イベントレポート

日立アステモの「スマートステア」、インホイールモーターとステア・バイ・ワイヤーで実現する未来のステアリングを提案

一般公開日:10月28日~11月5日

入場料:1500円~4000円

未来の自動車はマウスで操作? 日立アステモの「スマートステア」とは……

 日立アステモ(Astemo)は「ジャパンモビリティショー2023」(東京ビッグサイト:会期10月26日〜11月5日)で、インホイールモーターとステア・バイ・ワイヤーシステムによって実現する「スマートステア」や、自動運転を体感できるVR(仮想現実)など、新しいモビリティ技術の提案を展示している。

 日立アステモは2021年に日立オートモーティブシステムズ、ケーヒン、ショーワ、日信工業の4社の経営統合によって誕生した。そういった背景もあり、ブースでは二輪車と四輪車を問わず、車両に必須のブレーキシステムやモーター、ADASや自動運転向けのセンシング技術、未来のモビリティ提案など、多彩な展示が楽しめる。

日立アステモのブース
4社のもつ技術が結集した多彩な展示

インホイールモーターとステア・バイ・ワイヤー技術で実現する「スマートステア」

余裕のある車室のモビリティ提案

 誰でも楽しめる体感展示は2つ。1つはインホイールモーターとステア・バイ・ワイヤー技術を用いた新しいモビリティ提案のデモンストレーション。ステアリングを廃することで、余裕のある車室空間を実現するとともに、通常のステアリングの代わりに「スマートステア」と呼ぶ、パソコンのマウスのようなデバイスを使って進行方向を操作する。

 デモでは車室内を模した空間のソファのようなシートに腰掛けながら、前方のディスプレイに映し出される映像で、南国の海岸のような景色を走り抜ける気分を味わえる。スマートステアを軽く左右に動かすと、映像内で進行方向が変わるだけでなく、展示物のフロントホイールも左右に向きを変えるようになっている。

コンパクトなインホイールモーター
駆動部品がホイールに集約されているため広々とした車室を実現
ステアリングはなく、代わりにマウスのようなデバイスが取り付けられている
ひねるように操作する
映像が右手の操作に連動し、さらに前輪も左右に動く

日立Astemoの自動運転技術をVRで体験

「VR Theater」

 もう1つは「VR Theater」で、同社が目指す自動運転の姿をVRゴーグルとヘッドフォンを通じて体感できるというもの。事前予約が必要なので、来場したら早めにブースに訪れていただきたいコンテンツ。

VRゴーグルとヘッドフォンを装着する
自動運転車が実現するドライビングを体感

二輪車向けの展示

 二輪車向けの展示も多くあり、二輪車向けインバータや小型・高出力なe-Axle、二輪車にも搭載可能なADAS用ステレオカメラなどもあり、4社が集結した日立アステモのポテンシャルを感じさせる展示となっている。

二輪車向けの先進部品も豊富
モーター、インバータ、ギアボックスなどを一体化にしたe-Axle
二輪者向けの単体インバータ
ADAS用のステレオカメラ
四輪独立制御による安定した旋回、高効率のエネルギー回生などを実現する「機械式電動ブレーキ」
センサーのデータや地図・走行データなどをもとに車両の走行状態を先読みすることで、走行モードを最適化して燃費向上を図るソリューション
日沼諭史

1977年北海道生まれ。Web媒体記者、IT系広告代理店などを経て、フリーランスのライターに。IT、モバイル、オーディオ・ビジュアル分野のほか、四輪・二輪や旅行などさまざまなジャンルで活動中。2009年より参戦したオートバイジムカーナは2年目にA級昇格、2012年にSB級(ビッグバイククラス)チャンピオン獲得。