F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第21回:オーストリアGP

 オーストリアGP、木曜日。パドックのハースのトレーラーの前で、小松さんとマグヌッセン選手が立ち話してました。

 この立ち話が、長い。30分以上こんな感じで、身振り手振り交えながらのお話。

 そんな、込み入った話の中に、少年が握手を求めて近づきます。

 一瞬にして、2人ともお父さんの表情になるところが、実に微笑ましい!

 この少年の一生の思い出になりましたね!

 ホンダ……いや、レッドブル・パワートレインズ 所属の女子の方。今度、お名前を聞いておきますね。

 渋い表情ですね!

 明るい表情!

 湊谷さん! おはようございます!

 本橋さんです! 絶好調な感じかな。

 そして今回、ホンダ技研工業で一番偉い方がレッドブルリンクにいらっしゃってました。

 素晴らしい笑顔の、三部敏宏社長、その左がHRCの渡辺康治社長、右側が倉石誠司会長、その右側がHRC四輪レース開発部部長の浅木泰昭さんの4人です。

 そうそうたる、メンバーです。

 去年、最終戦に激励に行くはずが、コロナの影響で渡航できずにいたので、このタイミングで来たということですが……。

 実は、何かもっとあるんじゃないかという憶測も立っていましたが、それは、実際のところ、外に話が漏れるということもないですし、本当に表敬訪問だけだったのかは分かりません。

 でも、やっぱり、社長さんが現場に足を運んでくれるということは、うれしいですよね!

 浅木さんにしても、心血を注いで作り上げたPU(パワーユニット)が実際に走っているところを見たかったと思うし、どんどん現場に来てほしいと思います。

 やっぱり、現場に来て、その雰囲気を感じてもらってそれを持ち帰ってもらって将来につなげてほしいと僕は思います。

 土曜日のスプリントレースのときの様子です。

 HRC社長の渡辺さんに少しお話を伺いました。

 これまでのホンダはF1に参戦と撤退を繰り返して、特にこの第4期の最初の苦労は並大抵のことではなかったわけですが、今撤退を表明していて、もし次に参戦となった場合また同じ苦労をしなければならなくなるという危惧はないのでしょうか?

「2025年までのところは、まだ契約をレッドブルと完全に締結していないので、はっきりとは言えませんが、ある程度の部分で活動を続けられるので、そこに関しては少しは技術の継続はできるのではないかと考えています。全部やめてしまうと、再び立ち上げるのにものすごいパワーとお金といろんなものがかかるので、このあとF1から完全に離れることになっても、技術的なところは見ておかないといけないのかなと感じています。本当にゼロになると、再びやろうと思ってもできないことがありますから。ただ、今はF1参戦を終了したばかりなので、やるということはない。噂ではいろいろ言われているみたいですが……」。

 ということでした。

 アストンマーティンの松崎さん。

 最近、お話を聞けてませんがチームの調子がいまひとつです。また、お話が聞ければお伝えしたいと思います。

 角田選手。日曜朝の出勤風景です。

 アルファタウリファッションですね!

 スプリントレースのグリッド。

 スプリントレース、中盤で2台のアルファタウリが接近しての走行シーンが何周かありましたけど、ガスリー選手が15位、角田選手が17位とふるいません……。

 日曜のレースでも、ペースが上がることなく下位に沈みます……。角田選手は16位でした。

 マシンの戦闘力がこのレッドブルリンクに合ってないのか……とにかく、今回のアルファタウリのパフォーマンスは厳しかった。

 とにかく、フェルスタッペン選手の人気はすさまじい!

 ホスピタリティに戻るまでの道が、パドックに入れるお客さんのチャンスなのでサインや写真撮影待ちの人がたくさんでした!

 ノリス選手のPU交換のときに写真を撮れたメルセデスPU。

 何度見ても、複雑怪奇な塊です。何がどうなっているのか僕にはさっぱり分かりませんが……。

 でも、素晴らしくカッコいい!

 スプリントレースのパルクフェルメで、優勝したフェルスタッペン選手のタイヤをチェックするサインツ選手。

 パドックにいた、赤牛さんときれいな女子。

 3コーナーでスタートを撮りました。順当にフェルスタッペン選手が首位で通過しました。

 2周目、ピッタリとルクレール選手が追走します。

 タイヤトラブルを抱えたフェルスタッペン選手のペースが上がりません。このあと、抜かれてしまいます。

 中段争いは、激しく。見応えありましたよね!

 ハースの2台がずっといいペースで走ってました!

 シューマッハ選手が、6位入賞!

 マグヌッセン選手はターボトラブルが出てしまってペースが落ちてしまいましたが8位入賞!

 そしてチェッカーです!

 そしてこの笑顔ですよ!

 今、気持ちいいでしょ? って聞いたら。

 最高に気持ちいい! ってことでした!

 小松さんが、うれしそうにしていると、こっちもうれしいよ!

 イギリスに続いて、ダブル入賞! おめでとうございます!

 グンターさんと一緒に! コンストラクターズも7位です!

 勝ったのはルクレール選手。

 不運が続いていたので、これから流れが変わるのか?

 2位のフェルスタッペン選手と3位のハミルトン選手。役者がそろった表彰台でしたね。

 観客席に日の丸発見! でも、後ろに見えるのは、こちらの方々。

 角田選手応援団、ヨーロッパ支部の皆さんなのか??

 レース後の様子。火事じゃないですから。

 フェルスタッペン選手は優勝できませんでしたけど、いいレースしたと思います。こういうレースもありますよね。

 今回の観客動員は3日間で30万3000人だそうです。見た感じ、29万3000人くらいはオレンジ色のTシャツ着てたかな??

 今回もF2がありました。岩佐選手。

 土曜日のスプリントレースが10位。

 日曜日のレースが7位。

 レース後に話を聞きに行ったんですけど、もうね、悔しさ満点の表情でした。

 特に予選4番手からの日曜のレースで、レインタイヤでスタートしてからドライタイヤに交換したもののマシンがレインセットアップだったので、ペースが上がらずという展開でした。

 でも上位2人の失格と降格でサージェント選手が繰り上がりで優勝、サージェント選手もレインスタートだったので……。

 う~~~ん、全てがうまく噛み合わないと、上位にいけないのはF1もF2も一緒。でも、マシンのポテンシャルはあるので、次戦は走り慣れたフランスですから期待しましょう!

 佐藤選手です。

 ここまで、もうエンジン7機使っています……。決してドライバーの責任でもなければ、チームの責任でもない……。

 佐藤選手にも話を聞いてきました。

 マシンは間違いなく速い。そして、チームメイトのドーハン選手と自分のテレメトリーを比べても劣っているところはないし自信もある。

 ただ、自分のミスも今回もあったし、ここぞというときにそのミスが出てしまったことがものすごく残念です……。

 と、こちらも悔しさ満点でした。

 2人の日本人F2ドライバーも頑張っています!

 ぜひぜひ、皆さんの応援を絶賛お願いします!

 今回も飛んできましたよ!

 B25とコルセアかな? ほかにも飛んできました!

 戦争を想起させるとかで今年は戦闘機の飛来はなしになったとか言ってなかったっけ?

 でも、美しいしカッコいいと思ってしまいますよ、正直なところ。僕はね。

 レッドブルリンクは、盛り上がりましたよ!

 シルバーストーンも素晴らしかったし、今年はたくさんのお客さんが来て、楽しんでいる様子が見られていい感じです!

 まだ、少し先だけども、こんな感じで、日本GPもやれるということが楽しみですよ!

 次はフランス。

 僕と尾張さんは、ウイーンのアパートで1週間自炊生活をしながらたまった写真整理に没頭する予定です!

 ではまた!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。