インドネシア国際モーターショー2015

ダイハツ、「FX コンセプト」「FT コンセプト」を世界初公開

新型「セニア」のほか、日本の軽自動車を展示

2015年8月20日~30日(現地時間)開催

インドネシア ジャカルタ近郊

 ダイハツ工業のインドネシア子会社ADM(アストラ・ダイハツ・モーター)は、「2015年 GAIKINDO インドネシア国際オートショー(GIIAS)」で、クロスオーバーモデル「FX コンセプト」とSUVモデル「FT コンセプト」を世界初公開。また、日本で販売している軽自動車を展示してコンパクトカーを得意とするダイハツの存在感を示した。

SUVモデル「テリオス」の将来の方向性を示した「FT コンセプト」
インドネシアでは3列シートモデルとして販売される現行型「テリオス」
FFベースのクロスオーバーモデル「FX コンセプト」

「FX コンセプト」は、FFベースのクロスオーバーモデルで、オフロードもこなせるタフさと、先進的でダイナミックなデザインに仕上げた。一方「FT コンセプト」は、将来のテリオスの方向性を示すコンセプトモデルで、ADMラインアップの最上級モデルをイメージ。縦置きエンジンに後輪駆動レイアウトを基本とする本格SUVとし、7人が十分に乗車できる広い室内を確保した。

 プレスカンファレンスに参加したダイハツ工業の三井正則社長は「2つの車種ともインドネシアの方々に期待してもらえるクルマだと思っている」と、仕上がりに自信を示した。

マイナーチェンジした新型「セニア」を展示

 また、会場ではマイナーチェンジした新型「セニア」を披露するとともに、日本で販売している軽自動車を展示した。

 三井社長は「今日発表した新型セニアで市場を牽引していきたい。これからのインドネシア市場は人口当たりの保有台数からすると、まだまだ伸びる余地があると見ているので、これは楽しみにしている」との見方を示し、続けて「エントリーカーを得意とするダイハツは、所得が徐々に上がっている新中間層の人たちに新車を購入してもらうことになるはず。自動車市場がしっかりと盛り上がることで、インドネシア経済そのものに貢献できたらと思う」と述べた。

ダイハツ工業の三井正則社長

 一方、今年のインドネシア市場に関して、三井社長は「我々として全体需要は115万台ぐらいだろうと見ている。そのうちダイハツとしては18万台を売っていきたいと思っている」と話し、続けて「今のこの状況は経済の減速が一番の理由で、昨年の11月にガソリン価格が上がったこともあるし、そういったことが重なって今の状況がある。我々としては商品を充実させてお客様に選んでもらえる商品をしっかり出していくことで、なんとかして挽回していきたい」と、市場にかける意気込みを語った。

現在日本で売られている軽自動車「ウェイク」「ミラ ココア」「ムーヴ」を展示

 今回、日本の軽自動車を展示したことに関して、三井社長は「軽自動車を持ってくることで、ダイハツという会社について、日本のコンパクトカーメーカーのNo.1であるということを理解してもらうこと」と狙いを話し、加えて「もちろん、インドネシアの方が見られてどのように感じられるのか、リサーチしていきたい」と、軽自動車の展開に前向きな姿勢を示した。

 現時点、現地で軽自動車の販売はされていないが、記者からの「インドネシアで販売する計画はあるのか?」との質問に、三井社長は「具体的な計画はないが、そうなるといい」と回答。

 三井社長は「軽自動車の歴史を振り返ると、軽自動車が進化することで日本のモータリゼーションを支えてきたと自負している。インドネシアはもっと短期間にモータリゼーションが発展していくと思うが、都市部だけでなく地方においてもモータリゼーションが広がっていき、そういった中で求められるクルマの1つになるのではないかと考えている」との考えを示した。

ブースにはアニメや映画のキャラクターが登場するなどファミリーをターゲットにしたイベントも用意されていた

編集部:椿山和雄