イベントレポート

【パリモーターショー 2018】ブリヂストン、クラウドを使ったメンテナンスチェックサービス「My Speedy」やタイヤのサブスクリプションサービス「MOBOX」など

2018年10月2日~3日 プレスデー

2018年10月4日~10日 一般公開日

ブリヂストンはヨーロッパで、ブリヂストン製品とファイアストン製品を発売。ファイアストンコーナーは赤いイメージで統一されていた

「パリモーターショー(MONDIAL PARIS MOTOR SHOW)」で新たな試みを発表したのは、世界最大級のタイヤメーカーであるブリヂストン。ブリヂストンはヨーロッパにおいてブリヂストンブランドとファイアストンブランドのタイヤを展開しており、同社のブースは両ブランドの製品が展示されていた。

 そのブリヂストンがパリモーターショーに合わせて発表したのは、新タイヤではなく2つの新サービス。1つは「My Speedy」というサービスで、自分のクルマのOBD2コネクタにデバイスをセット。そのデバイスがクルマの状態を読み取り、ブリヂストンの運営するクラウドサーバーにデータをアップロード。ユーザーは、スマートフォンで自分のクルマのメンテナンス状態が分かるというものだ。デバイスからクラウドサーバーへのデータアップロードもユーザーのスマートフォンとBluetooth経由で行なうような仕組みとなっていた。

「My Speedy」と「MOBOX」についてはプレゼンテーションを実施
「My Speedy」について

 ただ、OBD2コネクタは日本では故障診断コネクタと呼ばれているように、故障を診断する際に使われているコネクタ。トヨタ自動車「86」&スバル「BRZ」などOBD2コネクタを2つ搭載して、1つを常時接続用に用意しているクルマは珍しい。日本ではあくまで交渉した際の診断時に使うコネクタと位置づけられており、それを本格的に使ったサービスはまだ始まっていない。

 ブリヂストンの担当者によると日本でのサービスインは未定とのことだが、OBD2を利用する本格的なサービスの登場には期待したいところだ。とくに世界的なメーカーであるブリヂストンが行なうサービスであれば、信頼性も高く、OBD2利用の新しいビジネスモデルとなるだろう。日本での実施のハードルは高そうだが、ブリヂストンがクラウドを使ったサービスをヨーロッパで開始したことは大きなトピックだ。

 もう一つは、「MOBOX」と名付けられたサービスで、こちらはタイヤのサブスクリプションモデルとなる。PCのソフトウェアやクラウドサービスでは多く見かけられる、一定額を毎月&毎年支払うことでサービスを保証するもの。例えば、マイクロソフトのOffice 365などが代表的だが、一定額を払えばその期間はWordやExcelが使えるようになる。

 ブリヂストンの「MOBOX」は、それをタイヤに適用したもの。一定額を払うことで性能保証されたタイヤを使い続けることができ、タイヤが摩耗して使えなくなると、特別な追加の支払いなくタイヤを交換してくる。タイヤというクルマの部品を使う権利を得るためのものと考えればよいだろう。

「MOBOX」について

 詳細は不明だったが、クルマそのものも所有するものからサービスとして利用するというものへという流れがMaaS(Mobility as a Service)して明確になりつつある。このMOBOXもその流れの中に位置づけられるものだろう。

 ブース内にはもちろんタイヤもあり、オールシーズンタイヤの「WETHER CONTROL A005」、スタッドレスタイヤの「BLIZZAK LM001 EVO」、パフォーマンスタイヤの「TURANZA T005」を展示。ファイアストン製品については、ブース内でファイアストンハット配布するなどのプロモーションを実施していた。

オールシーズンタイヤの「WETHER CONTROL A005」
スタッドレスタイヤの「BLIZZAK LM001 EVO」
パフォーマンスタイヤの「TURANZA T005」

編集部:谷川 潔