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写真で見る マツダ新型「CX-5(3代目/欧州仕様車)」

2025年10月29日 発表
3代目へと進化したマツダの新型「CX-5」(欧州仕様車)

 マツダの基幹車種となる「CX-5」がフルモデルチェンジを行ない、間もなく3代目が登場する。

 CX-5はミドルサイズのクロスオーバーSUVとして2012年にデビューして以来、世界100か国以上で販売されグローバルの累計販売台数は450万台以上と、同社における販売台数の3分の1以上を占めている重要なモデル。

 欧州ではすでに7月に発表しているが、日本では「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」にて世界初となる一般向けの展示(欧州仕様車)が行なわれ、翌2026年中の発売が予定されている。

 発売までまだ時間があるということもあって、今回紹介するのはスペックを含めて欧州仕様車で、日本仕様の詳細なスペックは現時点では未公開となっている。なお、JMS2025では、ステージ上ではなくフロアでの展示となり、乗り込みも可能となる予定。興味がある方は、ぜひ現地でチェックしていただきたい。

新型(右)と2代目(左)

 CX-5の初代モデルは「SKYACTIV技術」と「魂動デザイン」を全面採用するなど、多くの新技術を採用した意欲的なニューモデルとして登場。パワートレーンは、直列4気筒2.0リッターガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」に加え、高い環境性能と動力性能を実現した直列4気筒2.2リッタークリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D 2.2」をラインアップ。2013年には直列4気筒2.5リッターガソリンエンジンが追加されたほか、エンジンやサスペンションなどを中心に随時改良が行なわれた。

 2016年に2代目モデルにバトンタッチ。ボディサイズはほぼ変わらず、パワートレーンはラインアップを踏襲しつつも、パフォーマンスアップや静粛性の向上などを実現。さらに質感を高めた内外装や先進安全装備の充実など、まさに正統進化といえるモデルチェンジとなった。

 2018年には車両の挙動を制御する独自技術「GVC(G-ベクタリング コントロール)」、2020年には4WD車に「オフロード・トラクション・アシスト」を投入したほか、2021年にはフロントまわりの変更などとともにグレード展開の見直しなどが図られている。

基本的な雰囲気やフォルムは受け継ぎつつリアドアまわりが変わっているのが分かる

 3代目となった新型は、「新世代エモーショナル・デイリーコンフォート」を開発コンセプトに、魂動デザイン、人馬一体の走りを継承・深化させつつ、室内空間の広さや使い勝手、乗り心地、静粛性をアップデート。

 ボディサイズは4690×1860×1695mm(全長×全幅×全高)でホイールベースは2815mm。2代目が4575×1845×1690mm(同)、ホイールベースは2700mmなので、ざっくり全長が大きく伸びたことになる。これは「CX-30」「CX-60」とラインアップが充実してきたことを受け、サイズ感の調整をしたものだという。

 これにより室内空間が大幅に拡大しており、後席においては膝前が64mm、ヘッドルームが29mm拡大しているほか、ラゲッジスペースにおいても奥行きが45mm延長されている。従来モデルはボディサイズと比較すると少し狭い印象があった後席、ラゲッジまわりに余裕が生まれたのは、新規購入者はもとより乗り換えを考えている初代、2代目オーナーには間違いなく朗報となりそうな部分だ。

 デザインは「NEXT CX-5」を掲げ魂動デザインを進化。初代で実現した「街乗りできる四駆」を経て、2代目では「パーティにも行けるクロスオーバー」としたものの道具感が薄れてしまったことから、最新モデルでは「ウェアラブルギア」をコンセプトに「オフィスからキャンプへ直行できるSUV」としてユーザーの行動範囲を広げる存在を実現。

 外観はマツダSUVらしいもので、従来車のオーナーならひと目で「CX-5だね」と感じられるもの。その一方でフロントエンドは2代目より50mmほどアップしてCX-60に近い雰囲気としたり、サイドのキャラクターラインを2本から1本にしたりと、新型車らしいディテールを随所に盛り込んでいる。

 内装はCX-60と比べると大人しい印象。「光モノ」加飾が抑えられていることもあってすっきりと落ち着いた仕上がりに感じられる。目立つのはインパネ中央に設置された大型のセンターディスプレイ。2代目では横長のモノを採用していたが16:9の12.9インチまたは15.6インチへと変更。解像度も1920×1080ピクセルなので、ノートパソコンのディスプレイ部分が装着されているような感じになる。システムはGoogle搭載となっており、ナビはもちろん音声アシスタントやアプリストアも利用可能とイマドキな感じになった。

 気になるパワーユニットは、ディーゼルエンジンが廃止となり、ガソリンエンジンに一本化。2種類のパワーソースが予定されており、先行して2.5リッターの「SKYACTIV-G 2.5」エンジンと、マイルドハイブリッドを組み合わせたモデルを発売する。

 このマイルドハイブリッドは「マツダ3」と同様のシステムを採用し、ISGによる回生協調ブレーキと24Vのリチウムイオンバッテリを組み合わせてモーターアシストを行なうもの。詳細な数値は出ていないが、「SKYACTIV-G 2.0に勝る低燃費」を実現しているという。

 2027年以降に投入される予定となっているのが「SKYACTIV-Z」と、マツダ独自のハイブリッドシステムを組み合わせたモデル。SKYACTIV-Zは欧州「ユーロ7」、北米「Tier4」など厳しい排ガス規制を見据えたもので、あらゆるエンジン回転数や車速域で高効率かつ高出力を実現しつつクリーンな排ガスを実現。カーボンニュートラル燃料にも対応する、まさに次世代のエンジン。正式な発表を待ちたい。

 なお、ミッションは6ATで、4WDは引き続き設定される。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンクと、これまでと変わらないものの「現行CX-5からさらに快適性を向上させた乗り心地」だとしている。

欧州仕様グレード「Homura(ホムラ)」

欧州仕様グレードHomura
ボディサイズは4690×1860×1695mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2815mm
車両重量は新型(欧州仕様車)は1629kg~1687kg、2代目(国内仕様車)は1575kg~1590kg
ヘッドライトの点灯パターン
リアコンビランプの点灯パターン
ホイールサイズは2代目と変わらず19インチと17インチを設定。撮影車両の装着タイヤはブリヂストン「アレンザ001」でサイズは225/55R19
内装色は「スポーツタン」。センターディスプレイは15.6インチ。アンビエント照明は7色から選択可能
前席のヘッドルームクリアランスは、新型(欧州仕様車)も2代目(国内仕様車)も1007mmで、後席は新型が1020mmで2代目は991mm
前席のレッグルームクリアランスは、新型が1058mmで2代目は1041mm、後席は新型が1012mmで2代目は1007mm。後席のニークリアランスは、新型が131mmで2代目が67mm
ショルダー部で分割されたコンビネーションカラーも用意される
サンルーフも設定されている
ラゲッジの奥行きが延長されたことで2列目を前倒しすれば190cmあまりのフラットなスペースが確保できる。ヘッドレストを逆向きにセットすると枕のような使い方もできる
BOSE製オーディオシステム装着車はラゲッジスペース下にサブウーハーを完備
ラゲッジ側面には照明やアクセサリーソケット、2列目を前倒しするためのレバーなどが備わる。起毛仕上げになっているのは従来通り

欧州仕様グレード「Centre-Line(センターライン)」

欧州仕様グレードCentre-Line
撮影車両のボディカラーはソウルレッドクリスタルメタリック
直列4気筒2.5リッターガソリンエンジンを搭載。24Vのマイルドハイブリッド仕様となる
ホイールのデザインは同じだが切削タイプも設定。撮影車両はブリヂストン「アレンザ001」を装着。サイズは225/55R19
内装色は「黒合皮」。センターディスプレイは12.9インチ
ホーンパッド部はブランド認知向上のため英字表記に。スポーク部のスイッチは静電式だが押し込む操作も可能
シフトレバーまわり
アクセルペダルは従来通りオルガン式
メーターパネルは10.25インチの液晶式
中心部の表示は3タイプから選択できる
日本仕様のドライブモードは「SPORT」「NORMAL」の2タイプになる予定
SPORT時の表示
ドライブモードはセンターディスプレイでも選択可能
12.9インチのセンターディスプレイ。上部には時計や通知、下部にはエアコン設定が常時表示される。エアコン温度設定などは上下ボタン部分をタッチするだけでなくスワイプで一気に変更することができる。もちろん音声でも可能
ホーム画面。表示内容は選択可能
安全装備設定
エアコン設定
電動シート設定
360°ビューモニターは停車時の3D表示や走行時の床下透過に対応
アプリ一覧
Googleマップが利用可能。画面サイズが大きいので見やすさは抜群
停車時にはYouTubeの視聴が可能。通信は「マツダコネクト」のほかスマホなどでのテザリングにも対応
ハザードボタンは大きめの物理スイッチ。前後デフォッガーも物理スイッチが用意されている
センターコンソール内にはデータ用と充電用のUSBタイプC端子を用意
Qi対応の非接触充電も用意
カップホルダーはシフトレバー前方
ステアリングコラム右側のスイッチ
ルーフ部にはランプ類やSOSボタンに加えシートベルトリマインダーなども
フロントシート
リアシート
奥行き45mm、高さ30mm拡大されたラゲッジスペース。4:2:4の分割可倒式リアシートの採用により自由なアレンジが可能
3段のアルミ脚立が縦に積み込めるようになった
フロア下にはパンク修理キットやトノカバーの収納が可能
パワーリフトゲートを設定