まるも亜希子の「寄り道日和」

行ってきました! 東京オートサロン2025

もともと2+2シーターのクーペが大好きな私にとって、最高にカッコいいと思えた1台がホンダ・プレリュードプロトタイプ。五感を刺激し、ドライバーとクルマがよりSynchronize(一体化)するような、爽快で意のままの走りを最大化して提供するために開発された新技術「Honda S+ Shift(ホンダ エスプラスシフト)」が搭載されています

 新年最初のクルマ業界のお祭り、東京オートサロン2025へ行ってきました! よく会う人も久しぶりの人も、ここで「明けましておめでとうございます」とごあいさつするのが例年のお約束のようになっていますが、ここ数年はコロナやインフルの脅威におびえながら、マスク姿でのごあいさつ。まだまだ、気が抜けないなぁと思いながらも、やっぱり人とクルマでごったがえす幕張メッセ周辺に近づくと、ワクワクしてきますね。

 会場に入ると、あっちで立ち話、こっちでまた立ち話と、なかなか前に進めないのも例年通り。でもそこで、お互いの近況を報告しあったり、ご飯を食べに行く約束をしたり、目の前の展示車両を見ながらあーでもない、こーでもないと、楽しい時間が流れるのもオートサロンのいいところです。

 ざっとひと通り見て回って、自動車メーカーもショップさんたちも電動化車両が多いと感じるのはここ数年の傾向ではあるのですが、今年はその中でも電動化技術をどう使い、どうやって独自の魅力を出していくか、そういった考え方が一歩先へと進んだ車両が目を惹きました。

 たとえば今回の目玉の1つだったホンダ・プレリュードのプロトタイプ。私はすでにテストコースで試乗をさせていただいたのですが、その時はまだボディがカモフラージュラッピングされていたので、デザインがカッコいいのかどうなのか、今ひとつよく分からなかったんですよね。でもホンダブースに展示されている、ベールを脱いだプレリュードプロトタイプは、ロー&ワイドでプリッとしたリアビューがしっかりとスポーツスピリッツを感じさせてくれて、とてもカッコいいと感じました。土日に見にいった知人は、「今回のオートサロンでいちばん刺さった」と言っていたほど。

 このプレリュードには、ホンダの2モーターハイブリッドであるe:HEVの次世代技術として展開されていくことになる、「Honda S+ Shift(ホンダ エスプラスシフト)」が搭載されています。これは聴覚・視覚・体感で訴えかける新システムとなっていて、e:HEVの特長であるモーター駆動とエンジン直結をシームレスに切り替える機能、高効率エンジン、2つの高出力モーターを駆使して運転状況に応じたエンジン回転数を緻密にコントロール。しかも、エンジンと発電用モーターが協調して変速を行いつつ、エンジンの原音に加えてASC(アクティブサウンドコントロール)がスピーカーからも音を提供するので、リニアで迫力のあるサウンドがものすごく高揚感をあおってくれるんです。短い時間でしたが、その楽しさはこれまでの電動化スポーツモデルの中でイチバンだと感じました。

日産ブースで目を惹いた「R32 GT-R EVコンバージョン」。なんとパドルシフト機能を搭載していて、マニュアルギアシフトの感覚を再現しているのだとか。シフトチェンジの時は、まるで機械式ギヤボックスを介してクラッチ操作でシフトチェンジをするような感覚を味わえる制御を入れているということで、乗ってみたいですね〜

 そしてもう1台、興味津々だったのが日産ブースに展示されていた、R32型スカイラインGT-RのコンバートEV。これは、ボディだけR32として残しているのではなく、電動化技術を使ってガソリンエンジンのR32の走りを再現し、後世に残していこうという新しいチャレンジでもあります。伝説ともなっているR32の魅力を再分析するところからスタートし、2.6リッターツインターボエンジンのオリジナルの性能を電気モーターで再現するというのは、一筋縄ではいかなかったとのこと。単にパワーを整えるだけでなく、「なぜR32はこれほど運転が気持ちいいのか」というところを作り出すために試行錯誤したというのも、すごく興味を惹かれるところです。日産の方に「乗ってみたいなぁ」と言うと、「うーん、まだそこまでは難しいかなぁ……」というお返事でしたが、いつか試乗できる機会がくることを願っています。

最初から電気自動車として設計され、ケーターハムに欠かせない要素である「軽量」を実現しようという「プロジェクトV」。実車を初めて見ましたが、カッコいいです!

 ほかにも、ケーターハムのフルEVスポーツカーであるプロジェクトVもカッコよくて楽しみだし、フォルクスワーゲンのゴルフRも早く乗ってみたい! 今年から来年にかけて、またワクワクするクルマと出会えそうな予感でいっぱいになりました。あとは、ほっこりしたのが三菱自動車のデリカミニの化身として大人気となっているキャラクター、デリ丸。が47都道府県の名物に変身しているご当地デリ丸。私の出身地である千葉県は、なんとピーナッツをかぶっていてかわいい〜。全部集めたくなりますよね。あなたの地元はどんなデリ丸。でしょうか?

 今回も若い世代やファミリーなど、たくさんの人で賑わっていたオートサロン。激動の自動車業界ですが、今年はいいニュースがたくさんあるといいですね。

見た瞬間にほっこりしたのがこちら、ご当地デリ丸。わが家にはすでに2匹(2人?)のデリ丸。が住んでいるのですが、さらに欲しくなってしまいました
まるも亜希子

まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト。 映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、エコ&安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦。また、女性視点でクルマを楽しみ、クルマ社会を元気にする「クルマ業界女子部」を吉田由美さんと共同主宰。現在YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」でさまざまなカーライフ情報を発信中。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱自動車ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968、ホンダ・CR-Z、メルセデス・ベンツVクラス、スズキ・ジムニーなど。現在はMINIクロスオーバー・クーパーSD。