イベントレポート 東京オートサロン 2025

ホンダ、受注再開の「シビックTYPE R」や2025年秋発売予定の「プレリュードプロトタイプ」など“Honda SPORTS”をテーマに出展

2025年1月10日〜12日 開催

初公開されたシビックタイプR レーシングブラックパッケージ。従来モデルとの違いはインテリアだ

 本田技研工業は1月10日〜12日の期間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されている「東京オートサロン2025」にて走りへの情熱を表現したスポーツモデルやレース車両を展示したブースを出展。開催初日には本田技研工業 総合地域本部 日本統括部 統括部長の高倉記行氏によるプレゼンテーションが行なわれた。

 高倉氏はまず最初に昨年にホンダとしては17年ぶりとなる日本カー・オブ・ザ・イヤーを「フリード」が授賞したことと、「CR-V FCEV」がテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを授賞したことに触れて、ユーザーに対してお礼の言葉を述べた。

本田技研工業 総合地域本部 日本統括部 統括部長の高倉記行氏
ホンダとしては17年ぶりとなる日本カー・オブ・ザ・イヤーをフリードが授賞、CR-V FCEVがテクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤーを授賞した

 続いてスクリーンにはこの日から、放送が開始される新しいTVCMが流された。映像が終わると高倉氏は「新たなHonda SPORTSのTVCMとなります。ホンダは多くのお客さまと意のままに操る喜びを共有したいという思いから、モータースポーツ活動と合わせてスポーツモデルの開発を続けてまいりました。 Honda SPORTSは我々に宿る走りへの情熱を表現しております。そしてそれをホンダらしさの象徴とすることでお客さまに喜んでいただけるのではないかという思いにいたりました。ホンダのものづくりの根幹は創業期から受け継がれてきた人間中心の考え方に基づいた技術の追求と挑戦です。誰もが無理ではないかと思うようなことに挑戦し、成長してきた会社でもあります。今、自動車産業が大きな変革期を迎えるなかで、コア技術がガソリンからハイブリッド、電気自動車というふうに変わったとしても、ホンダのなかに脈々と受け継がれてきた「意のままに走りに対する挑戦」は決して途絶えることがありません。歴史を振り返りますと高度経済成長に伴い世の中の価値観が大きく変化していった時代においても、創業から間もないホンダが世界一になるという夢を抱き、 四輪事業の開始からわずか1年後に世界最高峰のレースであるF1に参戦し、その翌年に初優勝を果たすなど、走りへの情熱を常に持ち続けていました。現在も様々なレースを通じて人と技術を育てることでワクワクする商品を作り続け、 意のままに操る喜びを多くのお客さまと共有したい。そのような思いからモータースポーツ活動とスポーツモデルの開発を続けております。 我々が創業以来、培ってまいりました走りへの情熱と夢への挑戦を感じていただけるよう 今回のブーステーマは『Honda SPORTS』といたしました」とスポーツカー好きの多い東京オートサロン2025の場にふさわしいあいさつを行った。

1月10日より放送されるTVCMでは「Honda SPORTS」をテーマとしている

シビックタイプRは納期の長期化解消にメド、新商品を投入

1月23日から発売となるシビック TYPE Rレーシングブラックパッケージ

 高倉氏は続けて「ここからはホンダブースの展示車をご紹介いたします。まず、本日が初お披露目で1月23日から発売となるシビック TYPE Rレーシングブラックパッケージです。現在のシビック TYPE Rは、 2022年の発売以来、納期が長期化し大変ご迷惑をおかけしました。お待ちいただいてるお客さまへの納車を優先し、新規のご注文は長らくストップをさせていただいておりましたが、ようやく待ちの解消にメドがたったことから新商品を投入することといたしました。 ホンダの走りへの情熱が込められたレーシングブラックパッケージには、インテリア全体を黒で統一し、各所にスウェード表皮の素材を用いることで、日光などの反射ノイズを徹底的に抑制しました。これによりドライバーが運転により集中できるよう、スポーツカーとしての魅力を高めております」と紹介した。

エクステリアには変更はない
エンジンにも変更はない
インテリアは黒で統一。ダッシュボードにブラックのスエードを表皮を採用したことでダッシュボードからの光の反射がガラスに映らない
ステッチのカラーはブルーになる
ブラックで統一されたシートカラー

2025年秋発売予定のプレリュードプロトタイプ

プレリュード プロトタイプ。前後にエアロパーツが追加されている
今回もインテリアは公開されていない

 次はプレリュードプロタイプの紹介だ。高倉氏は「今回展示をしているプレリュードプロトタイプは、2023年のジャパンモビリティショーで世界初公開をいたしましたプレリュードコンセプトをベースに、フロントとリアにエアロパーツを装着し、スポーティさに磨きをかけたカスタマイズモデルとなっております。プレリュードは操る喜び、高揚感を感じていただけるスペシャリティハイブリッドスポーツとして、2025年の秋の発売を予定しております。ハイブリッドシステムがもたらす圧倒的な燃費の良さと、モーターによる上質で爽快な走りに加えて、 五感に訴えかける新システムとしてホンダS+シフトを初搭載いたします。この機能はエンジン回転数に応じた迫力のあるサウンドでドライバーの高揚感を掻き立てるとともに、鋭いシフトフィーリングを実現します。またメーターとも連動し、クルマとの一体感を増幅するホンダハイブリッドシステムならではの新しい制御です。なお、この機能は、次世代の車両に順次展開する予定です。 プレリュードはカーボンニュートラルの時代においても、また自動運転技術が普及していく家庭においても、操る喜びを追求し続け、継承していくモデルとなります」と解説した。

フロントビュー
リアビュー

次世代の自動車産業を担う人材育成も

ンダ直営の自動車大学校 ホンダ学園の学生が参加しているN1オーナーズカップ参戦車

 最後にもうひとつ、「意のままに操るへの情熱を引き継いでいく、次世代の自動車産業を担う人材育成についてのご紹介です。本日はホンダ直営の自動車大学校 ホンダ学園の学生たちが参加しているN1オーナーズカップ参戦車を展示しております。 ホンダ学園では学生が自分たちでデザインした車両で参戦し、レース活動を通じた人間力の向上に取り組んでいます。そして卒業生はホンダの仲間としてF1をはじめとするレース活動や商品開発、 販売店での整備士として、これからを担う人材として活躍しています。ホンダ学園は、技術だけではなく、世の中に、世界に歓迎される人間を作りたいという理念のもと、1976年に本田宗一郎によって創設されました。意のままに操る喜びへの情熱を受け継ぐ人の育成についても、こうしてさらなる取り組みを行ってまいります。創業以来、脈々と受け継いでまいりました意のままに操る喜びを表現するべく、わくわくする新たなスポーツモデルを今後も開発し、皆様にお届けしたいというふうに考えております」と結んだ。

株式会社ホンダ・レーシングの代表取締役社長 渡辺康治氏もプレゼンを行なった
渡辺氏からはF1をはじめ、2025年シーズンの展開や有望な若手ドライバーの紹介を行なった
オラクル・レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー氏からのビデオメッセージも紹介
ホンダブースの展示車。2024年シーズンのFIA フォーミュラ・ワン世界選手権で年間ドライバーズ・チャンピオン4連覇を達成したマックス・フェルスタッペン(オラクル・レッドブル・レーシング)のマシン
2021年シーズン、ホンダに30年ぶりの栄冠をもたらしたF1パワーユニット「RA621H」が展示されている
1965年にF1で初優勝したRA271
スーパーGT GT500クラスのシビック
スーパー耐久に参戦するシビックタイプR
ホンダeMS SIM-01。抽選でドライブすることができる
深田昌之