F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第94回:夏休み明けのレース再開。マクラーレンのノリス選手がフェルスタッペン選手の地元オランダGPで優勝!!

 ランド・ノリス選手の優勝!

 ポールポジションからスタート。圧巻のスピードでした。2位のフェルスタッペン選手に約23秒差。

 嬉しさ爆発って感じじゃなかったのがちょっと気になったけど、速さと強さを見せてくれました。

 今年もたくさんのお客さんであふれ返ったザントフォールト・サーキット。

 フェルスタッペン選手の圧倒的人気サーキット。ノリス選手が勝ったんですけど、ブーイングなど僕には全く聞こえませんでした。

 フェルスタッペン選手は、オランダGP3連勝していたわけです。

 抜群のスタートを決めてトップを走っていたんですが、さっくりとホームストレートで抜かれてしまいました。マクラーレン+ノリス選手のうまさが光ってましたね。

 レッドブルの一強時代は終わった2024シーズン。

 フェルスタッペン選手にしてみれば、当然地元4連勝を狙っていたわけですからフラストレーションを感じていたと思います。

 グリッド上で、ホンダの吉野さんと湊谷さん。どんなことを話しているんでしょう。

 オランダが終わった時点でドライバーズチャンピオンシップポイントが2位のノリス選手と70ポイント差があります。

 コンストラクターズはマクラーレンと30ポイント。この差をどうみるか。

 ドライバーズポイントは、フェルスタッペン選手が頑張るのでまだいいとしても、コンストラクターズポイントは、黄色信号かも……。

 外から見ているわれわれにとっては面白くなってきましたね!

 パドックとホスピタリティーが別の場所にあるので、ドライバーや関係者は歩いたり、カートに乗ったりして移動します。

 やっぱり、フェルスタッペン選手くらいになると、歩くとなるとその道中サイン攻めに合うのでカート移動です。その移動中にペレス選手と話しているんですけど、どういう内容なのか。

 ペレス選手は予選5位レース6位。今年のマシンは難しいんでしょうね。ペレス選手以外の候補は何人もいるけれど、多分誰が乗っても難しいんじゃないかと思います。

 そういう判断をレッドブル上層部がしているんじゃないかと思います。

 RB。順調ではありませんでしたね。

 角田選手17位。リカルド選手12位。ノーポイント。

 終盤、サージェント選手の直後で停滞してしまった角田選手。2ストップ作戦が失敗。

 作戦がハマるときも外すときもある。それがチーム力とも言える。

 あとになってみれば、なんであのときその判断をするの? というのは簡単だけど、そのときに総合的に適切な判断ができる人は多くないというのがF1を見ていると分かりますね。

 だってストラテジーを組み立てる専門のスタッフってそのために勉強して雇われてそこにいる優秀な人たち。でも間違えちゃうほど複雑な判断をしなければならないということ。

 だから、F1って面白い。人間がやるから成功も失敗もあるわけじゃないですか。ドライバーも失敗するし、メカニックだってエンジニアだってそう。

 失敗しないで完結するようなスポーツって絶対につまらない。

 レース後に角田選手がマシンから降りてヘッドレストを投げ捨てるような動画がありましたよね。そういう気持ちの表れが見れるから、外から見ているわれわれも角田選手の気持ちが読み取れるからいいわけです。

 フェルスタッペン選手の、ピットアウトの追い抜きも、お前らちんたら走ってるんじゃね~! って気持ちが読み取れるから面白い。

 悔しかったり、情けなかったり、腹が立ったり、興奮したり、嬉しかったり。そういう感情って、真剣に取り組んでいるから表に出るわけですからね。

 いい加減にやっていたら、どうでもいいやって気持ちしか出てきませんから。

 角田選手ファンにどうぞ。

 本当に2ストップでいいの? という会話じゃないと思いますけどね。

 ガスリー選手はいい仕事しました。9位、2ポイント獲得。

 ハミルトン選手はさすがって感じのレース。13位グリッドから、8位で4ポイント獲得。

 FP1でザウバーのボッタス車に乗ったシュワルツマン選手。緊張してましたね。

 ドラパレは、ディズニーランド風。

 サーキットとメディアの駐車場が徒歩で30分ぐらい離れているので、バスで移動します。

 古いサーキットなのでいろいろ不便だけど、写真を撮るにはすごく撮りがいのあるサーキット、大好き。

 チャーハンであります。

 メディアセンターで朝、昼、晩御飯を出してくれるんですけど、おいしくないんですね。

 それで、土曜日の夜に尾張さんがサーキットからの帰り道に中華のテイクアウトに行くのでチャーハン買ってきてもらいました。

 超大盛りなんですけど、18ユーロ。2900円でっせ!

 なんで? 日本なら550円って感じなんですけどね。まいるな……。

 なので、高いのは分かっていたので、大量のレトルトカレーとご飯、カップ麺を持ってきてはいます。おいしくて助かってます。

 今回のレンタカー。フォルクスワーゲン、ポロ。ガソリン1.2リッター。5速MT。

 やっぱり、ポロはいいクルマ。1.0リッターじゃなくてこの1.2リッターの方が断然いい。乗り心地も、何もかもいいわ!

 今回は、日本から遠征してきてるお客さんのツイートが何件もあって探してました。

 オレンジの中に青いRBの4人組を発見。アイコンタクトしてたら気付いてくれて、日の丸出してもらいました!

 寒かったり、豪雨だったり大変でしたけど、楽しめたかな?

 来週はイタリア、伝統のモンツァ!

 火曜日に移動します! 食べ過ぎに注意しなきゃね!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。