F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第53回:モナコを振り返り、スペインに向けて620kmのドライブ。スペインの日本食屋で出会った「アイツ」……!

 モナコと言えば、ゴージャスな雰囲気です。カジノに高級ホテル。

 カメラマンにとって、そのバックグラウンドを活かした絵作りが楽しいし、マシンまでの距離が近いので変化もつけやすい。

 トンネルの中。僕が初めてモナコに来たときは、手前のガードレールだけがずっと奥まで続いていたんです。当然、上の金網はなし。怖かった……。

 トンネルの途中で出られるところがあります。奥の建物が現在建設が進んでいるところ。ポルティエの奥ですね。どんどん姿は変わっていきますね。

 パドック横にあった名物レストランのスターズンバー。店内のディスプレイにはF1マシンやヘルメット、レーシングスーツとかたくさん展示してありました。30年で幕を閉じました。

 ハンバーガーとかたくさん食べたな~~~。このお店がなくなるとは思わなかった。

 サーキットに向かう途中の渋滞。スーパーカーちらほら。

 ホテルへの帰り道、ニースのネグレスコホテル。

 モナコの街中にある、ホイヤーのポスター。F1というスポーツに参加して、そのイメージで自社の製品を売る。正しいです。

 ホンダさんもぜひ、積極的に使ってほしいです。

 僕の宿の近くのマックに行ったときに、注文のモニターで日本人を選択できたことがなんだか嬉しくてね……。

 ゴージャスな雰囲気で、晩ご飯のマック。おいしいマックでございました。

 尾張さん、実は開幕戦以来会ってなかったんですよ。

 僕は、バーレーン、サウジ、アゼルバイジャン、モナコ。尾張さんは、バーレーン、オーストラリア、マイアミ、モナコ。

 まあ、お互いフリーランスで好き嫌いで行くところを選んでいるのでね。

 コース脇でお昼ご飯のお肉を焼く消防士さん。

 コース脇でお昼ご飯のソーセージを焼くマーシャルさん。

 F2のパドックは丘の上の駐車場内にあります。建物の1階部分です。その昔はここにF1のガレージがあったそうです。

 レースが終わった日曜日。メディアセンターのモニターは、インディ500です。見ながら仕事をしていたので、なかなかその後が遅くなってしまいました……。

 東京から観戦に来ていた方。フェラーリは残念でしたね。楽しめましたか?

F速で特派員をやっていた? やっている? という方。楽しめましたか?

 レース後の月曜日は、ランチに行ってきました。

 小さな入り江にはビーチがあって、いい雰囲気。

 おっさん2人で、おしゃべり3時間くらい。小松さんの話は面白いから、あっという間に時間が経ってました。

 なんとかサラダ。おいしかった!

 ペッペ……なんとかトリュフ添え?? むっちゃおいしかった。

 小松さん、ごちそうさまでございました。もう、なんでも言うこと聞きますからね!

 その日の晩ご飯。差が激しい?? ペヤングには勝てない……。

 火曜日は移動日です。ニースからバルセロナまで620kmの道のり。

 ズ~~っと高速道路で移動です。

 620kmのうちの6分の5がフランス。最高速130km/hが7割くらい、110km/hが2割、90km/hが1割くらいかな。

 スペインは、最高速が120km/hです。

 交通量も少なくて、演歌を歌いながらの快適なドライブでした。6時間でホテルのある街のグラノラーズに到着。

 高速料金は116.69ユーロ。1万7500円くらいです。

 ホテルで尾張さんと合流して、晩ご飯はやっぱりスペイン飯に行こうとなりました。

 トマトソースをパンにつけて食べる、パンコントマト。おいしいんだな。

 ハモンイベリコ。生ハムです。おいしい。

 イベリコ豚の石焼き。手前の塩がおいしいので、やっぱりおいしい。

 でもね、正直に言うとね、塩もいいんだけどね、おいしい醤油とかね、味噌汁とおいしい白いご飯と一緒に食べたかったかな……。

 スペインは、やっぱりクレマ・カタラーナ。これは好き。

 やっぱりね、ヨーロッパはイタリアとスペインはおいしいよ!

 火曜は洗濯。洗濯は本当に手で洗うと大変……時間もかかるし、干すところに困るし、疲れるし……。

 コインランドリーは旅人に優しい。最近のコインランドリーは素晴らしい。洗濯が670円。乾燥が25分で450円。25分で十分乾く。素晴らしい。

 これは、ワンコ用のおもちゃとか、座布団とかを洗う専用洗濯機。これはいいね!

 火曜の晩ご飯は、尾張さんが散歩途中に見つけてきた街中の日本食屋さんへ! 餃子はおいしかった。でも、多分冷凍食品かな??

 そして、尾張さん情報ではカツ丼があるという! その情報を聞いた瞬間に脳内カツ丼になったわけです。

 で、来ました!

 ????????

 か、カツ丼を頼んだのよ??

 見た目で、まず、丼ではないし、茶色い?? 食べてみると、テリヤキソース……。

 何でもかんでもテリヤキソースをかければいいというものではない! カツ丼というのは、卵でとじるのがカツ丼でしょう!!

 なんでやねん!!

 俺の、幸せなカツ丼への渇望をどうしてくれるのか!

 だから、google先生の画像検索で画像を出して、お店の人に見せて「これがカツ丼なのよ!」って言ったんだけど、ものすごい薄い反応でした。

 う~~~む、スペインの田舎で、カツ丼を食べられる日はくるのでありましょうか!

 まあ、お腹減っていたので全部食べましたけどね。カツ丼9.5ユーロ、1418円……返せ!! ……食べたけどね。

 昨日、FIAからのメールで、サーキットのメディア駐車場で盗難被害が心配されるので、貴重品はクルマに置いて行かないようにという案内がありました。まあ、スペインは強盗、盗難というのは今に始まったわけではなく、昔から名物のようなものです。

 駆け出しカメラマンだった23歳くらいのときに、クルマに置いてあった機材を全部盗まれたのはスペイン。

 F1撮影を始めた1990年代後半に、ホテルのレセプションでチェックインをしようとしていたら、なぜか僕のカメラバックを持って出口に進む黒人……叫んで追いかけたらカメラバックを捨てて逃げた……のもスペイン。

 イタリアも同じような感じ。まあ、もっと言えば、海外どこも泥棒、人のものを盗む、強盗するという人の割合が日本より圧倒的に多いのです。人種差別もありますよ、全然ある。そういう意味では、日本は異常な国ですよ、安全という意味でね。

 われわれカメラマンはいやが応でもカメラ機材という高額な物品を持ち運ばなければいけません。ですから、常に移動がストレスです。

 あとね、日本の食文化は多岐にわたった種類のレストランが安く食べられる、コンビニの品ぞろえの豊かさもしかり。

 スペインとか、晩ご飯のレストランが開くのが20時半以降ですよ。コンビニはない。スーパーにしても日本の品ぞろえ、質の高さとかは素晴らしいです。このあたりのスーパーとか比べ物にならんですよ。

 僕の大好きなイチゴとかね、世界中のスーパーのほとんどどこにでもあります、でももう全然日本のイチゴが世界一。ほかの果物の質もそう思います。

 日本はダメだとかいう意見がたくさんありますよね、そりゃあ政治にしても教育や介護の問題とか、原発とかね。いろいろある。

 でも実際に海外に出かけてみると、日本の素晴らしさばかりが見えてくる。治安にしてもそう。日本って素晴らしいと思うんです。

 イタリアとかスペインとか、街中を歩いていると移民の方々を多く見ます。現代のヨーロッパで大きな問題になっている移民の問題を目の当たりに見ます。日本はどうしていくのか、そのあたりも気になりますね……。

 まあ、明日から走行が始まりますよ!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。