F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第124回:新レギュレーションの2026年シーズン開幕! オーストラリアGPはトピックが盛りだくさんすぎてタイトルに収まりきらないので、ぜひ本編を読んでください

 2026年シーズン開幕いたしました。

 マシンの大幅なレギュレーション変更でどうなるのか!? という話題沸騰でした。皆さんの予想は合っていましたか?

 実際に見てみると、外観はそんなに違わないように見えます。

 一番変わった感じがするのが、フロントウイング。翼端板が中に入ってます。前から見るとよくわかります。

 カラーリングで好きなのがキャデラック。左右で違うんだけど、こちら側が特に好き。シュッとしてていい感じ。

 でも、遅い。コーナリングで不安定な動きをあちこちで見ました。ドライバーは大変そうです。

 レッドブルがツヤありになった! 大変喜ばしいです! 青い部分には模様が入っているんですね。

 写真写りは圧倒的にツヤがあった方が好き。フェラーリもツヤありになりました。

 今年は11チーム22名のドライバー。

 ドライバーズパレードはMOKEで統一でした。

 先頭はキャデラックのペレス選手とボッタス選手の復帰組。

 ザウバーからアウディになってドライバーは去年のまま。でも、予想以上に速かった!

 アウディが新規参戦。ワークスチームとしての初戦。

 予選はボルトレート選手、ヒュルケンベルグ選手が10位と11位。レースでボルトレート選手が9位入賞で2点獲得。

 素晴らしいです! アウディ新規PUですからね! ドライバーは2人ともスピードありますし、要注目チームです。

 優勝は、ラッセル選手。今年はメルセデスが速そうです。

 さすがメルセデスという感じでしょうか。準備万端、PUも車体もいい感じ。

 3位にはルクレール選手、4位にハミルトン選手。フェラーリも昨年より期待ができそうです。

 ハミルトン選手のご機嫌が良さそうですけれど、ルクレール選手に何回勝てるのか僕は注目しています。

 小松さん率いるハース。テストからたくさん走り込んでいました。

 レースでベアマン選手がいい仕事をして、チームの作戦も完璧で、見事7位入賞、6ポイント獲得。

 写真はレース後に身振り手振りでレースの内容を話すベアマン選手。いい表情でした。オコン選手がもう少し頑張ってくれるとさらにいいんですけどね。

 今年のハースは、期待できると思います!

 チャンピオンチーム・マクラーレン。開幕戦だけを見ると、昨年までのスピードを感じられないような気もいたします。ピアストリ選手のレコノサンスラップでのクラッシュには、びっくりしました。

 レースではノリス選手が5位。

 今問題になっている、追い抜きについて。

 今までの常識ですと、前のマシンを追い抜くときにギリギリまでブレーキングを我慢したり、ラインをうまく取ったり、レースの醍醐味の多くの要素がこの追い抜きにあったわけです。それは、ドライバーの腕やマシンの状況を垣間見れる瞬間であったわけです。

 でも今回のレギュレーションで、前を行くマシンの電池切れで速度が落ちて、そのおかげで、なんの労力もなく前のマシンを抜くことができる状況があちこちに出現したわけです。

 走っているドライバーにとっては、全く面白くないじゃんか! という意見が噴出してます。

 見ている側からすると、パッシングシーンが増えて面白い、面白かったという意見が多数ありました。

 僕は、やっぱり現状のメルボルンのようなレースではいけないと思うんですね。フォーミュラEじゃないんですからね。

 F1というのは、究極のドライバーが究極のマシンを限界ギリギリで操って順位を決めていく最高峰のレースであるべきだと思います。

 僕はやっぱり電池を積む必要ないんじゃないかと思うんです。内燃機関だけにして、安いコストで究極のエコエンジンを作って、素晴らしい音とともにレースを楽しみましょうよ!マシンも軽くなるし、なにより見ている人の満足度は絶対そちら側が楽しい。

 世の中、電池ばかりがエコではないですよね。電池を作るコスト、鉱物資源の採掘と環境問題、使えなくなった電池の処理、重さ、ネガな部分の解決も進めなきゃいけませんが、それこそ開発やイメージもフォーミュラEに任せて、F1はエンジンでいきましょうよ……と僕は思うんですけどね。

 そうはならないんですよというのも、参戦する大きなメーカーの出る意味というのも、わかります。でも、エンターテインメントの本質からどんどんかけ離れていく電池を積んだF1の危うさを感じるわけです。

 皆さんはどう思います?

 さてさて、多くの人が気になっていると思うアストンマーティン。ホンダの第5期が始まりました。

 バーレーンテストでPUからの振動があり、その振動でバッテリを壊してしまうという問題が発生して、連続走行もままならぬという状況でした。

 そこから、どう改善しているのか注目が集まりました。

 FP1にピットレーンに行ってみると、アロンソ選手のまわりでホンダの人たちが集まってPCとマシンをつないで何やらただならぬ雰囲気でした。

 今年から湊谷さんが現場復帰して、折原さんと一緒に現場で戦います。

 しばらくすると、ストロールお父さんも「むむう……」という硬い表情で説明を聞いていました……。

 これは、外から眺めていてもトラブルな感じ。でも、まだ1周も走ってないんですけどね。

 FP1が始まる15分くらい前に、アロンソ選手がレーシングスーツではない姿で現れました。マシンのまわりを見てまわっています。

 シートもチェック。これは大丈夫でしょう。

 メカニックさんと談笑することもありましたが……。

 すぐに厳しい表情に……。

 しつこく撮っている僕対策? 恐れ入ります。

見つめる先はホンダのエンジニアさんかな。

 走行時間少し前にレーシングスーツに着替えました。

 走れるのかな? と思いましたが、エンジニアの人からダメだと告げられて、ひと言叫んで裏に消えていきました。

 結局、アロンソ選手は走れず、ストロール選手が3周したのみ。これは、本当に厳しいと誰が見ても感じる状況です。

 どうしたんだろ? と思いますよね。

 FP3はアロンソ選手だけ20周走れました。予選もアロンソ選手だけ出て17位。

 レースはアロンソ選手とストロール選手も走りましたが、小さなトラブルやチェックのためのピットインを繰り返すような感じ。マシンのデータ取りのための走行という感じでした。

 電池の在庫が残り2個だけという状況もそうですし、小さなさまざまなトラブルがあるようです。

 HRC社長の渡辺さんは、現状を素直に語ってくれました。

 振動の問題は車体に付けて走行したバーレーンテストで発覚して、その振動を抑える試みをメルボルンで試した結果、改善はしているとのこと。

 じゃあ、なぜ振動が大きくなったのかという疑問です。

 エンジンというのは動けば振動が多かれ少なかれありますよね。それが車体に取り付けたとき、想定外に大きくなってしまって、その振動で電池を壊してしまうことにつながったわけです。ドライバーの負担にもなります。車体のあちこちにも影響があるほどの震え方なんでしょう。

 ホンダという伝統ある大きな会社であり、レーシングエンジンをたくさん世の中に出してきているし、最近でもチャンピオンPUを作っている会社がなぜこんなことになってしまうのか?

 開発の時間が少なかったことと、バジェットキャップによる制限によってこうなってしまったんだと思います。第4期を撤退という道を選んで、F1PUの開発を0にしてしまったことがその原因です。

 だからやめるなと言ってるじゃないか! と外野が言うのは簡単ですが、そのときの八郷社長の立場になればそうせざるを得ない社内の状況だったんでしょう。

 それをとやかく言っても仕方ないです。ともかく、2年間の空白が生まれてしまったのです。その2年間にメルセデス、フェラーリ、アウディは時間もお金もふんだんにかけて今年デビューのPUを開発していたわけです。

 ストロールさんからの申し出で、じゃあやるかと再参戦を決断してから、社内の人材を集めお金の制限をかけられた状況で必死に開発したのがメルボルンにやってきたPUです。ですから、こうなってしまっても致し方ないということです。

 たまたま時間もかけず、お金もかけず素晴らしいPUができあがるというミラクルなどないということなんでしょう。

 今一番悔しい気持ちでいるのは、F1プロジェクトに関わっているHRCの方々だと思います。

 ここからはいあがっていくさまを根気よく、温かい気持ちで見ていきたいと思います。

 土曜日の夜10時ごろ、折原さんと湊谷さんとホンダメンバーが、ホテルに帰るところにばったり。手にはお弁当でしょうか?

 とにかく、この難局を打破するために頑張っているんです。まあ、みんなどのチームも頑張っているんですけど。

 鈴鹿で見かけたら、応援してあげてくださいね!

 フェルスタッペン選手、予選Q1の1コーナーでマシントラブルでクラッシュ。決勝は20位から6位というさすがのレースをしました。

 レッドブルのマシンも悪くはなさそうですし、今期も何勝かしてくれると期待しています。

 今年のマシンは好きではないという発言などはっきりしている物言い、僕は大好き!

 リンドブラッド選手、予選9位、レース8位、初レースで素晴らしいリザルトでした。

 アジャー選手、予選3位! もう素晴らしいとしか言えない感じ。

 角田選手、リザーブになっての初戦。どんな気持ちでサーキットにいたんでしょうね。

 もちろんレースドライバー復帰が目標です。でもこのポジションにいることも大事なことですし、勉強できることはあるはずです。

 やっぱり、トラブルで止まってしまうマシンが多く見られました。

 アンドレッティさん、キャデラックのアンバサダー。

 F2参戦継続の宮田選手。スプリントレース5位、フューチャーレース5位、ランキング4位!

 今年こそ、結果を出さねばなりません! 追い上げるレースができたことが良かった!

 F3参戦の加藤泰斗選手、ホンダ育成ドライバーです。予選7位、スプリントレース5位、フューチャーレース3位!

 少しだけ話せたんですけど、ハキハキ好青年。

 フューチャーレースは5位でチェッカーを受けて、前の2台がペナルティで3位表彰台を獲得。持っているなあって感じ。

 F3には日本人ドライバーがほかに3人出ています。山越陽悠選手、中村仁選手、りー海夏澄選手。

 また紹介していこうと思います。

 今回声をかけてくれたのは、このお兄さんたちだけでした! 嬉しい……。

 オーストラリア、メルボルン。日本との時差もないし安全ですからおすすめの観戦しやすい国です。

 今回は徒歩でサーキットまで通勤。空港からホテルまではウーバー。

 行きはテスラ、帰りはBYD。どちらも電気のクルマ。ですから、今問題の振動がありません。音もしません、加速もスムーズな感じ。BYDの運転手さんは満充電で530km走ると教えてくれました。

 乗り心地はちょっと乗る分にはいいんだけど、大きな段差とかだと車重があるためなのかガツンと来るショックが不快になるような足でした。

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。