まるも亜希子の「寄り道日和」
「マクラーレン GT」と、ぶらり女ふたりドライブ
2020年2月27日 00:00
自分にはまったくご縁のない、雲の上のクルマだと思っていたスーパーカー、マクラーレン! それがひょんなことからお近づきになり、なんとなんと1日のんびりとドライブできる機会をいただいちゃいました~。
というのも、これまで速さにこだわったスポーツモデルがメインだったマクラーレンに、東京オートサロンでもお披露目された「GT」が登場して、「これなら女性でも快適にロングドライブしてもらえるようになっているので、乗ってみてください」とお声がけいただいたというわけなのです。
よくよく資料を読んでみると、カーボンボディにこだわるマクラーレンが、長距離走行に最適に開発した「モノセル・ーT」というシャシーを採用したり、エンジンマウントを専用のものにしたり、使い勝手の面でもリアのトランクにはゴルフバッグが2個積めたり、「GT」=グランドツーリングという名にふさわしい1台になっているとのこと。
それならばと、クルマ業界女子部でお馴染みの吉田由美さんと一緒に、女ふたりスーパーカードライブに出かけてみました。行き先はやっぱり、東京湾アクアラインを渡ってぶらり千葉まで。乗り込む時に、ついつい「ガルウィング」と言ってしまいがちなドアですが、マクラーレンGTの場合は「ディヘドラルドア」。開けるときは自動的に上に上がるのですが、閉める時に思わずヨイショッと声が出てしまいました(笑)。シートに座った状態でドアを引き寄せるので、ちょっとした筋トレ状態。二の腕を引き締めるのに効きそう~、みたいな感じです。
な~んてスタートから女ふたり、颯爽と乗り込むことができずに走り出したわけですが(笑)、まず最初に感心したのは、ガッシリとした手応えを感じさせつつ、絶妙な握り心地のステアリング。表から見ると普通の円形なのですが、実は裏側がちょうど指が添う部分に凹みができていて、自然ときれいに握れるようになっているんです。そのほかの部分は雫のように裏側が絞られた形状になっていて、ちょうど親指とそれ以外の指を合わせた時にできる空間と同じ形。ということは、手に最も自然な形でフィットするということなんですよね。マクラーレンは、クルマをデザインする時にはまず最初にシートからデザインする、という哲学がありますが、それは何よりドライバーの心地よさを優先することの表れ。だから、ステアリング形状にも並々ならぬこだわりがあるのかなぁと、のっけからファンになってしまいました。
そして、そのシートもかなり座り心地がよく、背骨のS字カーブに添ってすっぽり包み込まれるよう。はじめに座った時は、「ちょっと硬いかな」と感じたのですが、走り出してみるとぜんぜん硬いなんて感覚はなくなり、身体への負担をまったく感じないくらい快適です。試乗車は21インチタイヤを履いていたんですが、高速道路の継ぎ目でも不快な振動がなくてビックリ。スポーツモードを選択すると、やや獰猛な音がしたり少し乗り味もゴツゴツした感じにはなるのですが、ここまでラグジュアリーな時間に浸れるとは、まったくの予想外でした。
で、マクラーレンGTを買い物や送り迎えに使うママってのは相当珍しいだろうとは思いますが(笑)、念のため、狭い道の取り回しや車庫入れのしやすさもチェック。狭いS字カーブなんかは、やっぱりフロントが長いのでちょっと気を使います。駐車場の入り口でも、鼻先を引っかけないように慎重に。でも、段差では意外にもそれほど神経を使うことはないんです。最低地上高は110mmですが、60km/h以下になるとリフトシステムが作動して130mmまであげてくれるので、海ほたるの駐車場に続く坂道の段差も、まったく問題なく通過できました。
車庫入れの時は、ディヘドラルドアが横に張り出すことを考えて、なるべく隣りが空いているスペースに入れたいな~という感じですが(笑)、慣れてくれば緊張しなくなりそうです。ステアリングの目の前に表示されるバックカメラの映像は、人によってはちょうど見えにくい位置になってしまうようですが、私はしっかり見えて安心でした。
そんなわけで、いつも仕事やプライベートで頻繁に走っているルートを、驚くほど楽しく優雅な道に変えてくれたマクラーレンGT。きっと、東京からヒョイっと海を越えて千葉までゴルフに出かけるセレブの皆さまにとって、こんなに快適かつ心地いい走りと実用性を兼ね備えたスーパーカーは希少な存在ではないでしょうか。そして間違いなく、これは女性にも最高に優しいスーパーカーだと確信した、幸せな時間だったのでした。