F1カメラマン熱田護の「気合いで撮る!」

第134回:ハンガリーGPはマクラーレンのノリス選手が優勝! そして気になるアストンマーティンは大幅アップデートでどう変わった?

 ハンガリーGP。優勝はマクラーレンのノリス選手でしたが、多くの方の興味は、最下位を定位置としていたアストンマーティンの大幅なアップデートに興味があったのではないでしょうか?

 木曜日からアストンマーティンのメカニックさんたちは新車と言っても誰も文句を言わないくらいの車体を組み立てる作業を続けていました。

 確かに、どこを見ても新しくなっていました。

 予算があるビックチームのマシンがチャンピオンと共に最下位を走り続けていたという事実は、僕がF1に通いはじめた1991年から一度も見たことがありません。多分F1史上初めてのことではないでしょうか?

 お金が無くてはF1で戦えませんが、あっても間違った舵取りをしてしまうと最下位に転落してしまうのだということを教えてもらいました。

 この様子はFP2のアストンマーティンガレージ。手前のマシンはストロール選手のマシンで、FP1走行時にリアサスペンションの破損でスピン。その修復でFP2の走行はキャンセル。部品をイギリスのファクトリーから空輸するという慌ただしさ。

 なんと申しますか、F1ぽい話ですよね。いいですよね。

 なんで息子のマシンはバラバラなんだい?という説明を受けているお父さん。

 チームオーナーとして、さまざまな想いがありますよね。正しい方向に向かわねばなりません。

 モナコに引き続き久しぶりの現場のニューウェイさん。まあ、プレッシャーがあったのでしょう。もう失敗は出来ませんし。

 散々な根も歯もない噂が流れました。ダメだったときに後ろ指を刺すようなネット記事がたくさん流れましたよね。そのような記事はクリックが稼げるし、乗っかる人もたくさんいるから、書いて流すような輩がいるんですよね。

 関係者によればニューウェイさんの求心力はチーム内で何も変わらないですということでした。

 予選は16位。まだ走り始めたばかりで、この上げ幅はアップデート成功です。

 本来いるべきグリッドはもっと前の方であるのは確かですが、上に行けるという事実がチーム内やファンの気持ちを温かいものにしたのは間違いない!

 そしてアロンソ選手の笑顔とか機嫌がいい顔が見れることも素晴らしい。

 ホンダさん。アップデートが入るのは次戦のオランダから。ハンガリー後の水曜日に最新版のPUのテストを兼ねたフィルミングデー(マシンの初期チェックを行なうための特別走行日)があるそうです。

 車体はよくなった。ではPUであとどれくらい速くなるのか。世の中のF1に興味ある人は皆そう思ってますよね。

 月曜日のブダペストの空港でたまたまホンダのメカニックさんと会って少し話を聞けました。

 チーム内の雰囲気は上々。いよいよ、ホンダの力が試される時期になり、しっかり仕事をしますということでした。ドライバーからのフィールイドバックが、文句からセティングになってきたということでした。

 アストンマーティンの開幕戦がハンガリーだったという感じでしょうか。

 とにかく、明るい状況に変化したというのは朗報以外の何物でもありません! 全チームが、休みことなく開発を続けている世界です。ホンダPUがアップデートしていきなり150馬力アップなどというわけにはいかないわけです。

 主に燃焼室の変更によって性能向上を図っているオランダGPで投入のPU。また強いホンダの復活となりますように!

 優勝はマクラーレンのノリス選手。ポールポジションからチームメイトのピアストリ選手と首位争いをして勝ち取りました。

 今期初優勝。マクラーレンマシンがこのサーキットと相性が良かったということでしょうか。勝者が変わるということはいいことです。

 2位にはフェルスタッペン選手。さすがです!

 3位にはポイントリーダーのアントネッリ選手。暑さのせいなのかパルクフェルメではヘロヘロになってましたけど、そんな様子が少しセナさんを思い出せさせてくれるところがまたいい感じかな。僕だけか?

 お兄さんのフェルスタッペン選手はピンピンしてましたから、これから体も屈強に変化していくんでしょう。

 フェラーリがレースではいまひとつでしたね。ルクレール選手が4位、ハミルトン選手が5位。

 われわれカメラマンにとってパルクフェルメの撮影というのは大事な要素。そのグランプリに入って、パルクフェルメをどの位置から撮るかというのはいろいろ考えています。

 今回はピットビルディングの始まりの壁面に勝者だけのスペースが作ってあって、早くから場所取りをして勝者のノリス選手をお待ち申し上げていました。そしたらあろうことか、シュッと通過していくではありませんか……。おいおいおい、お~~~~~~い!

 笑うしかありませんでした。

 まあ、そういうこともあります。問題ありません。残念だったけど。ちゃんと誘導ししなきゃ……。

 FP1でハースに平川選手登場。

 今回は走行シーンを撮りにコースにいきました。思い切り走っていいということだったんですが、順位は17位。

 終わった後に話を聞けなかったので詳しくはまた聞いて報告しますね。

 ドラパレで、元メルセデスドライバーとアントネッリ選手。

 元ハースドライバーとベアマン選手。いったいどんな話をしているんでしょう?

 F3、土曜のレース、ポールポジションから2位のりー海夏澄選手。これで日本人ドライバーが全員表彰台に上がりました。

 調子が上がってきたと思っていた中村選手、土曜日レースのスタート2コーナーで追突してしまいました。日曜日レースもうまくいかず。残念でした。夏休みで切り返しましょう!

 余談ですが、ヘルメットとスーツにウサギがいるんですけど、何? って聞いてみました。

 自分のキャラクターだそうで、クマは友人のデザイナーのキャラクターだそうです。

 トヨタさんはしっかりバックアップ体制があるように見えますが、ホンダさんはオーストリアに琢磨さんが来ていて、そのあとは誰もいなかったように思います。

 誰かアドバイザーがいた方が必ずいいかどうかはわかりませんが。どうなんでしょう? 山越選手なんかは1人でやってますけどね。

 加藤選手。今回は土曜日レース14位、日曜日レース13位と少し停滞しています。

 そして山越選手。予選でエンジントラブルで最下位30位。

 しかし、日曜日レースで追い上げまくって10位入賞! 素晴らしいじゃないですか!

 F2宮田選手。勝負の年として参戦した今年はハイテックというチームを選びました。チームメイトはキャデラックのハータ選手。

 2人ともベテランで実績もあるドライバーですが結果が出ません。宮田選手が13位、ハータ選手は16位。モータースポーツで結果を出し続ける難しさを感じます。

 F3でもF2でも、みんな才能のあるドライバーばかりなんです。結果だけを見て、そのドライバーの才能を判断できません。それはマシンという道具を使っているからなんです、所属するチームやエンジニアの実力、チームの運営方針に合う、合わないなどの要素もあるんですね。その差は本当にわずかなんです。でも今あるチャンスを最大限に活かして成績を出すという仕事は、ドライバーに委ねられているんですよね。

 ハンガロリンクといえば、どこか懐かしさが残る雰囲気のサーキットだったんですが、今や近代的なピットビルディングとグランドスタンドができあがりました。

 今回のレンタカーはスズキ・スイフト。確認していませんがハンガリー生産かな?

 ハンガリーのガソリン。307円/Lでした。

 ハンガリーまで大事にとっておいたペヤング。ハンガリーで食べた一番おいしいご飯でした。

 さて、夏休みでございます! 大吉(トイプードル)と遊ぼう!!

熱田 護

(あつた まもる)1963年、三重県鈴鹿市生まれ。東京工芸大学短期大学部写真技術科卒業。1985年ヴェガ インターナショナルに入社。坪内隆直氏に師事し、2輪世界GPを転戦。1992年よりフリーランスとしてF1をはじめとするモータースポーツや市販車の撮影を行なう。 広告のほか、「デジタルカメラマガジン」などで作品を発表。2019年にF1取材500戦をまとめた写真集「500GP」を、2022年にF1写真集「Champion」をインプレスから発行。日本レース写真家協会(JRPA)会員、日本スポーツ写真協会(JSPA)会員。