F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第66回:フェルスタッペンがついに10連勝!! F1史上最多連勝数の記録が更新されたイタリアGP

 イタリアGP。レース序盤のトップ争い。前を行くのは、ポールのサインツ選手。

 やっぱり、レースペースはレッドブルの方があるんだなって感じ。そして、フェルスタッペン選手が抜いてからは、どんどん離れていく。

 今回も勝ちましたし、1-2!

 10連勝というF1史上最多記録更新! やったね!

 いったいどんな気分なんだろう。世界最高の記録を自分が塗り替えている。チームもクルマも納得のいく仕事をしてくれて、自分もミスなくやり遂げる。

 イタリア、モンツァはフェラーリのためのグランプリ。スタンドはほぼ赤い、少しオレンジがある程度。

 先週のオランダからすっかり様変わり、不調だったフェラーリが好調。サインツ選手が見事ポールポジションを獲得。

 フェラーリは、ここモンツァで勝てるクルマを用意したわけだ。ティフォシの応援を一身に受けてプレッシャーを感じないわけがない。

 見事素晴らしい仕事をやり切って、3位表彰台獲得。

 ドラパレの時間。アレジさんとこの直前に立ち話、ジュリアーノ選手のことを聞いてみた。

 GT500で結果を出さなければいけない、トムスの館さんには本当に感謝している。などなど。

 そのアレジさんとルクレール選手が歩いていたので駆け寄ったら、2人が目線をくれて立ち止まってくれた。フェラーリの現エースと旧エース。

 ルクレール選手の一時の速さが最近見られないのが、少し気がかりではあります。サーキットでの人気は、圧倒的に16番のTシャツ、ルクレール選手のが方が多い。

 アルボン選手の速さ安定感どんどん増してないですか? クルマもいいんでしょうね。

 今回、レース7位! 予選6位! ランキングは21ポイント獲得していて13位!

 今回のアロンソ選手は9位。前回が2位。この高速サーキットには合わせられなかったアストンマーティン。

 もっと合わせられなかったのがアルピーヌ。ガスリー選手が15位、オコン選手リタイヤ。前回3位ガスリー選手ですからね。

 そう考えてみると、アルボン選手とウイリアムズってすごい!

 さて、角田選手。グリットで……。

 レースはスタートからパラボリカに行っていました。その撮影台の背後には大きなモニターがあって、止まっている角田選手の姿が映っていました。

 近くだったので、ダッシュして現場に向かいます。

 白煙を吹きながら止まった? ということは、われらがホンダPU?

 機械ですからね、どんなに精査しても壊れるときは壊れるものですけどね。チームのホームGPをスタートできないというのは悔しい……。

 近くのマーシャルポストに避難。

 背後からは、ユーキ、ユーキの大合唱!

 マシン回収にきたレッカー車に乗り込みます。

 大合唱は続いています。

 走れなくて、ごめん……ということ?

 そんなユーキに温かい雰囲気で声がけが続きます。これって、すごいことだと思います。

 ヘルメットを脱いで、手を振り続けるユーキ。

 過去日本人ドライバーの中で、リタイアした現場でこれだけ声をかけられ続けたドライバーが他にいたかな??

 ユーキというキャラクターがファンの間で確立しているんでしょうね。

 リアム・ローソン選手の2戦目。予選は角田選手に続いて12位。レース11位は立派!

 現代のF1は理解するまでに1~2年必要だという話もある中、大きなミスなく結果につなげているわけですから評価は上がりますよね。

 マルコさんがフェルスタッペン選手を見つめます。

 バスールさんがルクレール選手を見つめます。

 F1というビジネス、エンターテインメント、スポーツという複雑でお金のかかることを円滑に結果を出し続けるのは至難の業。

 トップマネージメントの采配で結果が大きく変わってきます。

 ジャンカルロ・ミナルディーさん。アルファタウリの原型を作った人、多くの日本人ドライバーもミナルディさんにお世話になりました。

 今回、PUの記者会見はフェラーリでした。シルバーストーンでメルセデスだったから、鈴鹿でホンダPUかな?

 木曜日のパドックで、レーシングスーツを着た角田選手が歩いてきました……撮影だったんですね。

 でも、ファンはユーキと写真を撮りたいとなるわけです。右から2番目の人がチームの人。

 ダメダメ、今撮影してるから!(チームの人)

 あら……(ファン)

 え(ユーキ)

 困るなあ(チームの人)

 ダメなの(ファン)

 いいんじゃないの(ユーキ)

 むむ……(チームの人)

 なんだあ(ファン)

 いいよ撮ろうよ(ユーキ)

 ……(チームの人)

 いいの!?(ファン)

 ちょっとだけだから(ユーキ)

 な……(チームの人)

 嬉しい(ファン)

 撮ろう(ユーキ)

 ……(チームの人)

 www(ファン)

 はい(ユーキ)

 たく……(チームの人)

 ありがとう!(ファン)

 ニコ(ユーキ)

 おはようございます!

 って感じでした。

 こういう優しさが、多くのファン獲得につながっているんですよね。チームが出すSNSなどでも、それが伝わるわけです。いいことですよね!

 F2岩佐選手。スパフランコルシャンのレース2から0ポイントが3個続いてモンツァに来たわけです。ここで、どうしてもなんとしても流れを変えていかなきゃ! って大事なイタリアです。

 その予選でまさかの15位……予選のスピードが課題というけれど……1アタック目は単純に遅かった。2アタックめは渋滞。

 それで15位……。

 土曜のレース1は序盤にエンジンから変な音がするなと思ったら次は来なかった……。後で聞いたら、排気管が割れて熱でエンジンの配線が切れてセイフティーモードに入っておしまい……。なんというこっちゃ……。

 どうしましょって状況にしか思えない僕がいけないんですけど……ここに来て、そんなことあるんかい! って感じでしょ。

 なんとかレース2頑張ります! とはいうものの15番手スタートだしね……って思ってたのよ!

 何度もセーフティーカーが出るたびに上がって、抜いていくではありませんか!

 5番がプルシェール選手で、2番手を走行しています。ビッタシついてこのあと1コーナーで抜いた!

 次の周戻ってきたら離してきた!

 パルクフェルメで、むっちゃ嬉しそう!

 今までで、一番嬉しそうな岩佐選手! だって13ポジションアップ! 抜くのも上手だし!

 いい仕事した後は、いい表情だ! 右はランキングトップのプルシェール選手。

 ここモンツァでは、角田選手のF3の初優勝、F2牧野選手の優勝、そして今回の岩佐選手の怒涛の追い上げ! いろいろとありました。

 いやこの2位は、僕もむっちゃ嬉しかった!

 どうだ、速いだろ!

 って世界中にアピールできたと思います!

 あとは2か月後! 最終戦アブダビまでに予選をうまくまとめる方法を見つけ出していいレースをしてほしい! どこかで、F1も乗せてほしいなあ!

 陸上の金メダリストらしい。

 ピカピカ!

 フェラーリは私の赤旗! とにかく、好きってことだね。

 なんでも、ござれだ!

 という、ヨーロッパラウンド最終戦が終了いたしました! フェルスタッペン選手とレッドブルホンダの連勝街道はまだまだ続きます!

 シンガポールでは、多くの日本からのお客さんもいるのかな? 現地で見かけたら、声かけてくださいね!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。