F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第58回:レッドブルのフェルスタッペン選手が6連勝! 名門マクラーレンとウイリアムズが好調だったイギリスGP

 イギリスGP、お約束、不安定な天候でした。

 レースは、フェルスタッペン選手の優勝! 6連勝! っす! 今季8勝目、レッドブルが全部勝ってます!

 安定感、安心感抜群な感じです。

 スタート前、ヘルメットをかぶる直前。エンジニアのジャンピエロさんと、額をゴッツンコして、ヒソヒソ話。

 あれこれと、フェルスタッペン選手に伝えたいことがあるんでしょうね。毎戦こんな感じです。楽勝って感じは微塵もない雰囲気。

 外から見ていると、楽勝でしょ、って感じるほど速いし強い感じがしますけど、やっている本人もチームも必死です。その緊張感をキープしてこその今の成績なんではないかと思うんですよね。

 すっごいアンダーステアなんだよ! って会話かな??

 ホンダの吉野さんと湊谷さん。グリッド後方のペレス選手のところでお話中。

 全部勝っている今シーズン、僕は、どうせなら全部勝っていただきたい!

 壊れなくて、速くて強いホンダを世界にアピールするチャンスですしね。そんなこと、普通はできない世界です。

 だって、世界最高峰のカテゴリーですよ。もちろん、レッドブルの車体とチーム、世界一のドライバーがいるから可能かもしれないという状態なんですけど、そこにホンダという日本のメーカーが大きく関与しているわけです。

 アジアのメーカーがF1の世界で1番になるということは、ヨーロッパのメーカーがやるのとは越えなきゃいけない壁の高さが圧倒的に違います。それを乗り越えてチャンピオンになり、さらに全部勝っちゃうかもというミラクルを達成しようとしているホンダを僕は見てみたい! ほんと、そう思う!

 そんなレッドブルのもう1人のドライバーのペレス選手。

 予選Q1敗退というなんともな結果でした。追い上げて6位……。頑張りどきです!

 ノリス選手、地元グランプリで2位表彰台獲得です!

 今回マクラーレンは速かった! 予選2位からの2位。アップデートと強いノリス選手の気持ちが見えたレースでした。うれしそうな表情がいいです!

 アルボン選手が光ってますよね! 予選8位、レースも8位入賞! ウイリアムズのマシンもいいんでしょうね。

 なんともがっかりな大幅アップデートのアルファタウリだったんですけど、全くスピードがありませんでしたね……。アップデートというのは、普通速くなるということとほとんどの場合一緒なんですけどね。

角田選手にとってもがっかりだったことでしょう。チャンピオンPUを載せていても最下位チームとなってしまっているわけです。だから、よっぽど車体がいかんというわけです……。

 なんとかしてよ! アルファタウリさん!

 フレンツェンさん。お久しぶりです。ちょっと、最初分からなかった……。

 ハースチームの吉田メカニック、ヨッシーです。木曜の夜、一緒にご飯してきました。そして、なんとごちそうになりました! 次は、僕がごちそうしますからね!

 ハースに入って2シーズン目。F1メカニックになるのを夢見て、イギリスに来て一生懸命走り続けて夢を叶えてさらに頑張っている姿を見ていると、なんだかうれしいですよね。

 今は、マグヌッセン選手の車のフロントセクション担当です。

 フロントサスペンションやウイング、あとコクピットまわりまで担当。

 間違いなく確実な仕事を求められます。真面目にコツコツと組んではバラしてまた組んで。自分のやり方を信じて、どんどん頑張ってくださいね。

 今回から撮影が始まった、APXGPというチームを題材にした映画。むっちゃちゃんとした体制でやってます。

 F2を改造してF1風にしたマシン。2台。ゼッケンは7番と9番。音はF2。だから、シフトダウンで火を吹いてます。

 カメラがたくさん付いてます。毎日、10分から15分のセッションが2回くらいあって、こんな感じで並走しながら撮ってました。ドライバーは、レーシングドライバーだと思います。ちゃんと走ってましたからね。

 ドライバーはブラッド・ピットさんがソニー・ヘイズ選手、ダムソン・イドリスさんがジョシュア・ピアース選手ですね。

 流石に、カッコいい!

 ガレージもちゃんとしてます。お金はすんごくかかっていると思います。

 モニターとかも本格的ですし、スタッフの役者さんも本物みたい。持ち込んでいる撮影機材とかも、半端なくすごい。

 しっかりとした映画になりそうですよ! 期待したいです。

 並走車もレーシングカーですし。トップガンの撮影クルーですからね。楽しみですよ。

 今回は、ヒストリックF1のデモランの時間がありました。このマクラーレンMP4/7は、1992年。僕がF1全戦撮影を開始したときのセナ選手のマシン。

 残念ながら、金曜日に走ったみたいなんだけど、僕は走行シーンを見ることができませんでした。エンジン音を聴きたかった。

 この6輪ティレルは走ってないかも?

 以下、形式名とかよく分からないので、とりあえず写真だけ……すみません。

 最後のジョーダンは佐藤琢磨選手の名前が入ってますね。

 バトンさんがマンセル選手のマシンに乗ったりしてました。

 メルセデスの人が、PUについて説明会をやりました。内容はどんなことだったのか、僕は分かりませんが、セナ選手のホンダV12気筒と比べるとえらい違いますよね。

 どっちかあげるって言われたら、そりゃあV12の方がいいな……。電池はいらん……。古い人間ですから、すみません。

 F2の日曜日レース。予選3位の岩佐選手がトップで2コーナーにきました! よっしゃ! って思ったんだけどね。

 5位で10ポイント獲得。土曜レースはトラブルでノーポイント……。

 でも選手権3位だから、まだ全然大丈夫。でも、ちょっと、そろそろまとめて勝っていきたい!

 F3に出ているソフィア選手。ドイツ人です。

 リザルトはノーポイントなんだけど、中段の下くらいを走っています。ステアリングが重いF3マシンで頑張っていると思いますよ!

 シルバーストーンに集まるお客さんは、毎年素晴らしい雰囲気です。木曜日から4日間で48万人の集客でした。すごいね!

 カッコいいっす! 戦争は絶対にダメだけど、やっぱりカッコいい!

 2連戦が終わりました。明日の飛行機で帰ります! 日本食が食べたい!

 次回はハンガリーですね。

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。