F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第64回:フェルスタッペン選手のためのようなオランダGP!? F1史上最多連続勝利数の記録を順調に更新!

 オランダGP。掲載が遅くなってしまってすみません。レース後の僕の仕事の遅さと、月曜にイタリアに移動することによるものです。本当にすみません……。

 ではオランダGP。木曜日から。

 オランダといえば、もちろんマックス選手のためのグランプリと言っても全然過言ではないほどの注目度であります。

 写真はリモートで子供たちの質問に答える2人の表情。

 颯爽とパドックを移動するハミルトン選手。

 このザンドフォールトサーキットは、昔ながらのレイアウトですのでピット裏のスペースが狭くてホスピタリティーは少し離れた場所にあります。ですからドライバーは、各セッション、多くのお客さんが待ち受ける通路を300mくらい移動しなければいけません。そこを歩いていくとなると、写真やサインを求められて進めなくなるので、電動キックボードが重宝するんですね。

 金曜日、FP1はピットに行きました。いつものルーティーンで、最初は角田選手のガレージから始めます。

 マシンに乗り込む直前にトストさんから声をかけられます。

 グランドスタンドのお客さん。フェルスタッペン選手が、最初にコースインした瞬間です!

 お待たせいたしました! って感じかな!

 フェラーリ、ルクレール選手。

 今回、サーキット入り口からプレスルームまでちょっと距離があるので、電動ゴルフカートで送り迎えしてくれるサービスがあるのですが、6人乗りの大きめのカートで途中少し坂があるんですけど、その坂を上っているときに速度が上がらなくてものすごく低速になりはじめたときに、運転していたお兄さんが、「わ~~~、ライク、フェラーリ!」ってつぶやいていたのを僕が突っ込んだら、笑いが起きましたw

 まあ、みなさんそんなイメージですかね。

 レッドブル、そしてホンダとしても、13連勝がかかっているグランプリ。

 ペレス選手のガレージ後ろ、いつもの定位置で様子を見守る吉野さん。連勝が重なれば重なるほどプレッシャーもあるでしょうね。

 ニューエイさんの赤ノートと、タグ・ホイヤーのカレラ クロノグラフ。両方使い込んでいます。

 F1の現場で、上の立場の人が現場で持っているもので、こんなに使い込んだものを身につけているというところがかっこいい!

 FP1が終わって、マシンを降りてマシンの横でいつも3人で話をします。

 オランダGPカラーリングのヘルメット。

 フェラーリ育成ドライバーのシュワルツマン選手。FP1に乗りました。若手が乗る機会を設けなければいけないというレギュレーション。

 ストロール選手のメルセデスPUです。複雑怪奇な作りですね。

 FP2、バンクの出口でスピンしてしまったマグヌッセン選手。

 雨が降ったかと思ったらやんで、晴れ間が出て曇ってというのを繰り返した3日間でした。気温も高くなくて、雨に濡れてしまうと体が冷えてしまったお客さんも多かったかもしれませんね。

 海がすぐ横にあるから風も吹いてくることも多かった。

 予選で初めてQ3進出したサージェント選手。残念ながらクラッシュしてしまいました。

 レース前のグリッドにて、リアム・ローソン選手。

 FP2でリカルド選手がバンクに進入したとき、目の前でスピンして止まっているピアストリ選手を避けるために外側の壁にぶつかったとき、ステアリングを握っていたために左手を骨折してしまいました。

 その代役で、土曜日のFP3から急遽F1デビューが決まりました。難しい参戦の状況ですけれど、リアム選手にとってみれば、大きなチャンスであります。

 レーススタートの周の最後尾がアルファタウリの2台でした。

 レーススタートしてすぐに雨。降雨は長くは続きませんでしたが、スリックタイヤで走行するのは厳しい状況。

 でも、当たり前ですけど世界で一番運転のうまい20人ですから水煙を上げながらコースにとどまってレースを戦えるってすごいなって思いました。

 この写真は、レース中に撮影場所移動するときに撮ったものです。さっきまで雨が降っていたのに、晴れ間が出ていました。

 セーフティーカー明けのスタートシーン。

 角田選手vsノリス選手の攻防は、撮っていてワクワクしました。

 でもステイアウトの作戦を取った角田選手のタイヤの劣化で徐々に後退、ペナルティーもあって結果は15位……残念。

 レース終盤、大粒の雨!!

 アルファ ロメオの周選手が、まっすぐこちらに来ました。こういう状況で、ぶつかってしまう選手と、そうでない選手というのは、やっぱり分かれてしまいますよね。

 1コーナーで判断つきにくいとは思うんですけどね。

 周選手のクラッシュを受けて赤旗中断。このときに、残り周回数を知りたくてX(旧Twitter)でみなさんに聞きました。教えていただいた方々ありがとうございました。

 超満員のグランドスタンド。赤旗中断のときには、お客さんを飽きさせないようにノリのいい音楽をかけてましたね!

 そして再開しました。残り8周のレース。アロンソ選手が勝負かけるんじゃないかと、ワクワクしていたのは僕だけでしょうか?

 ローソン選手は、よく頑張ったと思います。慣れないマシンで、あの難しい路面のコンディションを生き抜いただけでも素晴らしいと思います。

 次戦のイタリアも乗れることが発表になりました。

 リカルド選手の復帰も楽しみですが、ローソン選手の活躍も見たいし、角田選手とのチーム内の戦いにも注目です。

 3位には、なんとガスリー選手! うれしそうでした!

 2位にはアロンソ選手。状況が難しくなると、俄然走りが際立ってました! 素晴らしいパフォーマンスですよ!

 マシンに速さが戻ってきたのかな! 今後に期待が持てますよ!

 9連勝というF1史上最多連続勝利数がベッテル選手と並びました! イタリアで10連勝という記録更新なるか!

 そして、レッドブルとホンダの13連勝と記録も更新中です!

 さすがであるというしかない、もうどこまでも勝ち続けてほしい!

 シャンペンシャワー!

 チラッと、足下のトロフィーの位置を確認して……から……

 アロンソ選手にかけに行きます。

 チームが違う3人の表彰台。素晴らしいレースでした。

 F2の岩佐選手。土曜日のレースは雨の影響で順位はつくんですけどノーポイント。

 抜きにくいサーキットで17番手からのレース1に臨むしかない状況だったのでレース2でも15位となりノーポイント。

 レース2、ランキング2位のベスティ選手のリアタイヤが2個とも外れてしまうという名門プレマチームとしては珍しい失態。ランキングの上位4名の獲得ポイントがなんと0ポイントというオランダラウンドとなりました。

 なので、岩佐選手のランキングも3位のまま。今年はイタリアとアブダビの2戦となりました。白熱のF2のチャンピオン争いであります。

 天候の振れ幅が大きく、レース結果にも影響がありました。こんなレースがあってもいいと思います。

 このザントフォールトサーキットは、写真が撮りがいもあるし、今回みたいな空の表情が大きく変わる3日間は非常に楽しかったです!

 次はパスタの国、イタリア。ヨーロッパラウンドの最終戦です。

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。