F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第48回:お久しぶりです! アゼルバイジャンGPに向けて出発!……の前にニュルでちょっと寄り道

 ご無沙汰しておりました。

 まずは、ずっと前のお話ですが、サウジアラビアから振り返ります。サーキットから宿までは近くて徒歩です。

 レースが終わって、月曜日。

 空港までは、ウーバーを利用しました。ホテルでiPhoneのアプリでクルマを予約するとやってきました。運転手が降りてきて、すでに乗っていたお客がホテルのレセプションに行きます。

 そしたら、そのドライバーさんが、その乗ってきたお客が空港まで行きたいから一緒でいいかって聞いてくるわけです。でも、アプリで決済までするのが、ウーバーじゃないですか……じゃあ、割り勘でいいかって思って一緒に行くことにしました。

 その一緒に行った人がこの人。聞けば、サウジアラビアのテレビの仕事をしていてリヤドに戻るんだということ。

 そして、空港に着いた時に、割り勘にしましょうって言ったら、いやいや、アプリですでに精算したからいいよ! って言ってくれます。

 素直にお礼を言って別れました。サウジアラビア3年目だけど、一番よかった出来事でした。シュクラン!

 ジェッダ空港。

 空港ってどこの国でも、頑張ってかっこいいのを作るじゃないですか。まあ、多くの旅行客が最初に降り立つ施設ですからね。でも、まあ、どこも同じような感じですね。

 飛行機に乗って、ぼ~~~っと眺めていると、自分のスーツケースが飛行機に運び込まれるところを見ることが時々あります。安心しますね、なんだかね。

 ドバイ経由だったのです。

 帰国してからの、カツ丼! 最高だし!

 帰国してからの、煮干しラーメン! 最高だし!

 大吉と毎日散歩。大吉は桜はどうでもいいみたい。

 F1の撮影を始めてから30年以上、コロナで行けなかった2020年シーズンの前半以外で、シーズン中に1か月も日本にいたことはありません。オーストラリアGPは、自宅のテレビで見ました。

 4月18日、ドイツに向けて成田空港。この日最終便のフィンランド航空で行きます。

 JALのラウンジで、サラダとカレー。カレーはおかわり……。

 いつもありがとうございます。

 ムーミンとキミの国フィンランド。ヘルシンキ経由でフランクフルト。

 フランクフルト空港に着いてお腹が減っていたので空港内のマック。ビッグマックセットで1270円。

 高いよね……円安のせいなんだけどね。去年からのことなんだけど、マックでもこの値段って……困る……。

 空港で借りたレンタカー。

 なんとなんと、予約していたいつもの安いやつから4段階くらい上のアウディ A6を貸してくれました!

 いろいろあるけど、たまにはいいこともあるんだね!

 アウディはA3とかA4とかは乗ったことあるけど、A6は初めてかな?

 今回、ドイツに来たのは、ニュルブルクリンクで開催される24時間予選レースの撮影だったんです。空港から、アウトバーンで2時間くらい。ご存知、アウトバーンは速度無制限の区間もあります、と言ってもほとんど制限速度区間が多いんだけどね。まあ、せっかくですからね、無制限ですから、その場所ではドカッとアクセルを踏んでみました。

 予想より全然速い……200km/h超えてもどんどんいっちゃうし。乗り心地は、包み込むような優しさと静けさだったんで、余計に速く感じました。

 降りてみて、後ろのエンブレムを見ると55 TSFIと書いてある。3.0リッター、V6ターボ、340馬力らしい。

 速いわけだ。

 1000万円超える感じかな。日本では一緒の感じは売ってないみたいだけどね。先日乗った僕の感覚がTYPE Rでそれとの比較になるけど、さらにすごく柔らかな感じなんだけど、真っ直ぐに走ってよく止まり、安心してどこまでも行ける感じ。

 素晴らしいクルマでした。じゃあ、欲しいかと言われるとそうじゃないけどね。

 ニュルに着いてから、雪も降っていたりして。

 ニュルブルクリンクの旧コースの撮影に移動する道は、迷路のようです。

 しかも、ドロドロ、ニュルニュルの道も行かねばなりませぬ。アウディのクワトロの安心抜群。

 ガソリン価格。1L265円。高いっての……。

 サーキット近くの宿の僕の部屋の名前は、ワルター・ロール! なんだか嬉しいかも。

 ベッドの前はアウディが飛んでいる。

 スーパーマーケットで買い出し。温めたピザが出てくる。味は普通。

 だめだ、だめに決まっている……とは分かっていても、え! おにぎりじゃん!

 食べてみると……やっぱり、ダメだめ……おにぎりじゃない。でも400円くらいかな……。

 次の日、だめでしょ、だめに決まっているでしょ、何度そう思えばいいのよ! でも、弁当って書いてあるし!

 餃子のようなものは、まだいいけれど、米がいかんのよ……全然おいしくない。1800円くらい……。

 ドイツの、駐車違反のレッカー移動です。アラームがビービー鳴っていても、関係ございません。

 この後すぐオーナーが出てきて、許してもらっていましたよ。日本じゃ許してはくれないよね。

 ドイツの一般道の制限速度は100km/hとか80km/hが多いです、街に近くなると50km/hとか40km/hとかきっちり落とさなくてはいけません。カメラもあります。煽ってくるクルマもそこそこいます。

 でも、海外で一番走りやすいのがやっぱりドイツの道かな。

 サーキット、パドックに向かう途中のトンネル。オートバイのレースでも来ていたので、ここは何度も通っています。

 今回のレースは、日本からはこのスバルチームだけでした。本番の24時間は、もっとたくさんの日本関係者もいるのだろうと思います。

 ニュルの名物コーナー、カルーセル。イン側に、バンクがあります。

 アプリがあって、走行しているクルマのゼッケンが表示されます。1周26kmもあるので、このアプリがあって大変助かりました。

 ニュルのレースが終わって月曜から水曜までフランクフルトの街に滞在しました。

 レンタカーは、路上駐車です。この通りは、駐車大丈夫だそうです。

 ひたすら、部屋で写真整理と洗濯してたんです。Google先生に、近くのラーメン屋と聞いてみると150m先にあるじゃないですか! そりゃあ、行くしかないでしょ!

 中華そばと替え玉とお茶で2200円。おいしかったです!

 スーパーのおにぎりシリーズの完成度からすれば、圧倒的なバリューでした。

 ホームラーメン。動物園の近くです。麺は硬めでよかったです。

 そして、フランクフルトから水曜にF1取材のためにアゼルバイジャンに向かいます。直行便のルフトハンザは高かったので、ドーハ経由のカタール航空。

 ドーハの空港がリニューアル? 森ができていました。

 ラウンジに行ってメニューを見たら、スパゲッティ・ペペロンチーニがあるじゃないですか! でも、イマイチでした。

 ラウンジに入れると、いろいろと助かります。ご飯もだし、仕事をする机や、インターネットも。

 この木は、ずっと元気でここで育つんでしょうか? まあ、いいか。

 フランクフルト~ドーハが5時間半。ドーハ~バクーが2時間半。

 バクー空港です。

 もう、タクシーの客引きがものすごい勢い。何人も何人も声をかけてくる。うるさいっての! 怪しさ満点。

 だいたい、そういう国はトラブル多発しますよね。旅行客から、少しでもたくさんお金を得ようとする、隙あらばぼったくろうとする人がたくさんいるということです。

 僕は、ホテルの手配のシャトルをお願いしてあったんで、そのおじさんとコンタクトを取るのに少しとまどりましたけどね。まあ、そんな感じの国です。

 サーキット。絵になるサーキットなので来たい場所なんです。

 でも、なんというか、ドイツなんかの普通の感覚でいられる国と安心感がまるで違いますよね。その危うい感じが、機材を持って移動しなければいけない身にとって、あちこちでフラストレーションとして感じるんですよね。

 綺麗な夕日が出ることを期待して、明日から頑張って撮影をしますよ!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。