イベントレポート 東京オートサロン 2023

トーヨータイヤ、全幅1900mmオーバーの「GR86 SD-3」 サーキットやドリフト走行を視野に入れたボディ造形

2023年1月13日 公開

トーヨータイヤは全幅1900mmオーバーの「GR86 SD-3」を公開した

 TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は1月13日、幕張メッセで開催されている「東京オートサロン2023にて、車幅が1900mmオーバーの超ワイドボディになったトヨタ自動車の「GR86 SD-3」を公開した。

 GR86 SD-3は、富山県にあるデザイン工房SDESIGN(エスデザイン)が手掛けた1台。SDESIGNはデザインから完成まで、FRPやカーボンを使ったオリジナリルプロダクトの制作を得意としていて、2018年の東京オートサロンではオリジナルエアロをまとったマツダ「ロードスター SD-1」でドレスアップカー部門の最優秀賞を受賞した実績を持つ。また、2019年にはバンコクで開催されたオートサロンに招待され、トヨタ「86」で制作した「SD-2」を展示している。

 デザイナーの佐野雅幸氏の説明によると、今年は「GR86」をベースに、これまでのラグジュアリータイプではなく、サーキット走行やドリフト走行をターゲットにしたデザインに仕上げたという。ただし、フロントの丸みやエンジンルームの一部が見えるボンネットなど、これまでのSDシリーズのエッセンスもところどころに継承。リアまわりは最近のドリフトマシンのように下側をスパッと切り落としたようなデザインを採用している。

 サスペンションはRS☆RのSports iで、ブレーキはBLITZのビッグキャリパーキットIIを装着。ホイールはレイズの57XRで装着するタイヤはトーヨータイヤの新製品「プロクセス スポーツ2」を履く(サイズは前245/35R19・後275/35R19)。展示車は完全な試作品だが、最終的には保安基準にも適合させたオリジナルワイドボディキットとしての市販化も想定しているという。

フロントはかなり延長されつつダウンフォースを生み出す形状
Cピラーに装着されたカーボン製ミニウイング
リアバンパーの下側は大きくカットされたデザイン
ブレーキはBLITZのビッグキャリパーキットII
タイヤはプロクセス スポーツ2

 また、佐野氏によると「まだやりたいことの半分くらいしかできていない」とのことで、今後はフロントフェンダーからリアフェンダーへとつなげるためのドアの造形と、リアのダックテールに付けるアクリル製の延長ウイング、リアフェンダーの段差の穴開け加工(ドリフト走行時にタイヤスモークが出るように)、リアディフューザーなどの制作を予定しているとのこと。

最終完成形ではフロントフェンダーとリアフェンダーはつながるデザインになっているという(黒いステッカーの部分)
大きく張り出したリアフェンダー
ダックテールを採用しているがここにさらにアクリル製のウイングが装着される予定
リアフェンダーの段差はカットして、ドリフト走行時のタイヤスモークが出るようにするという
2018年の東京オートサロンでドレスアップカー部門の最優秀賞を受賞したSD-1(マツダ・ロードスター)
2019年のバンコクオートサロンに招待で展示したSD-2(トヨタ・86)
編集部:塩谷公邦