イベントレポート

2台のビジョンモデルを世界初公開、「マツダビジョンクロスクーペはマツダが描く未来のモビリティを体現した1台」と毛籠勝弘社長

2025年10月29日~11月9日 開催
マツダ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 毛籠勝弘氏とワールドプレミアとなった2台のビジョンモデル

 マツダは10月29日、「ジャパンモビリティショー 2025」(プレスデー:10月29日~30日/一般公開日:10月31日~11月9日)において、「MAZDA VISION X-COUPE(マツダ ビジョン クロスクーペ)」と「MAZDA VISION X-COMPACT(マツダ ビジョン クロスコンパクト)」をワールドプレミア。また、2026年に発売予定となっている3代目「CX-5」(欧州仕様)も展示されている。

 プレスカンファレンスにはマツダ 代表取締役社長 兼 CEO 毛籠勝弘氏が登壇。まず、展示テーマについて「走る歓びは、地球を笑顔にする」と紹介し、この言葉はマツダの原点でもあり、これからの挑戦のコアでもあるとコメント。続けて「人が自らハンドルを握り、気持ちよくクルマを運転する歓びを追求してきたマツダは、マルチソリューションで時代に適合し、この走る歓びを進化させる。お客さまの心を動かし、社会に貢献していきます」「カーボンニュートラルという人類共通の使命のもと、クルマがただの移動手段から社会へと繋がる存在へ変貌を遂げていく中で、私たちは走る歓びこそ社会と地球の未来を良くする力がある」と信じ、「皆さんのクルマが好き、いつまでも運転していたい。そんな思いを叶え続けます」とクルマファンにエールを送った。

マツダ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 毛籠勝弘氏
ベールをまとったマツダ ビジョン クロスクーペ

 マツダは来る2035年に向け、微細藻類から生成されるカーボンニュートラル燃料で走行し、排出されるCO2を回収することで「走れば走るほどに待気中のCO2を減らすことができると考えている」とコメント。実際に2000Lの培養槽から約2週間で1Lの燃料を生成する理論目標を達成するとともに、燃料成分を中止した後の微細藻類にはタンパク質などの多くの栄養素が含まれており、健康食品や有機飼料として活用することができると、その可能性について言及。さらに独自に開発した「Mazda Mobile Carbon Capture」(マツダ モバイル カーボン キャプチャー)により、 CO2を効率的に回収するとともに、そのCO2を農作物の成長促進や素材として再利用が可能だと述べた。加えて「この技術を搭載したマツダ55号車でスーパー耐久レースに参戦し実証実験を開始する」と公表した。

 続いて展示されているマツダ ビジョン クロスクーペに触れ、「“魂動(こどう)”デザインを次のステージに押し上げる」「2ローター・ロータリーターボエンジンとモーター、バッテリを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載」「510馬力のシステム出力を誇り、モーターによる航続距離は160km、エンジン併用での総航続距離は800km」と紹介。エンジンと電動化のベストバランスを実現するとともに、「カーボンニュートラル燃料とマツダ モバイル カーボン キャプチャーの組み合わせで、走るほどに大気のCO2を減らします。いつまでも思いっきり運転を楽しみ、クルマと共に豊かな人生を送っていきたい、その思いを2035年へと繋いでいくためにマツダが描く未来のモビリティを体現した1台」であると述べた。

マツダが描く未来のモビリティを体現した1台と紹介したマツダ ビジョン クロスクーペ
微細藻類由来の燃料などの展示
回収したCO2を農作物の成長促進などに利用
マツダ ビジョン クロスコンパクト

 また、8年ぶりにフルモデルチェンジを果たしたCX-5については「ドアを開けた瞬間に乗る人みんなが快適で心地よく過ごせる広々とした空間が広がり、代名詞の魂動デザインはもちろん、意のままの人馬一体の走りをさらに磨き上げます。大切な人と一緒にもっと走りたいという気持ちにさせる1台です」と紹介した。

欧州仕様のCX-5も展示されている

MAZDA VISION X-COUPE

マツダ ビジョン クロスクーペ

 マツダのデザインフィロソフィー「魂動」デザインをさらに進化させたクロスオーバークーペ。パワートレーンは2ローターのロータリーターボエンジンとモーター、バッテリを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載。最高出力は510馬力を発生し、モーターのみで160km、エンジン併用で800kmの航続距離を実現する。

 加えて微細藻類由来のカーボンニュートラル燃料と、マツダ独自のCO2回収技術となるマツダ モバイル カーボン キャプチャーを組み合わせることで走れば走るほど大気中のCO2を削減することが可能。

ボディサイズは5050×1995×1480mm(全長×全幅×全高)。ホイールベースは2815mm。タイヤサイズは275/40R22
ドアを開けたところ
低いシートポジション
シフトはAT
ペダルまわり
メーターやステアリングコラムの金属感がソソる
ドアは前後とも前ヒンジ
リアシート
センターコンソール後端にはエアコン吹き出し口がある
マツダ モバイル カーボン キャプチャー

MAZDA VISION X-COMPACT

 人の感覚をデジタル化した「人体・感性モデル」と共感型AIの融合で、人とクルマの絆がさらに深まることを目指したモデル。マツダが目指すスマートモビリティの未来像を描く。クルマと気取らない会話ができるほか、行き先も提案してくれるなど、親友のような存在として自分の世界を広げてくれる1台を目指す。

マツダ ビジョン クロスコンパクト。ボディサイズは3825×1795×1470mm(全長×全幅×全高)と文字通りコンパクトなモデル
ホイールベースは2515mm
タイヤサイズは235/40R18
ドアを開けたところ
運転席まわりやリアシート
安田 剛

デジモノ好きのいわゆるカメライター。初めてカーナビを購入したのは学生時代で、まだ経路探索など影もカタチもなかった時代。その後、自動車専門誌での下積みを経てフリーランスに。以降、雑誌やカーナビ専門誌の編集や撮影を手がける。一方でカーナビはノートPC+外付けGPS、携帯ゲーム機、スマホ、怪しいAndroid機など、数多くのプラットフォームを渡り歩きつつ理想のモデルを探索中。