F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第16回:日本~カナダへの旅

 コロナ感染の隔離ホテルの部屋のTVでアメリカの検査不要というニュースを見て、前日の夜に予約してしまった検査の予約を慌ててキャンセルしました。

 このコロナ禍が始まってからというもの、飛行機、ホテル、レンタカーの予約のキャンセルや再予約など、何度も何度も繰り返しています。その都度、キャンセルの手数料やら返金不可だったりとお金や多くの時間を使ってきました。もう、正直すごくストレスを感じます。

 次戦のカナダに出かけるために、まずはアゼルバイジャン行きとアゼルバイジャンからカナダ行きの航空券をキャンセル、アゼルバイジャンのホテルもキャンセル、ビザ代はそのまま、新しくバカ高い日本~カナダの片道航空券を予約……。

 でも、元々、自分がF1の写真を撮りたいからという気持ちでやっているので、誰のせいでもなく自分がやりたいことの準備段階での話なんですけれども、取材費の高騰は本当に困ったものです……。

 国によって多少の違いはありますが、昨年と比較してホテル、レンタカーは倍、航空券も倍近くになっている場合もあります。円安と旅行業界の値上げというダブルパンチですね。いやはや……。

 隔離解除の前日に、部屋の電話で看護師さんから正式に出所できることを伝えられました。

 うれしいというより、ホッとしましたね。最後の晩御飯は、すき焼き弁当でした。

 健康チャット、いったい何度書き込んだんだろう???

 最後の朝食。あおさの味噌汁のカップにはコーヒーが入っています。

 13泊の隔離から初めて廊下に出たところ。

 815号室。

 この部屋から一歩も出ずに過ごすという2週間は、貴重な経験となったのかどうなのか。でも、精神的には楽観的な僕でもちょっと追い詰められるというか、出てはいけないという状況が苦しくなる時間を感じましたし、動かないということが、体力の劣化を感じる状況になるというのを、身をもって体感しました。

 確かに、隔離は必要なのかもしれませんが、この処置が絶対に正解なのかどうなのかは謎ですよね。オミクロン株になって、ほとんどの人が重症化しないとなれば、適当な運動をするために、ホテルの階段とか屋上とか出ていいような処置があればまだよかったのかな、とかね。

 お酒とタバコは禁止なので、無症状の人であれば、果たして耐えられるんでしょうかと心配になってしまいますし……。

 でも、空港での検査がほとんど無くなった今、たとえ陽性者でもそのまま入国できてしまうので、このホテルに入る人もこれからは激減するんでしょう。

 ともあれ、コロナ騒動は今の所、世界的に収まる方向です。このままの調子で、普通の状況になってほしいものです。

 6週間ぶりに帰宅して、大吉の散歩に。なんという幸せなんでしょう!

 でもね、駅の階段とか、あっという間に息が上がるし、しんどい。だから、カナダに出発前の2日間は、なるべくたくさん歩いてリハビリしました。

 神保町にも行ったので、大好きなうどん屋さんに行って、讃岐うどん。最高においしかった!

 そして、出発の成田空港のラウンジでJALカレー。お弁当だらけの毎日だったので、まあ、なにを食べても最高なんだよね。

 お寿司とたい焼き。最高。JAL最高!

 成田からシカゴまでは、満席でした。ほとんど、爆睡してました。

 便数が少なくなっているとは言え、満席っていうのはすごいですね。お客さんの3割くらいは、日本以外のアジア系のお客さんな感じ。

 シカゴに着いて、ターミナル移動します。

 シカゴ、オヘヤ空港。移動はモノレール。

 シカゴからモントリオールへは小さな飛行機。ボンバルディアかな?

 五大湖かな?

 モントリオール空港のPCR検査場、開店休業状態でした。

 モントリオール着。

 飛行機の中はマスク。降りたら、外す感じかな。

 街中には、747という名前のバス。1000円。

 空港の出口近くの券売機でチケットを買えます。

 モントリオールでは、レンタカーは使わないのでホテルまではバス。安いし、便利です。

 着いた夜は、中華街のテイクアウトでチャーハンを買ってホテルの部屋で食べました。

 1000円。量多し、おいしくない……。

 翌朝は曇り。

 歩いて20分ほどのシャトル乗り場まで行きます。

 サーキットまでのシャトル乗り場。報道関係者のみに提供されています。

 サーキット着。雨が降ってきました……。

 いつものインタビュー風景。マスクはなし。

 アストンマーティンのセーフティーカー。かっこいいね。

 キレイに豪華になったピットビルディング。

 土砂降りの中、歩いてきたところを知り合いのカメラマンが撮ってくれました。

 明日も、安定しない天候のようです。さあ、どんなグランプリになるんでしょうか?

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。