イベントレポート

トヨタ佐藤恒治社長がトヨタとダイハツブースのプレゼンテーション実施「あなた目がけて。その一心で、いろんなもっといいクルマをつくって、幸せを量産していきたい」

2025年10月29日 13:25

2025年10月29日～11月9日開催

南展示棟の“自称”トヨタグループ館のトヨタブースで、トヨタ自動車株式会社代表取締役社長佐藤恒治氏がトヨタとダイハツのプレゼンテーションを実施した

　ジャパンモビリティショー2025（プレスデー：10月29日～30日/一般公開日：10月31日～11月9日）が東京ビッグサイト（東京都江東区）で開催されている。

　トヨタ自動車とダイハツ工業は、南展示棟南1・2ホールにレクサス、センチュリーと共同でブースを出展。開催初日の10月29日にはトヨタ自動車代表取締役社長佐藤恒治氏がプレゼンテーションを行なった。

トヨタ自動車株式会社代表取締役社長佐藤恒治氏

　佐藤氏は、最初に「“自称”トヨタグループ館へようこそ！」と述べ、トヨタ、レクサス、センチュリー、ダイハツの4つのブランドが一挙に集結した初のこころみについて紹介。

　新たな企業広告「TO YOU」のムービーを流したあと、「私たちは、以前から、『Mobility for All』の実現を目指して取り組んできました。しかし、“モノづくり”の現場に立つと、心の中に“少しだけ”引っかかるものがありました。それは、『For All』とは言うものの、『すべての人に向けた“最大公約数のモノづくり”なんかひとつもない』ということです。私たちが何かをつくるときに思うことは、『誰かの助けになりたい』『誰かを笑顔にしたい』。必ず、誰か1人の『あなた』の顔を思い浮かべて、そこを目がけてつくっているのだと思います。『あなた目がけて』を続ければ、いつの日か『Mobility for All』に近づいていける。そう考えてモノづくりをしているんだ、ということに気がつきました」と語り、企業広告ムービーに写っていた「カローラ」が、その「誰かのためのクルマづくりの象徴である」と話した。

【トヨタ企業広告】TO YOU篇 60秒

　カローラについては「時代に合わせて、人々の生活に合わせて、常に、目の前のあなたに向けて形を変えてきました。見た目もボデータイプもさまざま。でも、そのすべてがカローラでした。だからこそカローラは、“みんなのためのクルマ”なんです。これからもそうあり続けるために、どう変わるべきか。地球は大きくて、世界は広い。道も違えば、エネルギー事情も違います。ただ、誰もが共通して持っているもの。それは『地球を大切に想う気持ち』。そして、もう1つ、“かっこいいクルマ”に乗りたい。こんな気持ちも、みんな一緒だと思います。バッテリEVでも、プラグインでも、ハイブリッドでも、エンジン車でも。動力がなんであれ、みんなが乗りたくなるかっこいいクルマにしよう！　それを実現するための発明が、このクルマには詰まっています」と紹介した。

カローラを紹介する佐藤社長

カローラは、BEV、PHEV、ICEなど、どんなパワートレーンでも乗りたくなるクルマにするための発明が詰まっているという

　また、アフリカの農村に住む人々を思い描いて開発したという「IMV Origin」を紹介。IMV Originは未完成のまま工場を出荷するときはまだ“走るクルマとして”組み立てられておらず、現地で組み立てることで、アフリカに「組み立てる」という新しい仕事を生み出すという。さらに、使い方に合わせて人を乗せるのか、荷物を載せるのか、使い方によってクルマを完成させるという新しい「あえてつくりきらない」クルマであるとした。

ダイハツについてのプレゼンテーションを行なう佐藤社長

　続けて佐藤社長がダイハツのプレゼンテーションも実施。ダイハツのTVCMを流したあとに、「小さいからこそできること♪」と口ずさみながら再登場。「小さいからこそできること。日本の道を走っていると、小さくて助かった……と思うこと、けっこうあると思います。クルマを小さくつくることは、とっても難しい。クルマづくりをやってきた1人として、心からそう思います。そんな挑戦を続けているのがダイハツです。ダイハツのクルマづくりは、昔も今も変わりません。町に出て声を拾い、困っている人を見つけては、何ができるだろう？　と考える。『小さくつくる技術』をどう活かせるか、頭をひねる。そうしてたどり着いたのが『ミゼットX』というわけです」とダイハツブースに展示されているミゼットXを紹介した。

TVCM ブランド広告「わたしにダイハツメイ」篇(60秒)　ダイハツ公式

　さらにもう1台、FR（後輪駆動）の軽のオープン「K-OPEN」を紹介。「このすごさは、なかなか伝わらないかもしれませんが、こんな小さいボディでFRを実現するって“とんでもない”ことなんです。エンジンを低く置いて、ミッション、プロペラシャフトを配置して、ペダルのレイアウトを考えて、ステアリングがあって、すべてをこのボディに収める。この話をすると長くなっちゃうのですが、ひと言で言うと、開発者たちの知恵と工夫が詰まりまくっているんです。先日、会長の豊田がダイハツのマスタードライバーになるというニュースがありました。コペンにもたくさん乗って、たくさん壊してくれるのだと思います。ダイハツの皆さん！　マスタードライバーとのクルマづくりは大変です。覚悟しておいてください（笑）。でもクルマ屋として、こんなに楽しいクルマづくりはないと思います。新しいコペンがどんなクルマになっていくのか、私もとっても楽しみにしています。『小さいからこそできる』トヨタにはできない大発明で、Mobility for Allを一緒に実現していきたいと思います」と語った。

　そのほかにも、ステージ上に展示されていた「KAYOIBAKO」「boost me」「Kids mobi」といった多様なモビリティを紹介。企業広告にあったメッセージの「あなたが行けないなら、モビリティが会いに行く」というコンセプトに触れ、「自分が乗って動くことだけがモビリティではありません。モビリティが“あなた”に近づいていく。何かを届ける。これも大きな役割です」と述べた。

　最後に佐藤社長は「誰かを思い、1人の“あなた”を見て、どうしたら喜んでもらえるだろう？と考える。『あなた目がけて』。その一心で、いろんなもっといいクルマをつくって、幸せを量産していきたいと思っています。“発明”に成功することもあれば、うまくいかないこともあるかもしれません。でも、難しいからこそ、やりがいがある。それが挑戦の意味だと思います。世界中の『あなた』がつくる未来。その真ん中には、クルマがあって、たくさんの笑顔があってほしい。そのために、クルマをもっと楽しくて、もっともっと愛される存在にしていきます。『クルマの未来を変えていこう』。この想いを力に変えて、これからもトヨタグループのみんなで、発明に挑戦し続けていきたいと思います」と今後の展望を述べ、プレゼンテーションを締めくくった