イベントレポート 東京オートサロン 2025
カヤバ、デュカトベースのキャンピングカー「ヴィラトール」受注開始 専用ショック採用などで“移動する別荘”に
2025年1月10日 15:13
- 2025年1月10日~12日 開催
カヤバは、「東京オートサロン2025」(幕張メッセ:2025年1月10日~12日開催)でフィアット(Stellantisジャパン)の商用バン「DUCATO(デュカト)」をベースにしたキャンピングカー「VILLATOR(ヴィラトール)」を公開した。ヴィラトールの受注は1月10日に開始しており、価格は1950万円(税別)。車両の販売、メンテナンスはフィアットの正規ディーラーでもあるRVランドで行なわれる。
2024年にも同社ブースでデュカトやデュカト用ショックアブソーバーなどを展示していたが、2025年はキャンピングカーのヴィラトールを正式に発売することを発表した。デュカト L3H2(右ハンドル)をベースとするヴィラトールは「冒険心をくすぐり、運転の楽しさが味わえるキャンピングカー」「旅先に別荘を持ち運ぶ」をコンセプトに掲げており、ラテン語で“旅人”と“別荘”を掛け合わせ名付けたという。
デュカトは商用車であり、乗り心地や走りの安定性などはそれに準ずるものとなるが、ヴィラトールでは高速安定性や旋回時の安定した姿勢、高速道路での高い危機回避能力、快適な乗り心地を目指して専用開発したショックアブソーバを採用。その運動性能向上にあわせてブリッドと共同開発したキャンピングカー専用のバケットシートを運転席&助手席にセットした。
また“移動する別荘”を目指し、天然素材のケヤキの木目を生かしたデザインで上質感を演出する吊り戸棚、対面式のベンチソファー、ベンチソファーと組み合わせることで簡単にセットアップできるという大人3名が余裕をもって就寝できるベッド(1800×1800mm)、大型のリアオープンデッキ、電子レンジと85Lの冷蔵庫を1か所にレイアウトしたキッチン、外部電源による充電と走行充電で電力を確保できるサブバッテリ(リン酸鉄リチウムイオン/5kWh)などを装備した。
1月10日に行なわれた発表会ではカヤバ 営業本部 グローバルビジネスユニット ビジネスユニット長の南部佳久氏がブランド戦略について語るとともに、特装事業部 キャンピングカープロジェクトリーダー 勝木潤氏がヴィラトールについて紹介。
今回、カヤバは日常を超えたワクワク感、その先にある冒険を楽しめるアイテムを提供していくというオフロードプロジェクトコンセプト“OFF WE GO”を掲げた。ここでいうオフロードは単に舗装・整地されていない道を指すのではなく、「日常を離れた未知の世界、日常では得られない自由と解放感の象徴」と捉え、「笑顔溢れる世の中や心地よい暮らしに密接にリンクしていくもの」と考えているという。
南部氏は、この“OFF WE GO”コンセプトに基づいた製品の1つが今回のヴィラトールであると紹介するとともに、「キャンピングカーをきっかけに北米向けピックアップトラック用のショックアブソーバ、電動マウンテンバイク用のショックアブソーバなどの開発を現在進めている最中です。今後も当社の活動にぜひご期待いただけますと幸いです」と締めた。
また、ヴィラトールの説明を行なった勝木氏は「車両のコンセプトになる『冒険心をくすぐり、運転の楽しさが味わえるキャンピングカー』ということで、このコンセプトの中身になりますがカヤバの足まわり技術、仮想技術、こちらを生かして走りに対する安全性と快適性を追求しております」と述べるとともに、「居住空間のコンセプトは『旅先に別荘を持ち運ぶ』、こういったことをコンセプトに贅沢かつ上質な空間の提供、そして多くの方に自然に触れる機会を作っていただこうということで、自然に誘うクルマとしております。自然と一体化した心地よい雰囲気の中、五感を癒していただくような演出をデザインしております」とアピールしている。