日下部保雄の悠悠閑閑
アルファード三昧
2025年3月24日 00:00
アルファード人気はすごい。押し出しのいいフロントマスク。Lサイズミニバンにふさわしい丁寧なプレスラインと面の張りの艶やかさ。街を走ると立ち止まって振り返る人も少なからずいて、こんな光景は久しぶりだ。現代のスーパーカーなのかもしれない。
試乗会を経て翌週にはPHEVを富士スピードウェイまで回送した。乗り心地は緩くておおらか。ドライバーシートはクッションストロークもタップリして、のんびりと走れる。少し上下動のバウンシングが大きめだが、鋭角的なショックはうまくいなされて快適そのもの。高速道路では全車速ACCをONにして首都高速から東名高速の足柄スマートICまでのんびり走る。ワンタッチでできるのは便利だが、ほかのタッチスイッチは表示もなく何を指しているのか忘れてしまったので触れないことにした。
一方、ドライバーモニター付きで渋滞時にaccessに任せて雑用をこなすこともできる。東名の綾瀬BS付近ではいつものダラダラ渋滞に引っかかったが、このシステムで乗り切った。楽勝である。
この渋滞のおかげで集合時間にわずかに遅れそうだ。山北周辺の上りコーナーが連続するところは重心位置の高いミニバンらしいロールをするが、ロール速度が遅くバッテリによる低重心を活かした安定した姿勢で落ちついた運転ができる。おかげでGoogle マップに案内されて目的地の富士スピードウェイにギリギリ到着することができた。
その次の週は改めてアルファード E-FOURのExecutive Loungeを借りだした。こちらは2.5リッターの第4世代ハイブリッドになる。何しろ注目のアルファード、しかもボディカラーはブロンズ色のような「プレシャスレオブロンド」というオプションカラーはいかにもゴージャスだ。
もとはと言えば、わが家のアウトランダーで移動するつもりだったが、大人4人+チャイルドシート1席の乗員を乗せるには3列目も出動させなければならない。事前プレゼンでウチの後席マスタードライバーから速攻NGを出されて、アルファードに再度ご登場願った。
ホイールベース3mのミニバンは3列目シートも常時使用できる厚いクッションと広いレッグルームがある。この状態だと3列目後方のラゲッジスペースは限られるが、アルファードはフロア下に格納スペースがある。すぐに出さない荷物やスーツケースはここに収納すれば室内はスッキリする。
さてPHEVと違ってエンジン稼働の比率が高くなり、エンジンのブロック剛性をもう少し上げたいところだ。アルファードはかなり遮音が進んでいるが、静かなクルマだけに気になってしまう。ドライバーシートの印象はLクラスミニバンらしいゆったりしたものでキビキビ感はないが王道を進むミニバンだ。ドライブフィールはややロールが大きいがロングホイールベースを活かして安定性は高くリアサスも柔らかく設定できている。リアのバウンシングはほとんど感じない。
運転席も楽ちんだがやはりExecutive Loungeだろう。ドライバー交代で豪華な2列目に移動。テーブルを出したり備え付けモニターからマッサージさせたり、イルミネーションを切り替えたりして遊んでいるうちに寝てしまった。ここに座ったらもう寝るしかないです。
さて3列目シートには一番長く座った。わが家の序列では自分はこの席らしい。3列目は使わないときは折りたたんで左右に跳ね上げるタイプ。これ以上シートクッションを厚くすると荷室スペースを侵食するため妥協点だ。それでも十分なレッグスペースと適度なクッション、サイドカーテン、カップホルダーや読書灯も装備するサードシートは思いのほか快適だ。
さすがに車軸の上にあるサードシートは上下動が直接的に伝わってくる一番疲れやすいポジションになるが、実用的な3列目シートはやはり大きな魅力だ。サードシートでもうとうとしながら目的地に到着したのは最高だ。
アルファードはおもてなし精神も徹底しており、やはり唯一無二に違いない。
長瀞の宿に一泊した朝、あたりは雪景色。夏タイヤのままだったので唖然とした。気を取り直してみると幸いにして路面に積もった雪はそれほどでなく、春の雪は湿気を含んでいてすぐに溶けた。
高速道路が多かったとはいえ、車重約2.3tに人も荷物もタップリ積んでの平均燃費が13.5km/Lとはトヨタハイブリッドは素晴らしい。
PHEVでは1000万円の大台に乗り、ハイブリッドのExecutive LoungeのE-FOURで882万円、試乗車はオプションつきで910万1920円。やはりスーパーカーですな。