まるも亜希子の「寄り道日和」

超久々の完全プライベートな箱根旅

ベーカリー&テーブル箱根のパン de ソフトあまおう。個人的には、コクがあるのに後味さっぱりのバニラとのハーフ&ハーフがオススメです。

 完全プライベートで箱根を訪れるのは、いったい何年ぶりのことでしょう。いや、もしかすると20年ぶりくらいかも!? 自動車業界に入ってからというもの、ロケや試乗会が頻繁に箱根で行なわれるので、多い時は週3回箱根日帰り、なんてことも続き……。日本が誇る観光名所のはずが、私にとってはすっかり“職場化”。なかなかプライベートで行く気分になれない場所となっていたんです。

 でも今回、お義母さんが「たまには箱根の温泉でゆっくりしない?」と誘ってくれて、家族みんなで出かけることに。そしたら、直後にステキなメールが届いたのです。差出人は、以前によく女性誌のクルマページで一緒にお仕事させていただいた、モデルのniu(にゅう)さん。モデル活動のかたわら、彫刻や絵画、音楽などのアーティスト活動も力を入れてきたniuさんが、自身の彫刻作品「しあわせな犬」がある箱根のポーラ美術館で開催される「エミール・ガレ展」とのコラボレーションディスプレイを公開するというお知らせだったのです!

 しかも開催初日が、私たちの箱根旅行とピッタシカンカンじゃないですか。これは絶対に観に行きた~いっ。ということで、「えー、美術館なんて興味ないよ」と言うパパをなだめすかして、駆けつけちゃいました。

 仙石原の清々しい森の中に、透明感のある大きな建物が美しいポーラ美術館は、森を20分ほど散策できる遊歩道があったり、企画展に合わせたコースメニューがいただけるレストランがあったりと、の~んびり楽しめる場所。今回は、前日に降った大雨の影響で遊歩道が閉鎖されていて残念だったけど、娘は展示室のとなりにあった景色のいいカフェでオレンジジュースを飲み、ミュージアムショップでクレヨンを買ってもらって大喜び。さすがに「エミール・ガレ展」では大きな声を出すと迷惑になってしまうので、パパと交代で鑑賞しました。いやー、すごい見ごたえでした。

 そして私のお目当て、niuさんの作品はというと、チケットカウンター横の大きなガラスに発見! 「ガレの森と海」をテーマにしたイラストレーションは、まるで箱根の森を悠々と泳ぐかのように、たくさんの海の生き物たちが描かれていて、遠くから眺めたり、近くでじっくり観たり。その奥に、niuさんの「しあわせな犬」もしっかり観られました。「1つでも多くの生命が、心と体の自由を得て、しあわせな時間を過ごすことができますように」というniuさんの想いが、作品全体からあふれているようでした。この企画展の開催は7月16日(祝)まで。ぜひたくさんの人に観てもらいたいです。

ポーラ美術館で2018年3月17日~7月16日まで展示されている「エミール・ガレ展」とのコラボレーションディスプレイ。niuさんの彫刻作品「しあわせな犬」もここから見えます。

 さーて、たっぷり右脳に刺激をもらったあとは、美味しいものでもいただきましょう。仕事の時は、ランチにお弁当が用意されていたり、編集部の予算と時間の関係でなかなか好きなお店に行けないんですよね~。なので、今回は美味しいピザがいただける「ラ・テラッツァ」へ。愛犬を連れて座れるテラス席もあるここは、相変わらずの人気ぶりで30分待ちだったけど、芦ノ湖が目の前に広がる空間はやっぱりステキ。2階もあって、ちょっとクルマ好きが「おっ」と微笑むディスプレイなんかもありますよ。イタリア製の窯で焼きたてのピザは、やっぱりモチモチ、トロトロで美味し~い! 娘もパクパク食べてて、すいません、写真撮る前になくなっちゃいました。

芦ノ湖畔にあるイタリアンレストラン「ラ・テラッツァ」の2階は、ちょっとマニアックなクルマグッズが。愛犬家の方にも人気のお店です。
ピザの写真は撮り損ねてしまったので、これは日替わりパスタ。常時5種類くらいの日替わりがあって、ピザに負けず劣らず美味しいですよ~。

 そしてデザートは、「いちごアイス食べたい!」という娘のリクエストにお応えして、すぐ近くにある「ベーカリー&テーブル箱根」のパーラーで、「パンdeソフト あまおう」を。ベーカリーが出しているだけあって、ソフトクリームの下がコーンではなくて、焼きたてのパンに自家製ハニーシロップをからめたラスクっぽくなってます。私はバニラとあまおうのハーフ&ハーフ。これがもう、絶妙の甘さとコクで大満足。コーヒーなどテイクアウトのドリンクも一緒に買えるので、ドライブ中の寄り道にぴったりですよ~。

 そんなわけで、超久々の完全プライベートな箱根旅は、仕事のことなどす~っかり忘れてリフレッシュしちゃいました。春を迎えて景色もイキイキしてくるこれからの季節、ぜひ皆さんも出かけてみてくださいね。

ちょうど現地に来ていたniuさんと、数年ぶりの再会。実はドライブも大好きで、「しばらく運転してないから、また乗りたいなぁ」と言っていました。

まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。17~18年日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。ブログ「運転席deナマトーク!」やFacebookでもカーライフ情報を発信中。