ブリッド、ｅスポーツ専用フルバケットシート「トライズ」公開

ｅスポーツ専用フルバケットシート「トライズ」が登場。頭を包み込む形状は頭部保護のための作りだが、この包まれ感は集中するのにも適しているという

　1月14日から千葉県の幕張メッセ 国際展示ホールで開催されている「東京オートサロン2022」では、国内外のパーツメーカーがブースを出展している。そこで国産のスポーツシートメーカーである「ブリッド」のブースの注目の製品を紹介する。

　ブリッドはSUPER GTといった国内最高峰レースを筆頭に、初心者が参加する走行会まで、幅広いモータースポーツ競技にバケットシートを供給している。また、スポーツ走行愛好家に向けたスポーティシートも数多く手がけている。市販車用シートでは保安基準に適合することを前提としたつくりで強度はもちろん、表皮もクルマの内装材として適した難燃性のものを使っている。また、フロアにシートを取り付けるためのシートレールも自社で製造することで、トータルコーディネートでドライビングをサポートしている。

ブリッド株式会社 代表取締役社長の高瀬嶺生氏

ブリッドが発売している市販車用スポーツシート

　ブリッドではバケットシートの座り心地を「長距離を走っても疲れないし、体が痛くなることもない」と表現している。バケットシートはリクライニング機構もしないし、クッションも薄いので、座ったことがない人にはちょっとイメージが湧きにくいかもしれないけれど、SUPER GTや海外のメジャーな耐久レースで使われていて、実際に「長距離を走っても疲れないし、体が痛くなることもない」という性能を有しているとが理解できると思う。座り心地を表現するときは人間の体のつくりなどを例に挙げることが多いが、過酷なレースで使っても疲れない、痛くならないという表現は、かなり説得力があるのではないだろか。

座り心地のよさから家庭用シートとして使われることが増えてきた。そのための足やキャスターも販売する

eスポーツ向けの新シートを発表

　今回のブリッドブースでは、ブリッド代表の高瀬嶺生氏による新製品の発表会も開催された。この発表会でのトピックは「TRYS（トライズ）」というレーシングシミュレータ専用シートの公開だ。

多くのユーザーに「トライ（挑戦）」をしてほしいとブリッドの高瀬社長

レーシングシミュレータ用シートの「TRYS（トライズ）」。シェルはFRP製でカラーはレッド。2022年4月1日より受注開始予定。予定価格は18万7000円

　最近はeスポーツをはじめとして、PCゲームや家庭用ゲーム機でのレースゲームを楽しむ人が増えている。現在のレースゲームはクルマの挙動もリアルなだけに、ゲーム機付属のコントローラではなくハンドル型コントローラを専用フレームに装着して使用するケースも多い。

シミュレーター用のフレームは着座位置が低く、ハンドルコントローラーもあって乗り降りしにくい。そこでトライズはサイドサポートを低く設定

　そこで欲しくなるのがドライビングシートだが、従来はドライビングシート風の家庭用シートやクルマ用バケットシートを流用していたがゲームのリアルさに対してポジションや座り心地のリアルさが足りなかったり、シミュレータ用のフレームの座面は実写よりかなり低いので乗り降りがしにくかったりした。

　そういった状況に対してブリッドは、レース用シート同様のフォルム、性能を持たせつつ、シミュレータ用フレームにセットした際の乗り降りしやすさを持ったシートを開発。それがトライズとなる。

トライズのほかに発表された製品。これはブリッドシートをロッキングチェアや座いすにするベース。ロッキングチェア用は「EMPEROR（エンペラー）」で座いす用ベースはZASITZ（ザシッツ）

土屋圭一氏とコラボレーションした「ZETA IV（ジータフォー）」と「STRADIA III（ストラディアスリー）」

リーマン社製チャイルドシートのレスティロのOEM品。「Calore（カローレ）」

リーマン社製ジュニアシートのリーマンジュニアEXのOEM。「Ohzi（オージ）」

ブリッドハンドルカバー。36.5mmから37.9ｍｍまで対応。価格は3630円

スポーツシートメーカー「ブリッド」のブース。展示してあるシートはすべて試座OK