2012 SEMA SHOW
ホンダはアコード、マツダはCX-5のカスタマイズを提案


BISIMOTO ENGINEERING製のアコードクーペ

会期:10月30日~11月2日
場所:LAS VEGAS CONVENTION CENTER



ホンダ
 SEMAショーのホンダブースでメインを飾ったのは、今年フルモデルチェンジを行ったアコードクーペとセダン。一昨年はCR-Z、昨年はシビックSIをベースに名打てのチューナーが個性溢れたチューニングやカスタマイズを施したマシンを披露してきた。グランドツーリングカーとしての側面を持つアコードをベースにしたカスタマイズは、純正の持つ素性のよさを引き上げるといった手法。チューナーが製作した2台のカスタマイズカーのほかには、ホンダ純正のHFP製のパーツを装備したアコードクーペHFPや純正アクセサリーパーツを装備したアコードセダンのXパッケージも展示されていた。

 またHPD(ホンダ・パフォーマンス・デベロップメント)からは、今年のインディ500で優勝したダリオ・フランキティ号やアメリカンルマンシリーズでチャンピオンを獲得したARX-03a、サンダーランド25時間耐久レースにエントリーするアキュラILXやフィットなどのレース車両も例年以上のスペースを設けて展示されていた。

 サプライズで公開されたマシンとしては、映画「ジ・アベンジャーズ」に登場したアキュラのコンセプトカー。見た目はNSXコンセプトのコンバーチブルモデルとなっている。車両の詳細が明記されたスペックボードには、アキュラ・スーパーカーという車両名が記載されていて、販売価格は922万9000ドルという驚きのプライスタグが付けられている。トランスミッションは、9速ハイパーシフトなどとなっているので、あくまでも映画の中の話に沿っているようだ。

「2013アコードクーペHFP」は、ディーラーで購入できるオプションパーツが装備されたマシン。HFP(ホンダ・ファクトリー・パフォーマンス)製の19インチホイールにスポーツサスペンションという足まわりパーツを装備。外装は、フロント、サイド、リアにリップスポイラーが付く
過激なターボチューンで知られるBISIMOTO ENGINEERINGが製作したアコードクーペ。あくまでもアコードのグランドチーリング性に合わせたチューニングと言うが、ドラッグやレース用のチューニングが得意なチューナーらしく、V6 3.5Lエンジンはスーパーチャージャーの過給によりノーマルの278HPから401HPへパワーアップを果たしている
DSO EyewearとMAD Industriesが共同でカスマイズしたアコードセダン。外装は純正のXパッケージをセットし、マットのメタリックブルーシートをフロントグリルからトランクまで貼り付けてアクセントを与えている。車高はアイバッハのプロキットによりローダウンさせ、20インチのホイールを装着
フロント、サイド、リアのリップスポイラーとグリル、リアウイングがセットになったホンダ純正のXパッケージを装備したアコードセダン。ディーラーで購入できるXパッケージの価格は2171ドルという設定になっている
最高出力187PS、最大トルク23.3㎏mを発揮するスーパーチャージャーで過給したエンジンを搭載する「HPDスーパーチャージャーCR-Zコンセプト」。昨年、一昨年もホンダは、SEMAショーでCR-Zのスーパーチャージャーモデルを展示してきた。どちらのモデルもエンジン以外に空力まで考えたサーキット用のボディーパーツなどを装着していたが、今回のコンセプトモデルは外装が市販車にかなり近い形で登場している
一見するとNSXコンセプトのコンバーチブルモデルかと思うが車名は「アキュラスーパーカー」。映画「ジ・アベンジャーズ」に登場するマシンで、ハリウッドで行われた公開イベントで主演のロバート・ダウニーJrがハンドルを握り登場したことでも知られている
アキュラブランドのエントリーモデル「ILX」のレース仕様。サンダーヒル25時間耐久レースに参戦するために作られた「2013 Acura ILX Endurance Racer」は、車両規定によりエンジン内部には手を入れず、軽量化や剛性アップを施している
ダリオ・フランキティ選手のハンドリングによりインディ500で勝利したマシン
2012年アメリカン ル・マンシリーズのLMP1クラスでチャンピオンを獲得した「HPD ARX-03a」。HPD製のV8 3.4Lエンジンを搭載している
エントリーレース用にHPDが開発した「B-Spec Fit」。サンダーヒル25時間耐久レースやSCCAのツーリングレースに参戦した実績を持つ。

マツダ
 マツダのSEMAショーブースは、アメリカでも今年発売が始まったCX-5のカスタマイズカーで飾られた。他のメーカーがチューナーとのコラボレーションで製作したデモカーを展示する中、展示されているすべてのカスタマイズカーは、マツダノースアメリカが提案しているものになる。

 CX-5は、クラストップレベルの環境性能やコストパフォーマンスの高さから、発売するや否やアメリカでも人気を集めている。都会での使用から郊外へのドライブやアクティビティなど、SUVならではの使い方が想定できるモデルだけにカスタマイズの方法も幅広く提案。そのため、ロードレーサーのサイクリングやスノーボードを搭載したデモカーや、より都会の雰囲気にマッチさせたモデルなど方向性も多岐に渡る。また、マツダが命名権を取得しているラグナ・セカレースウェイで使用しているCX-5のセーフティカーも展示されていた。

ラグナ・セカサーキットのペースカーとして使われているCX-5。サーキット走行に対応するためにブレーキはブレンボ製の4ピストンキャリパーに変更し、スプリングやショックアブソーバーも専用品を装備。室内もロールケージやスポーツシートに変更されたサーキットエディション
「CX-5 URBAN」は、その名の通り都会派のカスタムを施したモデル。ホイールは純正の19インチから3インチ大径化した22インチを履く。エクステリアもホイールもマットブラックに塗装されているのが特徴で、シックな雰囲気を醸し出している
レーシングドライバーでもあり俳優でもあるパトリック・デンプシーの名前を冠した「CX-5 DEMPSEY」。エクステリアはマットとグロスのツートンカラーに仕上げ、アクティブな用途に応えるようにルーフボックスや自転車用のキャリアを装備している。展示車両の中で唯一2.2Lディーゼルエンジンを搭載したモデル
「CX-5 180」はアクティブに遊ぶカリフォルニアのユーザーに提案する1台。ルーフにはスノーボードとサーフボードの2枚のボードが搭載されているように、どんなシチュエーションでも使いこなせる車両ということになる。インテリアは外装色と同じブルーにカラーリングされ、アクセントとして赤のステッチを使っているのが印象的
「MX-5 SUPER25」は耐久レースでの使用を前提に製作したマシン。エンジンはノーマルのままのライトチューンだが、ライトポッドやハードトップ、ロールケージ、レーシングシートなど耐久レースに必要な装備はすべて揃っている。また、カーナンバーはル・マン24時間レースで787Bがまとった55を付ける
1991年のル・マン24時間レースで総合優勝した787Bのベースとなった787。2台製作された1台がこのマシンで、MNAO(マツダ・ノース・アメリカ・オペレーションズ)がマツダから購入しレストアして保存していると言う

(真鍋裕行)
2012年 11月 7日