イベントレポート 東京オートサロン 2022
トムス、レーシングチーム由来の技術を注ぎ込んだ3台のコンプリートカーを展示
2022年1月15日 14:48
- 2022年1月14日~16日 開催
2020年に開催された前回の東京オートサロンでは「トムス SUPRA」「トムス CENTURY」の2台のコンプリートカーを発表して注目を浴びたトムス(TOM'S)。今回の東京オートサロン2022では新型「GR86」をはじめ、新たな方向性で仕立てた「GRスープラ」、絶版車となりより希少性の上がっているレクサス「GS F」の3台のコンプリートカーを用意した。
トムスはSUPER GTやスーパーフォーミュラなど、トップカテゴリーをはじめとする多くのレースで勝利を挙げてきた国内有数のレーシングチームとして名を馳せている。だが、近年ではコンプリートカーやエアロパーツ、機能パーツなどのリリースを積極的に行なっている。ほとんどのトムスパーツはトヨタの販売店で購入することができ、そのデザイン性や機能性の高さから、レースチームとしての存在を知らないユーザーからの指名買いもあるという。
「トムス GR86 TURBO」
「トムス GR86 TURBO」と名付けられたコンプリートカーは、純正グレードの最上位に位置するようなイメージで仕立てたという1台。ターボ仕様にしているものの、最高出力は300PS、最大トルクは350Nmとやみくもに出力を上げず、扱いやすさと速さを両立。
外観はディフューザー形状のフロント、サイド、リアにトランクリッドスポイラー、オーバーフェンダーを装備。スポーツサスペンションキットにより車高を下げていることも相まって、GR86のスポーティさが極まっている。
機能パーツとしてはスポーツサスペンションキットやフロントとリアのブレーキキット、4本出しのエキゾーストシステムなどがセットされている。コンプリートカーとして想定しているのは3つのタイプで、①RZグレードがベースで、ターボキットやオーバーフェンダーを除くエアロパーツを装備したモデルが488万3000円~。②SZグレードがベースで、オーバーフェンダーを含めたエアロパーツにスポーツサスペンション、ブレーキキットなどを装備したノンターボ仕様が592万円8000円~。③SZグレードがベースで、オーバーフェンダーにターボといった現状のトムスパーツをほぼセットしたモデルが680万7000円~、となっている。
2月中旬に受注を開始し、デリバリーは夏ごろを予定しているという。また、エアロパーツや機能パーツはパーツ単体での販売も行なうそうで、すでに個々の価格はWebページで公開されている。
「TOM'S SUPRA TOURER」
スープラのコンプリートカーは2020年に発売した「トムス SUPRA」が最高峰モデルとなっているが、今回発表した「トムス SUPRA TOURER」はその名の通りで“快適な移動”を追い求めたアーバンツアラーとなっている。トムス SUPRAの最高出力が460PSだったのに対してトムス SUPRA TOURERはやや控えめの420PS仕様。40PSのデチューンとなるが純正よりは80PS引き上げていて、十分過ぎる動力性能となっている。足まわりはKWの車高調がセットされていて、補強パーツを見直すことでより快適な乗り味となっているそうだ。
外観はオーバーフェンダーやディフューザー形状のフロント、サイド、リアがトムス SUPRAと同意匠となるが、アーバンツアーらしくウイングレス仕様となっている。価格は1166万円~(予価)という。
「トムス GS F produced by Kazuki Nakajima」
3台目のコンプリートカーは、2021年シーズンでレーシングドライバーを引退した中嶋一貴氏がプロデュースする「トムス GS F produced by Kazuki Nakajima」だ。本人は数台のGS Fを乗り継ぐほどの特別な思いを持っているといい、エクステリアはカーボン製のフロント、サイド、リアディフューザーがセットされ、GS Fのスポーティさと上質さを引き上げている。
このボディパーツはルックスだけでなく地上高やアプローチアングルを考慮した作りとなっているそうだ。また、フロア下はフラットボトム化されていて、ボディ下部からダウンフォースを発揮するような形状を取り入れている。排気系は専用のエキゾーストシステムをセットしファインチューニングにより最高出力は500PSをマークする。レクサス GS Fはすでに販売を終了しているので、トムスが厳選した中古車がベースとなり、価格はベース車両にもよるが832万7000円~(予価)となっている。