F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」
第110回:スペインGPにおける角田選手とフェルスタッペン選手の現状
2025年6月4日 20:38
スペインGP。角田選手のレーススタートはピットレーンスタートでした。予想もしていなかった予選20位という件にびっくりしました。セットアップの変更をすることを選択し、ピットスタートとなったのが上の写真です。結果は13位。ポイント獲得ならず。
レース後のコメントであるように、マシンのセットアップ変更の効果は認められなかったということを考えると、角田選手の状況は厳しい状況に置かれているのは間違いなさそうです。
ドラパレ前の様子。いつもならドライバーたちの会話の中に入っているんだけれど、アロンソ選手と少し話した後は、女子広報さんたちと少し会話していました。うまくいかない理由は、本人も本当のことをすべて外部に話すわけにもいかないし、チーム側も全部起きていることをメディアに話すこともないわけです。
ですから想像するしかないのですけれど、おそらく角田選手自身、ゴーカートレースから今まででやってきたレース活動の中で一番うまくいってない状況ではないでしょうか? 勝てるチームに所属して、勝てるマシンのシートを得て、そのチームメイトのスピードを間近で感じて7戦目。
今回の予選、最下位の20位、フェルスタッペン選手は3位。その差は同じマシンに乗っていてマシンの不具合でなければ本来あり得ないこと。ローソン選手の中国での最下位と同じ順位。
エースのフェルスタッペン選手とフロアボディが違うという大きな差が、このタイム差を生んでいるとしか理解できないわけです。新しいフロントウイングなどの現状空力パーツと旧バージョンのフロアパネルとの相性がすさまじくわるいのか? おそらく、ローソン選手の場合も同じようなことではないのでしょうか?
そんなに扱いにくいマシンなんですかね? これまで名だたるレッドブルドライバーたちが乗ってきたレッドブルのセカンドシート……。分かりませんよね、われわれには想像することもできないようなことなんでしょう。
話は少し飛びますが、2輪と4輪のレースにおける絶対的なスピード差は、より2輪の方が選手のパフォーマンスによるところが大きいというのが定説です。オートバイの最高峰カテゴリーのMotoGPでマルク・マルケス選手というチャンピオンがいます。圧倒的な才能の持ち主で、ホンダワークスの中心選手で6度のワールドチャンピオンを獲得しています。
彼中心のホンダワークスチームになり、マシン開発もマルケス選手の言うとおり作ってきたので、そのほかのホンダのマシンに乗る選手が扱いにくいマシンになっていきました。そう繰り返しているうちに、ホンダ自身もマシン開発の方向性が分からなくなってしまって、マルケス選手でも速く走れないようなマシンになってしまい、ドゥカティに移籍という状況になり、移籍して2年目の今年、ワークスドゥカティに乗ってランキングトップを走っています。
F1レッドブルのマシンに乗るフェルスタッペン選手と、少し前のホンダMotoGPマシンに乗るマルケス選手が同じような状況であるならば、フェルスタッペン選手のチームメイトで成績を出すというのは、果てしなく難しいことなのかもしれません。
とすると、ペレス選手ってよくやってたよね? ってことになります。でも、ペレス選手のことを評価していた人っていませんでしたよね? なんでこんなことになるのか? 誰も完璧な説明をできないし、おそらくやっている選手本人も言葉として説明できないのではないでしょうか。
でも、こんなことが分からないスピードの領域が存在するということが尊く感じるし、尊敬に値するし憧れもする。モータースポーツを楽しむ1つの方法ではないでしょうか?
そんなフェルスタッペン選手、レース終盤の3度目のタイヤ交換でハードの新品で3位でコース復帰して、次々にソフトタイヤを履いていたライバルたちに抜かれまくり5位でチェッカー。しかし、ラッセル選手とコーナリング時に接触してしまってペナルティで10位となってしまいました。
ハードタイヤでレースしなければならなかったことにキレてしまって、故意の接触をすることになってしまいました。レース中、ドライバーの精神状況は普通ではないとこれまでも何度も書いてきましたけれど、今回も同じ。結果的に、ダメなことをしてしまったしペナルティポイントもいただいてしまったし、絶対的にフェルスタッペン選手に非があるのは明確なのですけれど、レースって「なんだこのやろう!」って気持ちがなければ走れないでしょう? と僕は思うのです。
「なんで、ハードを履いたんだよこのやろう! ムカムカするじゃね~か! え! なんでラッセルを先にやらせるんだよ! このやろう! ちくしょうめ! ドカッ……」
全部の選手が聞き分けのいい、いい子のレースを見せられてしまってはスーパーすばらしいレース展開になりようがないと思うのです。ですから、僕はフェルスタッペン選手や角田選手のようなある意味人間っぽいアクションをしてくれるドライバーが好きです。
前述のマルケス選手もそんな感じのレース展開をしてくれる選手です。
アロンソ選手、スペインのスーパーヒーローであります。なんと、今季初ポイント獲得9位で2ポイント。今年のクルマのパフォーマンス不足&不運。やっとのことでポイントを取れた、よかったです!
今回一番すばらしいレースをしたのが、ヒュルケンベルグ選手の5位! ではないでしょうか! ザウバーですよ! さすがベテラン、16ポイント獲得していてランキング11位に。
勝ったのはピアストリ選手。2位はノリス選手。マクラーレン別次元の速さ再び!
3位にはルクレール選手。何をしていても絵になるのです。
予選でルクレール選手に勝ててうれしいハミルトン選手、でもレースでは6位。
RB、アジャー選手7位6ポイント獲得です。まあ、ほんとすばらしい速さと安定感。
もう少し、ローソン選手の速さが戻ってくるとRBはすごいことになりそうですよね。
ハース、オコン選手は16位、ベアマン選手が17位で無得点。ランキングも下がってしまって7位。
FP1に平川選手登場。今年はハースで4回FP1を担当します、今回2回目。
ハースのガレージの中は、女性の比率が高くなってきています。
新しくなったフロントウイングとノーズ。走る前に、エア抜きなのかなんなのか? 何がノーズの中にあるんですか?
F2宮田選手、スプリントレース13位、フューチャーレース9位、2ポイント獲得。どちらのレースもスタート後の追い上げはすばらしい内容でした。全14戦で戦うF2の6戦目が終わって、5ポイントしか獲得できていません。チームメイトのマルティン選手は41ポイント獲得しています。さまざまな要因があるのだと思います、しかし結果は求められます。レッドブルリンクから巻き返しに期待です!
スペインに来場していたホンダの広報の方々。来季に向けて準備ですかね。カツカレーは復活なんでしょうか??
パドッククラブのチケットを買うとコース脇に行けるツアーがあるんですね。パドッククラブのチケットを買うと、ガレージにも入れるんですね? 楽しそうな笑顔ありがとうございます!
なんと、クワルタラロ選手じゃあありませんか!
角田選手応援の旗をちらほら見ました!
連日30℃超えの毎日でした。冷え冷えの水をマーシャルさんからいただきました! グラシアス!
木曜日に右側の遠藤さんに誘っていただき、オートバイの世界選手権に参戦中のホンダチームアジアのトレーニングを見せていただきました。左側はMoto3に参戦中の古里太陽選手、現在ランキング5位! 来季はMoto2かな!
青山監督と古里選手。
この日は、ダートトラックを利用して走り込み。
この場所はF1を開催しているサーキットのすぐ横にあります。もともとケニー・ロバーツさんが作った施設だそうです。チームアジアのライダー3人と青山監督4人で練習していました。黒いレーシングスーツの選手は國井勇輝選手、Moto2に参戦中です。以前には角田選手と一緒にサイパンにトレーニングに行ったそうです。その時の角田選手の印象は負けず嫌いだそうです。
青山監督は、元GP250ccクラスの世界チャンピオンです、今回も一生懸命トレーニングしていました。
ダートラ場のすぐ横にあるレストランで一緒にご飯をいただき、ごちそうになってしまいました! ハンバーガーおいしかったです!
チームアジア、期待しています! 皆さんもぜひ、オートバイのレースも見てみてくださいね! レース内容は、F1よりおもしろいことが多いですよ!
今回、日本からペヤングを持ってきてくださいました! 日曜日のレース後にメディアセンターでいただきました! 本当においしい、ペヤング最高です! ごちそうさまでした!
今回、ニースからバルセロナまで飛行機で飛びました。使った航空会社はブエリング。スペインのLCCです。
ニース発が17時40分でした、普通に搭乗手続きをすませて乗ったんですが、待てど暮らせど出発しないんですね。結局飛んだのが20時……。理由が、一部のお客さまの荷物を搭載することができませんでした、いろいろとトライしてみたのですが載せられないままですが出発したいと思います……というアナウンス。
その荷物がおそらくこれです。なんで????
そしてバルセロナ着。月曜日の夜です。今回尾張さんと一緒で、尾張さんが預けたスーツケース2個が届きませんでした。結局、ホテルに届いたのが木曜日と金曜日に1個ずつ来たらしいです。なんということでしょう……。
僕のスーツケースは無事に来たのですが、撮影に使う一脚やジャケット、レインウエアとかが入っているので、もし届かなかったら非常に困るわけです。最近、ロストバゲージはなかったのでなんとなく普通に過ごしていましたけれど、旅をすることでトラブルは避けたいけれど、避けられないトラブルというのは回数を重ねればやってくる悪者のようなもの。LCCだからということもあるんでしょうね。困ったものです……。
今回のレンタカーは尾張さん担当。KNのNIROというクルマ。韓国のクルマです。デザインはいいですよね。運転はしていないのでよく分かりませんが、乗り心地はまあまあでした。
毎年使っているホテルの駐車場に置いてある600。きれいです。
日曜日のレースが終わって2時間睡眠でバルセロナ~ミュンヘン~羽田空港着が火曜日の朝。自宅に9時過ぎに着いてシャワーを浴びて、奥さんのうどんがおいしくておかわりして、ソファに横になって起きたら夜になってしまっていて……という感じでアップが遅くなってしまいました。すみません。
ということで、次はカナダGPです。