東京モーターショー2015

市販予定車「ODYSSEY HYBRID」を世界初公開したホンダ4輪ブース

次世代モビリティ「WANDER STAND CONCEPT」「WANDER WALKER CONCEPT」も世界初公開

2015年10月30日~11月8日一般公開

世界初公開となった「ODYSSEY HYBRID」

 本田技研工業は、「第44回東京モーターショー2015」の会場で世界初公開の4輪モデル5台、2輪モデル7台、日本初公開の4輪モデル3台、2輪モデル9台を含む多数の車両や汎用製品などを展示している。

 10月28日に行われたプレスブリーフィングでの本田技研工業 代表取締役社長 社長執行役員の八郷隆弘氏によるスピーチ、正式名称やリース販売の開始時期などの情報が公開された新型FCV(燃料電池車)「クラリティ フューエルセル」についてはすでにお伝えしているが、本稿ではクラリティ フューエルセル以外の世界初公開車両などの4輪モデルを中心に紹介する。

2016年3月にリース販売を開始するホンダの新型FCV「クラリティ フューエルセル」世界初公開

http://car.watch.impress.co.jp/docs/event_repo/2015tokyo/20151029_727997.html

ODYSSEY HYBRID(世界初公開)

ODYSSEY HYBRID

 2013年11月に発売された5代目「オデッセイ」の派生モデルとして市販が予定される「ODYSSEY HYBRID」。パワートレーンを「アコード ハイブリッド」などにも採用されている2モーターハイブリッド「スポーツハイブリッド i-MMD」にスイッチ。これまで車両後方に設置してきた「IPU(インテリジェントパワーユニット)」を1列目シートの下にレイアウトする方式に変更して、ミニバンならではの広い室内空間によるユーティリティを維持する。また、高い環境性能とトルクフルなモーターが生み出す力強い加速を両立させ、Lクラスミニバンとしての魅力をさらに高めている。

ODYSSEY HYBRID
ODYSSEY HYBRID
ODYSSEY HYBRID

WANDER STAND CONCEPT(世界初公開)

WANDER STAND CONCEPT

 アップライトな乗車スタイルを設定する2人乗りのEVである「WANDER STAND CONCEPT」。ホンダのパーソナルモビリティ「UNI-CUB β(ユニカブ ベータ)」のキーテクノロジーとなっている「全方位駆動車輪機構(Honda Omni Traction Drive System)」を応用して4輪に採用。UNI-CUB βと同じく自在に走りまわることが可能となっており、さらに自動運転、手動運転のどちらにも対応。大型のフロントウインドーをディスプレイとしても使い、AR(拡張現実)技術による観光案内なども想定されている。

WANDER STAND CONCEPTのボディーサイズは2000×1250×1850mm(全長×全幅×全高)
ボディー側面に台形の小さなドアを設定。シートの座面下が収納スペースとなっている
液晶ディスプレイを使ったインパネ
自動運転を基本としているが、ユーザーの好みに応じて手動運転にも切り替えられる。操作はインパネ中央のジョイスティックで行い、足下にはペダル類などは用意されていない
キャビン前方側にドリンクホルダーや手荷物の収納スペースなどを設定
シート表皮やシートベルトカバーなどに西陣織の技術を用いたレッドの素材を使用
フロントウインドーは頭上まで設定され、広い視野を確保。会場が明るく少し判別しにくいが、ウインドー内側がディスプレイとなっている
WANDER STAND CONCEPTの解説ムービー(2分34秒)

WANDER WALKER CONCEPT(世界初公開)

WANDER WALKER CONCEPT

 Wi-Fi接続によるリアルタイム通信で「V2X」に対応するパーソナルモビリティの「WANDER WALKER CONCEPT」。540mmという全幅で自動改札機を通過できるようにしているなど、電車を使った長距離移動も視野に入れた新しい移動手段として製作されている。また、水平近くまで可動する前輪により、1mの回転半径を実現。最高速は6km/hとほぼ人間の歩行速度並みとしている。

WANDER WALKER CONCEPTのボディーサイズは1080×540×1000mm(全長×全幅×全高)
大胆に可動する前輪でわずか1mという回転半径を実現。全長が1080mmなので、後輪を中心にその場で旋回するような動き方も可能となっている
タブレットをキーとして利用。専用ナビなどのインターフェイスが用意されている
電動シートは上下の高さだけでなく、乗り降りしやすいよう座面を回転させることができる
WANDER WALKER CONCEPTの解説ムービー(43秒)

Honda Project 2&4 powered by RC213V(日本初公開)

Honda Project 2&4 powered by RC213V

 フルバケットタイプのシートをむき出しにしたキャビンを持たない大胆なボディーは、バイクレースの頂点レースであるMotoGPで2連覇を達成した「RC213V」が搭載するV型4気筒エンジンの公道仕様版が持つパワーを最大限に引き出すために設計されたもの。2輪車の開放感と4輪車の運動性能を合わせ持つ、ホンダらしさを具現化した1台となっている。なお、フランクフルトモーターショーで世界初公開された車両はボディー左側に運転席を設定する左ハンドル車だったが、この会場では運転席をボディー右側に設定する右ハンドル車となっていた。

Honda Project 2&4 powered by RC213Vのボディーサイズは3040×1820×995mm(全長×全幅×全高)で車両重量は405kg(数値はすべてフランクフルトモーターショー仕様)
前後にブリヂストン製タイヤを装着し、レッド塗装されたブレーキキャリパーとドリルドディスクローターを組み合わせる。リアタイヤの前方からV型4気筒エンジンが姿をのぞかせる
ボディーにフルバケットタイプのシートを固定しただけの運転席。足下に2個のペダルを設定
フォーミュラマシンを思わせるサスペンションアーム。ショックアブソーバーはオーリンズ製を採用
フロントノーズにH型のレーザーヘッドランプを設置
車両後方に2本のマフラーを設定。「POWERED BY RC213V」と書かれたロゴマークも用意されている
Honda Project 2&4 powered by RC213Vの解説ムービー(1分56秒 無音)

NEOWING(世界初公開)

NEOWING

 水平対向4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドパワートレーンを採用し、スポーティーなリーン走行と安定感を両立させた“スポーツハイブリッド3輪”と呼ばれる「NEOWING」。独自のリンク機構を持つ前輪にはアクチュエーターを使ったロール制御技術を採用。未来感とバイク本来のメカニカルな魅力を強調したコンセプトモデルとなっている。

世界初公開となったコンセプトモデルのNEOWINGは、多くの来場者がさまざまな角度からのぞき込むように見学していた
「F4 HYBRID」の文字が刻まれたハイブリッドパワートレーン。水平対向4気筒エンジンとモーターを組み合わせて構成している
NEOWINGの解説ムービー(1分10秒 無音)

S660 Motor Show Special Collection

S660 Motor Show Special Collection

 S660の内外装でカラーリングや表皮素材などを変更してイメージチェンジした「S660 Motor Show Special Collection」。ボディーカラーはつや消しのガンメタリック塗装となっており、ピアノブラックとシルバーのカッティングシートを使ったラインを入れてアクセントを与えた。インテリアではステアリングや助手席前方のソフトパッド、シート表皮、ドアトリム、シフトブーツなどにバックスキン素材を採用。引き締まった印象を与えるデザインとなっている。

S660 Motor Show Special Collection
カッティングシートを使ったストライプを運転席側にオフセットして配置。通常はボディー同色となるドアミラーはブラックに塗装されている
インテリアにはバックスキン素材を多用してシックな雰囲気を演出している

編集部:佐久間 秀