イベントレポート 東京オートサロン 2023
マツダ、スーパー耐久参戦の「ロードスター」「MAZDA3」などを車両展示 発売前のドライビングシューズの試着も可能
2023年1月13日 20:39
- 2023年1月13日~15日 開催
千葉県千葉市美浜区の幕張メッセで、カスタムカーと関連製品の展示会「東京オートサロン2023」が1月13日~15日の会期で開催されている。
北ホール 1008にあるマツダブースでは、スーパー耐久シリーズに参戦している「ロードスター」「MAZDA2」「MAZDA3」などのレースマシン、ナンバー付き車両によるワンメイクレース「ロードスター NR-A パーティーレースIII仕様」といった4台の車両を展示。
倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ロードスター(参考出品車)
本誌でも藤島知子氏によるスーパー耐久参戦記の参戦車両として登場したことがある「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING ロードスター」。2023年シーズンからは「MAZDA SPIRIT RACING」で新たに取り組んでいるグラスルーツ・チャレンジプログラムで一般募集したアマチュアドライバーにスーパー耐久シリーズ参戦の機会を提供するマシンとしても利用されることになっている。
MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept(参考出品車)
使用済み食用油と微細藻類油脂を原料とした100%バイオ由来の次世代バイオディーゼルを燃料に使用する新開発のディーゼルエンジン「SKYACTIV-D2.2」を搭載する「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio concept」。モータースポーツにおけるカーボンニュートラルの実現に向けた実証実験として、スーパー耐久シリーズの「ST-Q」クラスに2023年シーズンも参戦を予定している。
MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept(参考出品車)
MAZDA SPIRIT RACING MAZDA3 Bio conceptの前に同じく次世代バイオディーゼル燃料を使用してスーパー耐久シリーズ ST-Qクラスに参戦していたのが「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept」。約1年にわたるレース参戦中には、搭載エンジンを1.5リッターからよりパワフルな1.8リッターに切り替えるといった改良も実施された。
ロードスター NR-A パーティレースIII仕様(参考出品車)
長い歴史を持つナンバー付きロードスターで競い合うワンメイクレース「ロードスターパーティレースIII」の参戦車両。マツダが行なっているチャレンジプログラムのベース車両としても利用されており、ワンメイクレースからスーパー耐久シリーズ、eスポーツからリアルレースにステップアップする場合に訓練する車両ともなっている。
また、マツダが2022年夏からスタートさせた「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING」で訴求している「モータースポーツをより身近で気軽に楽しんでもらう」「ジャンルを問わず道具をあやつりスピードに挑戦する人や応援する仲間と繋がり、共にスピードスポーツを盛り上げていく」といったテーマを紹介するため、会期中の各日にトークショーを行ない、さらにPS5/PS4用ソフトウェア「グランツーリスモ7」でラップタイムを競う「グランツーリスモ7 eSPORTS TIME ATTACK CHALLENGE」(事前申込制)も実施する。
このほかブース内には、オリジナルロゴが入ったグッズ類の展示・販売を行なう「MAZDA SPIRIT RACING COLLECTION SHOP」も用意されている。
MAZDA SPIRIT RACING COLLECTIONで用意されている既存のファッションアイテム、マツダ車のスケールモデルなどがその場で購入可能となっているほか、MAZDA SPIRIT RACING COLLECTIONからの発売を予定しているドライビンググローブ、ドライビングシューズを複数サイズ用意して、その場で試着できるようになっている。
プレスカンファレンス
開幕日の1月13日にはプレスカンファレンスが実施され、マツダ 取締役専務執行役員 青山裕大氏は「私たちマツダは、社会の変化に技術開発や事業運営を適合させながら、人々の日常に『動くことの感動体験』を創造し、誰もが生き生きと暮らす楽しさと生きる喜びをお届けすることを目指しています。これはモータースポーツの領域においても変わることはありません。マツダはモータースポーツを通じて、クルマを運転することの楽しさをより多くの人に味わっていただくために、健康で安全な“草の根”、グラスルーツのモータースポーツ活動を活性化させることで、参加する人の輪を広げようとしています。マツダのグラスルーツモータースポーツでは、個々人の技量に応じて正しく運転スキルを高めていただき、安全意識とスポーツマンシップを醸成することを通じて、安全なクルマ社会の継続した発展に貢献したいと考えています」。
「一方で、将来にわたって持続可能なモータースポーツのあるべき姿を創造していくことで、時代の変化にも適応したモータースポーツ活動の啓発、認知に務めていきたいと考えています。今やモータースポーツ活動のすそ野はリアルモータースポーツのみならず、バーチャルの世界、eスポーツへの広がりを見せ、未成年の若い方々から年代を問わず多くの人がモータースポーツを楽しむことができます。このような方々も対象として、リアル、バーチャルを問わず、クルマ本来の『操る楽しさ』を実感してもらい、モータースポーツのすそ野を広げていくこともマツダの重要な取り組みだと考えています」。
「また、これからの時代には、モータースポーツにおいてカーボンニュートラルに向けて取り組むことは非常に意味のあることだと考えています。私たち自身がモータースポーツの場でカーボンニュートラルに向けた技術を実証し、その技術を市販車などに広げていくために、昨年からパートナーの方々にご協力いただき、日本の自動車メーカーの仲間と共にスーパー耐久シリーズに挑戦しています。これがカーボンニュートラルの実現、その上でのモータースポーツ文化の発展につながると信じています」と語り、モータースポーツ活動を支援することの意義について説明した。
マツダ シニアフェロー ブランドデザイン 前田育男氏は、2023年に予定するモータースポーツ活動について紹介。
MAZDA SPIRIT RACINGではスーパー耐久シリーズ ST-Qクラスにバイオ燃料を使用するMAZDA3 55号車でフル参戦。搭載する2.2リッターディーゼルエンジンはノーマル仕様から出力を25%ほど向上させ、「カーボンニュートラル時代の選択肢を広げていく実証実験」と参戦を位置付けている。新たな挑戦となる今シーズンは、すでに実施したエンジン出力アップ以外にも、新たな燃料や将来技術の投入などにも挑戦していきたいと意気込みを語った。
倶楽部MAZDA SPIRIT RACINGの活動では、マツダが主催するeスポーツ大会の成績優秀者にサーキット走行の機会を提供する「eスポーツ リアルチャレンジプログラム」、ロードスター パーティレース、ロードスター 富士チャンピオンレースなどのレースで優秀な成績を収めた人がスーパー耐久シリーズに参戦するアシストを行なう「スーパー耐久 インターンシッププログラム」の2種類を実施する。それぞれどのような展開になるか不明だが、前田氏自身もなりゆきを楽しみにしているという。
このほかMAZDA SPIRIT RACING COLLECTIONのマーチャンダイジング活動も充実させ、商品の品数も増やしていく予定なので、ぜひ多くの人に購入したもらいたいとアピール。
最後に前田氏は「MAZDA SPIRIT RACINGのスローガンは『共に挑む』です。ここまでに紹介したような活動を通じて、より多くのファンの皆さんにモータースポーツを身近なスポーツと感じていただき、そして同じ目標に向かって共に挑んでいく。そんなチャレンジの輪を作っていきたいと思っています。ぜひMAZDA SPIRIT RACINGというネーミングを覚えていただき、今後の活動に注目していただきたいと思います」とスピーチを締めくくった。