イベントレポート 東京オートサロン 2025

ブリヂストン、スポーツブランド「ポテンザ」の進化の歴史やコンセプトカーが履く珍しい特注タイヤを展示

2025年1月10日~12日 開催

ブリヂストンブースの中央に展示されるPOTENZA RE47

 ブリヂストンは1月10日~12日に幕張メッセ(千葉県千葉市)で開催されている「東京オートサロン2025」に出展。西3ホールのブースでは“Passion to Turn the World”(世界を変えていく情熱)をコンセプトに、スポーツタイヤ「POTENZA」のラインアップや車両展示により世界観を伝えていく構成となっている。

 ブースに入ると目の前に展示されているのが「POTENZA RE47」。レースで使用され数々の勝利を収めてきたサーキット向けの「RE47」をベースに、一般公道向けとした高性能タイヤとして1979年にデビューしている。現在のスポーツタイヤを見慣れているとオフロード用? なんて思ってしまいそうなトレッドパターンを採用しているが、当時は間違いなく高性能なモデルで、これが後のポテンザブランドを形作っていく礎となったわけだ。

なかなかにゴツいブロックパターン
ブースのコンセプトはPassion to Turn the World

 その奥にはモータースポーツ向け、一般公道向け製品を展示。どちらも走行シーンや装着車両に合わせて最適化されており、その結果パターンのバリエーションはもちろんサイズに関してもさまざまなモデルが生まれたことになる。カーショップやタイヤショップではまとめてみられる機会は少ないので、タイヤ好きならぜひチェックしてほしいところだ。

モータースポーツ向けのポテンザが並ぶ
こちらは公道向けのラインアップ

 なかなか見られないといえば、自動車メーカーのコンセプトモデルに装着されているタイヤの展示も必見。コンセプトモデルの場合はサイドウォールぐらいしか見る機会がないが、今回は4モデルのタイヤが並べられておりじっくりと見られる。担当者に話を伺ったところ「走行は考えておらず、その車両の世界観に合わせたデザインとしている」とか。

コンセプトモデルに装着されているタイヤ
スズキ「eWX」装着タイヤ。サイズは185/50R17
マツダ「アイコニックSP」装着タイヤ。サイズは235/35R19
スバル「スポーツモビリティコンセプト」装着タイヤ。サイズは255/45R21
レクサス「LF-ZL」装着タイヤ。サイズは305/35R24

 後方の壁際では、商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」をフィーチャー。タイヤに求められる性能を市場やニーズに合わせてカスタマイズできるというメリットを日本、欧州、北米向けの3モデルで実例を紹介。まったく同じキャラクターを持つモデルではないものの、欧州向けは溝の少ない高速オンロード志向、日本向けはレグノブランドということもあってオンロードかつ静粛性を重視したもの、北米向けは一見オールテレーンタイヤにも思える大きなブロックを採用している。同技術が追及する「究極のカスタマイズ」の一端を垣間見られる展示となっている。

ENLITEN技術によるカスタマイズの追及を仕向け地の異なるタイヤで分かりやすく展示
欧州向けの「TURANZA 6」。EV拡大を見据えて耐摩耗性を20%向上させるとともに欧州市場で重視されるウェット性能と転がり抵抗を大幅に向上させている
日本向けの「レグノ GR-XIII」。ハンドリングに加え静粛性、サスティナビリティ性を重視
北米向けの「TURANZA EV」。重量のあるEV向けのため耐摩耗性能を重視している

 そのほかSUPER GT GT500クラスやインディカーで実際に使われたタイヤ、「2023 Bridgestone World Solar Challenge(ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ)」向けのENLITEN技術採用タイヤ、またPOTENZAを装着する実際の車両なども展示されている。タイヤ好きはもちろんクルマ好きにも学びが得られる展示内容となっているので、会場に赴く機会があるならぜひ立ち寄ってほしいブースだ。

2024年に発表されたばかりのランボルギーニ「テメラリオ」
「POTENZA SPORT」を純正装着する
次期POTENZAの開発車両となる「AUTOPRODUCE BOSS GR86」。装着タイヤは「POTENZA RE-71RS」
2019年のSUPER GT GT500クラスに参戦した「カルソニック IMPUL GT-R」
2024年のスーパー耐久シリーズST-2クラス参戦車両「SPOON リジカラ CIVIC」
左が2024年のSUPER GT GT500クラスで優勝した「au TOM'S GR Supra」が装着していたタイヤ、右が2017年に佐藤琢磨選手が優勝したINDY500で装着していたタイヤ
2023 Bridgestone World Solar Challengeに投入されたENLITEN技術採用タイヤ
インディカーシリーズ向けのタイヤ。砂漠地帯に自生する「グアユール」由来の天然ゴムを一部使用している
グアユールの模型
POTENZAブランドのホイールも展示されている
安田 剛

デジモノ好きのいわゆるカメライター。初めてカーナビを購入したのは学生時代で、まだ経路探索など影もカタチもなかった時代。その後、自動車専門誌での下積みを経てフリーランスに。以降、雑誌やカーナビ専門誌の編集や撮影を手がける。一方でカーナビはノートPC+外付けGPS、携帯ゲーム機、スマホ、怪しいAndroid機など、数多くのプラットフォームを渡り歩きつつ理想のモデルを探索中。