イベントレポート

電動化と自動化、サーマルマネジメント、ICEにも注視するマーレグループ

一般公開日:2023年10月28日~11月5日

入場料:1500円~4000円

マーレはアルンド・フランツ社長が来日し、プレゼンテーションを行なった

 ドイツの自動車部品メーカー「マーレグループ」の企業方針は、「イノベーション for サステナブルモビリティ」。ジャパンモビリティショー2023(会場:東京ビッグサイト、一般公開日:10月28日~11月5日)に出展しているブースでは、「最も速く」から「ニーズに合った」充電速度へ。また、さまざまな充電ニーズに対応する中央管理充電システム「ChargeBIG」、二輪車や乗用車、商用車、ゴルフカート、多目的四輪車など幅広いアプリケーションに対応できる出力1kW~250kWまでの「電動ドライブシステム」、高い信頼性や快適性、安全性、エネルギー効率性、エコロジー性を実現する「電動補機類」、車内温度や駆動システムの温度を高水準で包括的に調整できる「サーマルマネジメント技術」、世界最高水準のパワーを実現することで電気自動車に普及に弾みをつける「e-コンプレッサ」など、電動パワートレーン向けの高効率な駆動システムやパワーエレクトロニクスを展示している。

 来日した同社のアルンド・フランツ社長は10月26日、会場内のブースで「自分は身長が2mあって、元はドイツの柔道のナショナルチームにおりました。そのときは日本の天理大学などで練習を行ないました」と参加者らを驚かせたあと、「2022年のマーレの売り上げは12.4ミリオンユーロ、日本円で2兆円に達しております。現在世界152か所の生産拠点で約7万2000人の従業員を有しております。日本での生産高は約900億円、従業員は2600人で、東京、名古屋、大阪の3か所にオフィスがあります」と同社の概要を説明。「2030年の長期ビジョンについては3つの柱があり、1つ目はエレクトリフィケーション、2つ目はサーマルマネジメント、3つ目がICE、つまり内燃機関です」と今後の方針を語り、同社が製造する製品について詳細な説明を行なった。

マーレの今後の方針や製品について語ったフランツ社長

 同社の日本の取引先としては、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、マツダ、スバル、ダイハツ工業、三菱自動車工業、スズキなどの自動車会社、いすゞ、三菱ふそう、UD、日野などトラック会社をはじめとして、クボタ、ヤンマー、イセキ、小松製作所、ヤマハ、シマノ、川崎重工業、トーハツなど多岐にわたっている。

マーレのワイヤレス充電システム。ガレージや駐車場の地面にトランスミッターコイルを設置し、蓄積された磁場エネルギーを車両側の受信機コイルに伝達する仕組み。最大出力は11kWで、92%の充電効率をケーブルなしで実現する
電動モーター用テクノロジーキット。独自のモジュラーシステムを採用し、永続的な高出力と非接触で摩耗のない電力伝送を組み合わせている
アルミ製から樹脂製に置換し、冷却部位のシール性を確保しつつ冷却性や絶縁性を保ったウォータージャケット。従来比-45%という軽量化と-25%という小型化も果たしている
エンジン稼働時にクランクケースに漏れ出すブローバイガスを積極的に掃気する高圧インパクタ
水素燃焼エンジン用ピストン。商用車用(左)と乗用車用(右)。2024年の量産化を予定している
マーレ製品を使用すれば電費がよくなるとプレゼンテーションしていた
マーレ製のサーマルマネジメントシステムを搭載したイメージ
独自のモジュラーシステムを採用し、永続的な高出力と非接触で摩耗のない電力伝送を組み合わせた電動モーター用テクノロジーキットの説明図
高圧インパクタや水素エンジン用ピストンの説明図
原 アキラ