F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第89回:今年のモナコはルクレール選手のためのグランプリ。モナコ人初優勝おめでとうございます!

 モナコGP。モナコ人が初めてF1で優勝!

 うれしそうなルクレール選手を見ていると、こちらまで幸せな気持ちになります!

 抜けない、どうやっても抜けないモナコを制するには、ポール獲得が何よりもの武器。赤、黄色の隊列が美しい。

 カジノ前を下っていく。

 今年もたくさんのお客さんでした。天気もよかったし、少し暑いくらいでしたけど、日本のようにじめっとしてないから過ごしやすい3日間。

 表彰台。

 前半戦、サインツ選手の好調でどうしたんだルクレールという声がたくさんありました。でも、そんな声は一度勝ってしまえば、え? そんなこと言ってたっけ? ってなる世界です。

 完璧な週末をやってのけたルクレール選手の強さと速さを存分に見せてもらいました。

 アルベール2世国王。ルクレール選手の優勝に、自らシャンパンを振る。

 こんなことは初めてじゃないかな。うれしかったんでしょうね。

 パルクフェルメのショット。

 フェラーリが速くなれば、F1が盛り上がるというのは昔から言われていること。

 フェルスタッペン選手は予選6位、レースも6位……。

 今年のクルマは、昨年までとは違ってオールマイティーに速いわけじゃない。まあ、F1全体にとってみれば、その方がいいしワクワクはありますよね。

 ペレス選手の予選もレースも厳しい内容なのが心配。

 好調、角田選手。来季以降の去就があれこれと言われていますが、本人ももちろん気になるところ。

 予選8位、レースも8位。

 レースはアルボン選手が真後ろにいることが多かったけど、そのプレッシャーに負けることなく自分のレースを完遂できました。4ポイント加算!

 予選のQ3最後のアタックラップ。ポルティエ手前の立ち上がり。

 ギリギリ! かっこいい!

 この調子をキープできれば、来季も心配ないようにも思うけれど、この世界、絶対安心などないですからね。

 でも、今回の結果もいいアピールになったことは間違いない。

 マクラーレンのゲストで久しぶりのブルーノ・セナさん。もうね。前からそうだけど、目元がそっくり。

 オレンジから、ブラジル色になったマクラーレン。イモラと同様にモナコでも30年セナさんリバリーですね。

 最初、写真で見たときには、なんだかパッとしないな~って思ったんだけど、実際に走ってくると黄色がいい感じ。

 でもね、やっぱりいろいろ無理なんだろうけれど、色だけだったらマルボロカラーを見たかったな。

 好調のマクラーレン。

 マシンの進歩もすごい勢いを感じるし、2人のドライバーの強さは素晴らしい。

 パドックからガレージに向かう渡り廊下にあるセナ選手に向けたドライバーのコメント。代表して、フェルスタッペン選手と角田選手。

 ハース。

 予選後に新型リアウイングの違反が見つかり失格。レースは最後尾スタートとなりました。

 小松さんのこれまでの采配がよくて上り調子だったところへ失格ということになりました。

 レーススタートしてすぐに2台ともクラッシュリタイア。残念な結果になってしまったモナコ。

 カナダから頑張ってもらいましょう。

 プレスルームに戻ってスタートのリプレイを見ましたけど、僕はマグヌッセン選手とペレス選手の接触はどっちもどっちな気がしました。

 マグヌッセン選手含め、スタートこそ最初で最後の追い抜きのチャンスというのがモナコですから、隙あらば行かねばならんという心理。

 ペレス選手にしても、バックミラーを見ていたのか? とも思うし……。まあ、レーシングインシデントということになったということですからね。

 カウンターステアってのは、絵的にはかっこいい!

 F1って美しい!

 ヨスさんとジャッキーさん。一体なんのお話でしょう?

 F2、宮田選手。

 予選のときにトンネルからゆるゆると出てきました。ガラガラ……ガシャガシャ……ギヤが入らないような音。

 予選は最下位。2レースとも最下位からのスタート。

 全く噛み合わないレースが今回も続いてしまいました。

 ちょっとの差が、大きな差になって見えてしまうのがこの世界。次戦はスペイン。

 モナコ、美しい景色。華やかな雰囲気はF1にぴったり。

 写真を撮るには最高に楽しい。でもレースは単調。

 抜けないのはレースじゃないという意見もごもっともかもしれませんが、モータースポーツのイメージシンボルとしてモナコの歴史は輝いて存在します。

 年間24戦もあるんだったら3戦くらいモナコでやってほしい!

 次戦カナダはお休みいたします。理由は、取材経費の高騰にまいった……ってことです。TV観戦いたします!

 スペインから復帰いたします。

 ではまた!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。