F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第105回:大盛り上がりの鈴鹿、レッドブル&ホンダ最後の日本GPはフェルスタッペン選手が優勝! 角田選手は今後に期待!!

 日本GP、日曜日は曇り空の下でレースがスタートしました。

 お客さんは、3日間で26万6000人という大入りでした。これは角田選手が、急遽レッドブルチームに昇格しての参戦となったので、よ~しじゃあ行ってみよう! って人がいたことが大きかったように思えます。

 ぜひ、来年以降も鈴鹿にお越しくださいね!

 レースはフェルスタッペン選手のポール to フィニッシュでした。素晴らしい、本当にフェルスタッペン選手のすごさ極まる感じでした。予選のポールの走りも圧巻!

 レース後にホンダの吉野さんと話していて、マシンのスピードをカバーしてレースを戦う様子は、まるでセナ選手を想起させるんです、ということでした。

 レースペースのコントロール、タイヤマネージメントなど全てにおいて完璧な週末でした。

 確かにレース内容は変化が少なくて、劇的な追い抜きなどはあまりなかったかもしれませんが、ピリピリした緊張感はずっと感じるレースだったように思えます。

 皆さんはいかがでしたか?

 レッドブルとホンダという組み合わせは、今年最後……そのレースで優勝という素晴らしさ!

 皆さんうれしそうであります!

 3日間、白艶レッドブルを撮影してみて、ここだけで終わらすのはもったいないほどの美しいカラーリングです。

 もっと、いろいろな光の下で撮影したいと思いました!

 角田選手、予選が15位でした。鈴鹿サーキットでドライレースになってしまうと厳しい順位です。

 レースは12位でした。

 今年のレッドブルは、タイヤの温度を適正に持っていくウインドウが極端に狭いんだそうです。

 ローソン選手の苦戦と今回の角田選手の予選を見ると、本当に大変そうです。

 フェルスタッペン選手のずばぬけたセンスだけが対応できるのか? そうではないのか? 今後の角田選手のレースを見てみましょう!

 少し時間はかかるかもしれませんが、大丈夫だと信じています。期待しましょう!

 今年も桜は満開でF1を迎えてくれました。S字の上にある桜が唯一マシンと絡められる場所です。

 通年であれば桜が終わっていてもおかしくない時期に、2年連続で撮れたことに感謝です!

 ハースのベアマン選手が予選&レースで10位、1ポイント獲得。

 レース後に小松さんに話を聞きました。

「金曜日の段階では勝てるのはザウバーだけしかないのかと思っているような状況から、セッションを進めていくときに最適なセットアップを見つけ出して鈴鹿で1ポイント取れたことがとにかくとてもうれしいし、ほっとしています。ベアマン選手のマシンセットアップに対するフィールドバックと感覚が素晴らしく、例えばタイムを出してなくてもマシンのことが分かるんですよね。チームとのコミュニケーションも完璧だし、彼の働きが今回の1ポイント獲得の原動力となりました、1ポイントを取るというのは簡単に思えるかもしれませんがものすごく難しいと思います。今回のオコン選手のパフォーマンス不足に関してはデータを調べてみないと分かりません」。

 鈴鹿に来ているハースファンに関しては「あんなにたくさんチームウエアやキャップを着てきてくれる人がたくさんいて、本当に感激しています、うちのようなマイナーなチームで歴史もないチームなのに、あんなにたくさん見るのはほかのサーキットではありえないですからね、だからこそ、結果を出したかったのでポイント取れてよかったです」。

 素晴らしい結果でよかった!

 水曜日の午前中、小松さんとクライミングに行ってきました。

 その生き生きとした顔を見ているとリフレッシュの必要性を感じました……。

 僕の場合は、全くできていないまま旅から旅を繰り返していますからね。

 山に行き、小鳥のさえずりを聞き、小川からのせせらぎを感じ、ただそれだけの空気の中に身を置くだけで気持ちよかった。

 小松さんのような大変さは想像するしかないけれど、リフレッシュのタイミングを持つことで自分のパフォーマンスを保てるんですよね。

 勉強になります!

 日本GP、皆さんいかがだったでしょう?

 レース展開や角田選手の成績、どのように感じられたんでしょう。

 レースは道具を使って順位を争うスポーツ。その道具であるマシンの繊細さは理解をしようとするととても難しい。レースのレギュレーションもそうです。そのほんの少しの差が、結果に大きく作用します。

 伝える側の私たちが、このスポーツの楽しさをうまく表現しなければいけないと思います。

 今回は新幹線と近鉄、白子駅でレンタカー。日産のデイズは三菱自動車との合弁会社が企画・開発したモデル。

 気になったのは、アイドリングストップからの復帰のときのショックが大きいので、停止寸前とかのときとかだと、おいおいというほどタイムラグを感じたりする。

 改善するの難しいんでしょうか? 乗り心地ももっとよくできるはずだと思いますし……。

 今年は、コースサイドの芝生が燃えるという珍事が何度もありました。

 これは、気温が低い日が続いて芝生が青くなっていなくて枯れた部分が多かったから起こったということです。

 もし、もっと暖かくなっていて青々とした芝になっていれば燃えなかったということ? でもそうなっていたら、桜は散っていた……。

 どっちがいいんだ??

 今回もたくさんの方々から声がけいただきました! ありがとうございます!

 移動の途中などで撮影できなかった方、僕が気付けなかった方などすみません……。また次回にお願いいたします。

 では順不同で掲載いたします!

 さて、次はバーレーン、水曜日出発ですよ……。3連戦はきつい……。

 ではまた!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。