズに振り抜く方が上手く撮れるような気がしている。
過去30年の間には、左肘を脇腹に着けて撮ってみたり、息を吐きながら撮ってみたり、試行錯誤は数限りなく行ってきたが、絶大な効果のある撮り方は今になっても見つかっていない。
初心者向けのアドバイスとして今回発見したのはフレーミングについてだ。他人が撮った写真を全部見る機会は滅多にない。鈴鹿サーキットクイーンの中川さんが撮った写真を見ていると、フレームいっぱいにマシンを撮っている写真が多いことに気がついた。
2コーナーのイン側にある「激感エリア」で撮った写真を見比べてみよう。カメラはNikon 1 V3。電子ビューファインダーなので左右に動くマシンを追うのは一眼レフカメラより難しい。中川さんはマシンの前後がフレームいっぱいになるように、カツカツにズームして撮っている。“ギリギリまで攻めている”という印象だ。焦点距離を見ると35mm判換算で220mmから249mmあたりとなっている。
そこまで攻めると少しズレただけで頭が切れたり、お尻が切れたりしてしまう。マシン全体をフレームの中に入れる必要はないが、一般的にマシンの頭が切れた写真は使いづらい。一方筆者は、電子ビューファインダーで追従しづらいことも考慮して守りの姿勢。焦点距離は160mmから179mmとかなりゆとりのあるフレーミングだ。
フィルムの時代は撮った段階で完成度を高めたいと思ったが、デジカメになり、さらに解像度が上がった現在ではトリミングなどを考慮してゆとりを持ってフレーミングをした方がよいというのが筆者の考え方だ。特に初心者はフレーミングが安定しないので、マシンがフレームの半分くらいの大きさになるようにゆとりを持って撮ろう。
フレーミングにゆとりがあれば、流し撮りの途中でマシンが少しズレても、無理に修正せずに振り抜くことができる。GT300クラスは車種が豊富なのでマシンによって大きさも異なる。フレームいっぱいに撮っていると大きなマシンはフレームの両端が気になるものだ。そうなるとターゲットのポイントに集中できなくなり、結果として流し撮りの成功率が下がるような気がする。フレーミングの実際の様子を次の4枚の写真で紹介しておこう。
フレーミングに限らず、なるべくシンプルに撮ることも成功率の向上につながると思う。連写中にズームして、すべてのコマをフレームいっぱいに撮ろうとすると、ファインダーの左右が気になってマシンの1点に集中できない。またS字などで正面から撮るときも、マシン動きに合わせてレンズを右に振って、左に振ってと2つの動作をするより、立ち上がってくるマシンにしぼってレンズを左にだけ振って撮った方が単純な動作の繰り返しとなり成功率が向上する。特に初めのうちは欲張らずに撮ることも大切だろう。
正面の写真は比較的簡単に撮れる
マシンを正面から撮る撮影は、比較的簡単に撮ることができる。ただし、焦点距離が長めの望遠レンズが必要になることが多い。「ミシュラン SUPER GTフォトコンテスト」が開催される鈴鹿サーキットの場合、2コーナー、S字、逆バンクなどは500mm(35mm判換算)のレンズを使用してもトリミングをしなければ画面いっぱいに撮ることはできない。比較的短いレンズで撮影できるのはヘアピンのクリッピングポイントだ。70-200mmのズームレンズでも、望遠端(200mm=APS-Cなら320mm相当)でそこそこの大きさに撮ることが可能だ。
とはいえ、必ずしもフレームいっぱいにマシンを撮る必要はない。次の写真はスプーンの進入を480mm(35mm判換算)で撮ったものをリサイズだけしたものだ。また、複数のマシンがからめば短いレンズでも絵になる可能性は高い。
正面から撮る方法で、最も簡単なのは高速シャッターで写し止めることだ。1/500秒から1/1000秒のシャッター速度で撮ればかなり高い確率で撮影できる。撮るときのコツは撮影ポイントで待ち伏せするのではなく、少し手前からマシンをファインダーに捕らえ、シャッターボタンを半押しにして、ポイントに来たらシャッターを切ることだ。
シャッターボタンを半押しすることでオートフォーカスが被写体に追従する。マシンが近付いてくることをカメラに知らせてやることでピントが合う確率が高くなるはずだ。正面から撮る場合は一脚があるとフレーミングの微調整が楽になり、マシンを正確に追いやすくなる。マシンを正確に追うこともフォーカス精度を向上させることになる。
正面からの撮影で注意しなければならないポイントがある。それはヘッドライトの影響だ。ヘッドライトをまともに受けると逆光になるためシャッター優先のモードで撮っていると絞り込まれて露出がアンダー、つまり暗く撮れてしまうことがある。
F1やスーパーフォーミュラなどのライトがないマシンでは問題ないが、SUPER GTのようにライトを点けて走る可能性があるマシンの場合は要注意だ。マシンがいない状態で撮った写真とマシンを正面から撮った写真で絞りに変化がある場合は、露出モードをマニュアルに変更すると明るさが安定する。やり方はマシンがいない状態で露出を確認し、その値にマニュアルモードでシャッター速度と絞りを合わせるだけ。経験値ではSUPER GTの全車両の中で最もヘッドライトが撮影に影響するのは日産 GT-Rだ。コンテストの対象となる4台の内、2台がGT-Rなので注意しよう。
正面からの撮影の応用として、進入と立ち上がりをシャッター速度を落として撮る方法がある。特に立ち上がってくるマシンは、距離が短くなるため長い望遠レンズでなくても大きく撮ることができる。シャッター速度の目安は1/160秒から1/15秒。先ほどフレーミングのところで紹介した雨のスバル BRZは1/30秒のスローシャッターで撮影している。実際にはケースバイケースなので、モニターを見ながら試行錯誤すればよいだろう。
撮影ポイント
初めて鈴鹿サーキットで撮影をする方に撮影ポイントを紹介しよう。まずは鈴鹿サーキットの観戦エリアMAP(http://www.suzukacircuit.jp/supergt_s/ticket/#area-map)を見ていただきたい。各撮影ポイントは後述するとして、注目していただきたいのはGoogleストリートビューでサーキット内の観客エリアが見られることだ。1から9のGoogleストリートビュー番号をクリックするとそれぞれの場所のストリートビューを見ることができる。9つのポイント以外にも自由に移動することができるので、観戦や撮影の参考になるだろう。また、撮影とは関係ないが、レーシングコース内部と報道カメラマンなどが通るサービスロードもストリートビューに対応している。
サーキットの観客エリアから撮影をする場合、妨げとなるのは金網だ。実際にサーキットに行けば分かるが、金網を避けられる場所が撮影ポイントで、その場所にはカメラマンが大勢集まっている。カメラマンが大勢いる場所ならよい写真が撮れる可能性があると考えてよいだろう。すべての撮影ポイントは紹介できないが、代表的なポイントを紹介しよう。
●激感エリア
お勧めの撮影ポイントの最初は2コーナーイン側の激感エリア。元々は観戦エリアではなかった場所なので金網がない。激感エリアはS字、最終コーナーにも設置されるが、撮影に適しているのは2コーナーイン側となる。激感エリアに入るには通常の観戦券とは別にパドックパスが必要。パドックパスがあれば激感エリアはもちろん、パドック、ピットウォークへの参加、B席エリア、Q席エリアの入場も可能になる。
・激感エリアをストリートビューで確認
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●S字1つ目
次のお勧めポイントはS字1つ目。2コーナーから短いストレートを加速したマシンが左、右と切り返すところだ。C席スタンドの左端付近とその横の芝生エリアから撮影できる。流し撮りの定番ポイントだが、マシンを斜め前、後ろと角度を変えて撮ることも可能だ。
・S字1つ目をストリートビューで確認
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●S字2つ目
S字2つ目の左ターンはD席スタンドから見下ろすように撮ることができる。詳しい説明は割愛するが、流し撮りには撮りやすい距離があり、このS字2つ目と激感エリアは距離がよくマシンが美しく撮れるポイントだ。
・S字2つ目をストリートビューで確認
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●逆バンク
逆バンクのスタンド上段はF1グランプリでカメラマンが溢れるほどの人気ポイントだ。長いレンズがあれば正面から。短いレンズなら流し撮りができる。
・逆バンクをストリートビューで確認
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●ヘアピン
ヘアピンは進入から立ち上がりまで幅広く撮影できる。その中でも常設スタンドの下にある金網前のエリアは人気が高い。距離も近く、流し撮りは正面から背面まで撮れるので、初心者には特にお勧めしたい撮影ポイントだ。
・ヘアピンをストリートビューで確認
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ヘアピンにはさらにお勧めのポイントがある。レース決勝日の8月31日に、ヘアピンに設けた特設ブースでサンディスク製メモリーカードを提示するか、サンディスクのFacebookに「いいね!」をすると、サンディスクオリジナルメモリーカードケースがプレゼントされる。決勝日である8月31日の11時から先着200名となっているので、興味がある方は早めにヘアピンに行こう。
●スプーン
グランドスタンドのある東コースから1番遠いスプーンカーブも撮影にはお勧めのポイントだ。撮影ポイントとしては人気が高い逆バンクよりスプーンの方が1ランク上だと思うが、グランドスタンドから休まず歩いて30分。コースをチラチラ見ながら移動すると1時間は掛かるので、観客の数は少なめとなる。そのおかげで撮影場所には困らないはずだ。
スプーンの撮影エリアは進入から、1つ目、2つ目と切れ目なくほぼ全部が撮影可能だ。さまざまな角度からマシンを撮ることができるので、鈴鹿サーキットの“最果ての地”まで来たご褒美として、お腹いっぱい撮ることができる。レースは6時間もあるので、ぜひスプーンまで足を運んでいただきたい。
・スプーン進入をストリートビューで確認
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・スプーン1つ目をストリートビューで確認
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・スプーン2つ目をストリートビューで確認
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「スプーン×SUZUKA 1000km」だけの特別な写真も撮ることができる。通常のレースは明るい時間にゴールとなるが、SUZUKA 1000kmは12時15分にスタートし、約6時間後の18時15分前後にゴールとなる。ゴールする時間にほぼ日没となるはずだ。その30分ほど前、夕日がスプーンカーブの路面を赤く染めてくれる。
もちろん「晴れたら」という条件付きだが、17時半から18時にこのレースでしか撮れないシャッターチャンスが訪れるはずだ。報道エリアからこの時間にこの場所に行くのは困難で、観客席からしか撮れない特典でもある。
フォトコン攻略法
入選するための基本中の基本は、対象となるミシュランタイヤを履く4台のマシンを撮影することだ。最終エントリーは発表されていないが、GT500クラスが15台、GT300クラスが24台、計39台の中の4台を撮ることになる。まずは対象となる4台のマシンをしっかり覚えてサーキットに行こう。特にスバルファン賞、サンディスク×BRZ賞は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTだけが対象となるので、最もチャンスの多い被写体となる。
狙ったマシンを逃さずに撮るには、各周回で対象となるマシンの少し前を走るマシンを覚えておくことだ。例えば「4号車の後ろに61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT」と覚えておけば、4号車が通過したらほかのマシンは無視して、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが来たところにシャッターを切るといった感じだ。
次に入選の条件も確認しておこう。
●ベストミシュランフォト大賞
“技術は極限で磨かれる”というミシュランのコピーに最も合致する写真。
●ベストラップ賞
ミシュランタイヤ装着車が圧倒的な走りを見せる姿を最も魅力的に捉えた写真。
●ベストテクニカル賞
ミシュランタイヤがさまざまな人や技術に支えられて高いパフォーマンスを発揮していることが伝わる写真。
●ベストタイヤフォーカス賞
接近して撮影することで、ミシュランタイヤの魅力を改めて気付かせてくれる写真。
ミシュランタイヤに関するこれらの賞は審査基準が抽象的な内容になっている。まずはミシュランタイヤのレースやテクノロジーに対する理念やこだわりを「ミシュラントータルパフォーマンススペシャルサイト(http://www.michelin.co.jp/michelin-total-performance/)」で理解すると入選に近付けるかもしれない。
今回のフォトコンテストでは、スマホレタッチ賞以外は応募者が狙う賞を選択する必要がない。深く考えずに自分が気に入った写真を応募するのも1つの方法だ。ミシュラン関連の賞が多いので、ミシュランタイヤを履く4台のマシンを同時に2台以上フレームに入れられれば確率が高くなるかもしれない。シャッターチャンスは限られるが、レース展開を把握して狙っていただきたい。
過去のWTCCフォトコンテストの入選作品を見て感じたことをお話ししよう。それは審査基準は人それぞれということだ。特に写真を撮る人が選ぶ作品と撮らない人が選ぶ作品は一致しないことがしばしばある。逆に言うと、撮り慣れた人の作品が必ずしも入選するとは限らないということだ。ミシュランタイヤを履く4チームが選ぶチームセレクションはそれぞれ選ぶ人が違うので、審査基準を想像することは難しい。
●チームセレクション
ミシュランタイヤ装着チームが全応募作品の中から選んだ1枚。
各賞の中で審査基準が比較的明確なのが以下の3賞だ。サンディスク×BRZ賞とサンディスク×スピード賞は審査員が熱田護カメラマンなので、撮影テクニックのある上級者の作品が入選しやすいかもしれない。
●サンディスク×BRZ賞
BRZのすべての写真の中から、サンディスクエクストリームチームのメンバーでモータースポーツフォトグラファーの熱田護氏が選ぶベストショット。
●サンディスク×スピード賞
ミシュランタイヤ装着マシンのすべての作品の中から、サンディスクエクストリームチームのメンバーでモータースポーツフォトグラファーの熱田護氏が選ぶ、スピード感ある流し撮り作品。
●スバルファン賞
BRZとそれを応援するファンを1つのフレームに収めた写真。
スバルファン賞は審査基準が明確だが撮るのは難しそうだ。次の写真は開幕戦の岡山で撮影したものだが、これは報道エリアなので撮れた写真だ。鈴鹿サーキットではグランドスタンドとマシンを同じフレームに収めるのは難しいので、スタンドの後方からファンとマシンを撮るなどの撮影ポイント探しが重要になるだろう。
●スマホレタッチ賞
スマホアプリでレタッチした写真。スマホで撮った写真はもちろん、コンデジや一眼で撮った画像をスマホに転送してもOKだ。また、複数のアプリを組み合わせて作った作品も可。投稿はレース当日とその翌日までなので、ピットウォークなどで撮影した写真を組み合わせてSNSにアップする感覚で投稿してもらえればよいと思う。写真を撮るセンスとは違ったセンスが求められるので、普段写真を撮り慣れていない人にもチャンスがあるだろう。
SUPER GT第6戦 第43回 International SUZUKA 1000kmで夏のレースは締めくくりとなるが、秋にも魅力的なレースがいくつも開催される。鈴鹿サーキットでは10月3日~5日にF1日本グランプリ、10月25日~26日にはWTCC(世界ツーリングカー選手権)と2つの世界選手権が行われる。SUPER GTも11月15日~16日に最終戦がツインリンクもてぎで開催される。ぜひカメラを持ってサーキットに足を運んでいただきたい。