F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第22回:オーストリア~フランスへの旅

 オーストリアのプレスルームは、夕方に綺麗な遮光が入ります。

 その綺麗な光が尾張さんに注ぎます。

 メディア食堂の晩ご飯。出していただくだけでありがたいのです。

 オーストリアの定宿にレース明けの火曜まで滞在しました。ひたすら写真整理してましたよ。

 ワンコ、来年またね!

 フォルクスワーゲン・T-ROCの返却前に給油。

 リッター275円です。T-ROCいい車でした。

 火曜日にウイーン空港でレンタカーを返却して、電車で1週間滞在のアパートまで行きます。

 空港のターミナル近くに鉄道がきていてアクセス抜群です。

 いったいどのようにアパートまで行けばいいのか、尾張さんと相談するんですけど、返ってくるのは「終点まで行けばいいんじゃないの……」とか、適当な答えばかり。

 ググってみると1回乗り換えで行けそうです。

 乗り換えの駅にて……よく分からなくて……うろうろ……ふたりのおじさんは、オーストリアで電車に乗るのが初めてです。

 切符の買い方もよく分からず、適当に買って乗りました。

 改札口というのがないんですよ……。普通にプラットホームまで行けてしまって、列車に乗れるのです。

 無事にわれらがアパートのある街、Himbergに到着。

 ここまで、誰からも切符を見せることなく、駅舎にも駅員さんがいるわけでもなく……どういう仕組みなのか分からないまま……。

 そのアパートです。快適です、けど、夕方直射日光が部屋に入ってくると暑いです。エアコンなし。

 近所のスーパーマーケットで買ってきた食料品。約6600円くらい。

 円安だからね……高く感じます。

 そして、ウイーンの市内に日本食材屋さんがあることをグーグル先生に教えてもらったので、行かずにはいられませんよね。翌日に電車で行きました。

 日本屋さん。やっぱり、嬉しいものです。1週間の滞在ですからね。品揃えは素晴らしいです。

 暑いので、アイスを食べようぜってことになって、日本屋さんで聞いて行ってきました。

 尾張さんは3個! なんで3個?

 クレジットカードが使えるのが5ユーロ以上だったから、3個にしたということ……。なんと……。

 値段は日本の3~4倍くらいかな。でも、これは仕方ないですよね。遠くから運んでくるんですからね。

 売ってくれていることが、感謝です!

 僕が買ったもの。

 ご飯がひとパック1100円。水戸納豆が337円。うまいが一番が570円。餃子が1265円。もずくが450円。

 餃子ともずくが冷凍なので、急いで帰ろうよ!って感じです。

 Hauptbahnhofという大きな駅。われわれが乗り換えるのは11番線。ちゃんと切符も買って進みます。

 すると、11番線に電車が止まっていて飛び乗りました! 座れました。

 まあ、なんてことのない話をしながら安心していたら、な、な、なんと!

 われらがHimbergの駅を通過していくではないか!!

 写真の路線図でS60という青い中央の路線で、中央やや上にあるHimbergを通過してどんどん南下していくのです。

 そして最初に止まったところでとりあえず降りるしかないよね、そして反対側に乗ればいいんだよとか話していたんですよ。

 でも、延々止まらないわけです。

 そして止まって降りたのが……

 Pottendorfって駅……。

 上の路線図で探してみてください。特急なのかなんなのか……。

 特急だとしたら、大きな駅で止まるじゃないですか、でも、全然小さな駅です。駅にある地図で、われらがいる場所がやっと分かる始末。

 その駅にある時刻表を見て帰る算段をしますが、なんだか、全く電車が来ない、来るのは貨物だったり、止まらなかったり。

 通過……。

 貨物……。

 通過……。

 そして、この駅でなんと3時間くらい電車が止まらないわけですよ?

 信じられます??

 これが、絵に描いた”途方に暮れる男”です。

 だって、特急であろう電車が止まった駅で、3時間ほかの電車が止まらないってことがあるんですよ??

 その間、冷凍餃子がどんどん溶けていくんです、尾張さんの豚バラ肉もね……。暑いし……。

 路線図を見ると、このPottendorf駅から、Himbergまで帰るためには、円のどっちに行っても同じようなものなので、とりあえずきた電車に乗りました。

 元、鉄ちゃんの僕でも、これはまいったな~って感じ。

 どんどん日が暮れていきます。

 世界の車窓から……。

 各駅停車の電車で確実に帰ります。

 でも、途中でその電車がHimbergに止まらないことが分かって、もう一度乗り換えてやっと到着。日本屋を出てから5時間後でした。

 30分で行けるところを5時間もかかってしまって、日が暮れて……。行き先の案内も、無人のホームに流れる音声も全部ドイツ語だし、時刻表は全く当てにならず。

 でもその待ち時間に、遠くまで来たので帰りの切符を買っていたんです。

 そしたら、Himbergに着く直前に、3人の検札官がやってきて切符を見せました。

 いや~買っておいてよかったね。ということもあり、いや~、まいったね。

 これは、ある日の晩ご飯。味噌汁付きです。

 最高においしかったよ。

 ある日の朝ごはん。目玉焼きは上手になりました。

 でも、溶けたかもしれない餃子ともずくは、食べれるような気もしたけど、それでお腹壊しては元も子もないので、断腸の思いで捨てました。

 心残りは、餃子だな……。

 そんなこんなで、ず~~~っと部屋で写真整理してました。

 早く終わらせて、ウイーン市内の美術館とか行きたいなとか思っていたんですけれど、もしそこでコロナに感染してしまうわけにはいかないので、こもりつつ仕事をすることにしました。

 火曜日、またまたウイーン空港でフランスGPに向かうためにニースまで移動です。

 南仏コートダジュール。

 ニース空港着。満席です。

 まあ、当たり前ですけど、皆さん夏休み。

 ニース空港の荷物受取場も大混雑。写真中央の柱には、“白タクには乗らないで!”という注意書き。

 ニースの街中で、ルノー4発見!

 いっぱい走っていたんだけど、最近全然見なくなってきましたね。こういう風景によく似合うし、よく見ると錆びてるしいい感じに使用感ありな感じもニースの風景です。

 ニース空港のレンタカーオフィス。長蛇の列にびっくりです!

 今回のレンタカーは、オメガ・クロスランド。シルバーストーンの時に借りた、ヴォクソールと一緒です。

 でも、なんだか、今回借りたこっちの方が全然しっかりしているし、トルクもあるように感じました。

 空港から、今回のアパートのある港町のシオタまで200kmくらい。そして、港脇の駐車場に止めた駐車料金が2時間で2400円!

 街は小道がたくさんあって、古きよき風景があります。

 最上階の尾張さんのアパート。

 裸。

 33℃の気温で西日を浴びてクーラーなしだそうです。

 これは、ぼくのアパート。スパゲッティーを茹でています。

 クーラーあり!

 ヨーロッパは、クーラーなしの宿はたくさんあります。夏場に泊まる宿は、要チェックですね。

 フランスGPのポスターです。

 スーパーマーケットで食料の買い出し。

 昨夜の晩ご飯。まあ、これでお腹いっぱいになればよし。

 木曜日、サーキット着。暑いです。

 ヨーロッパも熱波の影響だそうです。

 暑いので、F1のボディーワークも穴だらけですね。

 アウディだらけです。暑い3日間になりそうです。

 よいレースになりますよ~に!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。