東京モーターショー2015

ポルシェブースでは「マカン GTS」「911 カレラ」の2モデルを世界初公開

マカン GTSの発売は11月11日で価格は939万円

2015年10月30日~11月8日一般公開

ポルシェブースは西館2階の西05

 ポルシェ ジャパンは10月28日、「第44回東京モーターショー2015」のプレスカンファレンスで2台のモデルのワールドプレミアを実施。ステージ上にはベールが被せられた2台の車両がアンベールのときを待っていた。開始時間になってステージに登壇したのは、ポルシェ ジャパン 代表取締役社長の七五三木敏幸氏。

ポルシェ ジャパン 代表取締役社長の七五三木敏幸氏が、2台のワールドプレミアモデルなどについて解説
東京モーターショーで2車種のワールドプレミアを行うという力の入れよう。ポルシェにとって日本は大事なエリアとして考えられているのだ

 スピーチの冒頭で語られたのは、この日本で2台もの車種のワールドプレミアを行う理由についてだった。2年前の東京モーターショー2013では独ポルシェのオリバー・ブルーメ氏(当時はロジスティクスと生産を担当の取締役。10月に取締役会会長に就任)がニューモデルとなる「マカン」を発表しているが、そのときに日本のポルシェユーザーがポルシェに対してとても熱い気持ちを持っていることを感じたという。これはマカンに対する反応がよいというだけではない。ポルシェにとって日本はアジアで最も古い市場であるという歴史があること、そしてポルシェにとっての象徴的なモデルである911に対して、とくに熱い思いを抱いてくれていることもとてもうれしいことだという。それに加えてポルシェ ジャパンにおける車両の販売台数が初めて5000台を超えたこともあって、独ポルシェが日本市場を重視し、この東京モーターショーで2台のワールドプレミアを行うことになったということだ。

 では、今回ワールドプレミアされたクルマを紹介しよう。最初はポルシェのコンパクトSUVであるマカンのニューモデルとなる「マカン GTS」。マカンは現在、ポルシェ ジャパンで最も販売台数が多いモデルということだ。

東京モーターショーでワールドプレミアされたマカン GTS

 ポルシェにおいて「GTS」のネーミングが与えられるモデルは、レースから影響されて生まれているとのこと。マカン GTSに搭載されるエンジンはマカン Sの3.0リッターV型6気筒ツインターボがベースとなっていて、最高出力は20PSアップされた360PS、最大トルクは500Nmとなっている。このパワーアップに伴い、シャシー性能が見直されてブレーキも強化されている。トランスミッションは7速のポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)で、走行条件に応じて駆動を前後輪に自動配分するポルシェ・トラクションマネージメントも採用されていた。

 このエンジンとトランスミッション、足まわりを組み合わせたパワートレーンにより、SUVのボディーながらマカン GTSは0-100km/h加速が5.2秒というタイムを実現。オプションのスポーツクロノパッケージを装着した場合、0-100km/h加速のタイムは5.0秒に短縮される。そして最高速は256km/hという発表だ。

 このマカン GTSの発売は11月11日で、現在予約を受付中。価格は939万円。

フロントタイヤのサイズは265/45 ZR20
リアタイヤのサイズは295/40 ZR20
シートはスポーティで豪華なGTSシートが採用される。トランスミッションは7速PDK。このエンジンもレブは7000rpmだ
新型「911 カレラ」の紹介は、独ポルシェのディレクター Dr.Erhard Mossle氏が担当した

 次に紹介するのは新型「911 カレラ」。展示されていたのは「カレラ 4S」だった。この911のニューモデル最大のトピックは、エンジンが3.0リッターツインターボにダウンサイジングされているということ。これは燃費や環境について考慮したもので、時代の流れとしては正常進化。ただし、排気量が下がってもパフォーマンスに曇りはない。ツインターボ化された水平対向6気筒エンジンは、カレラ Sとカレラ 4Sで最高出力420PS、最大トルク500Nmとなっている。最高速は7速MTモデルが305km/h、7速PDKモデルは303km/h。0-100km/h加速のタイムは7速MTモデルが4.2秒、7速PDKモデルは4.0秒である。通常のカレラ、カレラ 4も水平対向6気筒ツインターボエンジンを搭載。最高出力は370PS、最大トルクは450Nm。トランスミッションも7速MTと7速PDKがラインアップされている。

 価格はカレラの7速MTが1244万円で7速PDKが1309万1000円。カレラ 4Sは7速MTが1647万円、7速PDKが1712万1000円。

新型「911 カレラ 4S」。今回の911 カレラシリーズは全車エンジンが3.0リッターにダウンサイジング。ただしツインターボ化されている
タイヤはピレリのP ZEROを履いていた。フロントが245/35 ZR20で、リアは305/30 ZR20というサイズ
911 カレラ 4Sのインテリア。2ペダル化されており、オルガンタイプのアクセルペダルがあまり気にならない。新型3.0リッターツインターボエンジンは7400rpmからレッドゾーンとなっている
911 GT3 RSも展示されていた
こちらは「パナメーラS E-ハイブリッド」。家庭でも充電可能なプラグインハイブリッドで、市街地ではモーターだけで約36km走行できる。トランスミッションは8速ティプトロニックを採用
ケイマンのトップモデルとなる「ケイマン GT4」も展示。ミッシップポルシェとしてリアエンジンの911とはまた違う味が人気となっているクルマだ

深田昌之