東京モーターショー2015

マツダの将来の夢を形にしたロータリースポーツコンセプト「Mazda RX-VISION」

「FRスポーツカーの究極ともいうべきスタイリングに挑戦」と小飼社長

2015年10月30日~11月8日一般公開

ロータリースポーツコンセプト「Mazda RX-VISION」と、マツダ代表取締役社長兼CEOの小飼雅道氏(左)、デザイン本部長の前田育男氏(右)

 東京モーターショー2015で最大級の注目を集めている、マツダのプレスカンファレンスが朝一番となる8時半から実施された。このプレスカンファレンスで、事前のプレスリリースで発表されていたスポーツカーのコンセプトモデルは、次世代のロータリーエンジン搭載した「Mazda RX-VISION」という名称であることが明かされ、ワールドプレミアされた。

  プレスカンファレンスでスピーチを行なった代表取締役社長兼CEOの小飼雅道氏は、「2012年に導入した新世代SUV『CX-5』以降、マツダは『SKYACTIV技術』と『魂動デザイン』を搭載した新世代商品を導入することにより、新しいマツダブランドの構築に取り組んでまいりました。本日このマツダスタンドには、前回の東京モーターショーで国内発表した『アクセラ』とそれ以降に導入した『デミオ』、『CX-3』、『ロードスター』など、合計6車種の新世代商品を展示しております。いずれのクルマもそのデザインや走行性能が高く評価され、数多くの栄誉ある賞を受賞。マツダのビジネス成長およびブランド向上に大きく貢献しています。これら既存モデルに加え、今回2台のコンセプトカーをご紹介いたします」と展示される新世代商品群とコンセプトカーについての説明を行った。

話題のクルマ、プレスデーの初日、最初のプレスカンファレンスとあって、報道陣で埋め尽くされるマツダブース
プレスカンファレンスでスピーチを行なった代表取締役社長兼CEOの小飼雅道氏
今回の東京モーターショーのマツダのテーマは「“走る歓び”の未来を切り拓く」ことだという

 続いて、9月に開催されたフランクフルトショーで初公開した「マツダ越(KOERU)」について「このコンセプトモデルはグローバルに成長を続けるクロスオーバーSUV市場における、マツダの新たな提案です。新規顧客の開拓やさらなる台数成長を目指し、既存の概念・枠組みを越えて挑戦していく。それが名前の由来です」と説明。

 そして、マツダブースのハイライトとなる「Mazda RX-VISION」について触れた。

「私たちは、規模は小さいながら、きらりと輝く車を作り、お客様に走る歓びと優れた環境・安全性能をお届けすることをビジョンに掲げて参りました。車を、単なる移動手段としてではなく、ものを運ぶ機能を越えて、クルマの本質である『走ることの楽しさ』を求め、お客さまに豊かなカーライフをお届けする。そういったことが可能な自動車会社であれば、存在する意味があり、自動車業界の発展に貢献することが出来る。そのような役割を果たすべく、50年前、ロータリーエンジンに挑戦し、実用化・量産に成功いたしました。その後、紆余曲折の苦難もあり、現在はロータリー車の量産を行なっておりませんが、もう一度世の中に受け入れて頂ける日が来る。私たちの描いた将来の夢を形にしたものが、今日ご披露するロータリースポーツコンセプト『Mazda RX-VISION』です。デザインにおきましては、マツダ・スポーツカーデザインの歴史を凝縮した、私たちが考えるFRスポーツカーの究極ともいうべきスタイリングに挑戦いたしました。搭載するパワートレインは、次世代ロータリーエンジンの『SKYACTIV-R』。ロータリーの動力性能、環境性能を大きく高めるために、SKYACTIVと同じ『志』でのブレークスルーを意図し、命名いたしました。まだまだ技術課題はありますが、飽くなき挑戦の精神で、開発を継続して参ります」。

スポーツコンセプトの名称は「RX-VISION」となった
次世代ロータリーエンジンは、SKYACTIV-Rとなる
アンベールされるMazda RX-VISION

 このようにブレークスルーすべき技術課題はあるようだが、次世代のロータリーエンジンを搭載したスポーツモデルは着実に開発され、市販化を検討しているようだ。

真鍋裕行

1980年生まれ。大学在学中から自動車雑誌の編集に携わり、その後チューニングやカスタマイズ誌の編集者になる。2008年にフリーランスのライター・エディターとして独立。現在は、編集者時代に培ったアフターマーケットの情報から各国のモーターショーで得た最新事情まで、幅広くリポートしている。また、雑誌、Webサイトのプロデュースにも力を入れていて、誌面を通してクルマの「走る」「触れる」「イジる」楽しさをユーザーの側面から分かりやすく提供中。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。