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日産、10月6日オープンの「ららぽーと湘南平塚」に開設する新ディーラー内覧会
ユーザーの来店頻度減少を受けた「人が集まっている場所に出ていく」取り組み
2016年9月30日 16:41
- 2016年10月6日 オープン
日産自動車は、10月6日に神奈川県平塚市で開業する大型商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと湘南平塚」(神奈川県平塚市天沼10-1)内に、日産サティオ湘南の新店舗「ららぽーと湘南平塚店」をオープンさせる。これに先立ち、報道陣向けに店舗内覧会を実施した。
日産の販売店として初めてのテナントイン型となるららぽーと湘南平塚店は、日産系列の販売会社として平塚市、相模原市、鎌倉市、藤沢市に新車販売店21カ所、中古車販売店3カ所を展開する日産サティオ湘南の22カ所目となる新しい新車販売店。かつてこの場所に日産車体 湘南工場 第1地区があり、その跡地にららぽーと湘南平塚が誕生するという縁から今回の出店につながっているという。
サービス工場を設置するスペースがないため車検やメンテナンスなどには対応できないが、ららぽーと湘南平塚から徒歩で5分ほどの場所に日産サティオ湘南の「本社平塚店」があり、また必要があれば購入者の住んでいる近隣の日産販売店にバトンタッチするシステムを整備。試乗車についても常備されてはいないが、同じく本社平塚店で試乗車を用意して試乗できるとのこと。
店舗概要
名称:日産サティオ湘南 ららぽーと湘南平塚店
住所:神奈川県平塚市天沼10-1 ららぽーと湘南平塚 1階
営業時間:10時~21時(年中無休)
出店場所となるららぽーと湘南平塚は、敷地面積が約8万1300m2、延床面積が約16万6000m2、店舗面積が 約6万m2となり、鉄骨造3階建の店舗棟に246店舗が出店する大型商業施設。JR 東海道本線の平塚駅から徒歩12分という位置にあり、国道1号、国道129号といった主要幹線道路にも近接。合わせて周辺に分譲マンションや病院なども建設される大規模複合開発事業の中核となっている。
ユーザーが購入までに販売店に行くのは平均約2.6回
店舗内覧会では国内販売を統括している日産自動車 専務執行役員の星野朝子氏がプレゼンテーションを実施。このなかで星野氏は出店理由について、前はクルマを買うときに、ユーザーは何回も販売店に足を運んで試乗やセールスマンとの会話を重ねたりして購入を決断していたが、現在は日産調べでユーザーが販売店に訪れる回数は平均で約2.6回まで減少。昔は購入の決断までにセールスマンがさまざまな提案を行なうチャンスがあったが、昨今ではユーザーはまずインターネットで情報収集を行なうようになっており、またすでに知っている選択肢、つまり現在乗っているクルマのメーカーから選択することが多い傾向にあると解説。この状況では、セールスマンはユーザーが最初に来店したときに決断するような勢いでなければ購入に結びつけることができず、他社ユーザーにはどれだけ自信があるクルマを用意しても、紹介したり実際に試乗してもらう機会が発生しないようになっていると語った。
このような新しい購買行動に対する施策として、これまでのように販売店でユーザーの来店を待つのではなく、人が集まっている場所に出ていってクルマを見てもらうことが大切になっていると語り、直近の例として東京 銀座に日産ブランドの発信拠点「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」を9月24日にオープンさせたことを紹介。来店の敷居をできる限り下げ、気軽に日産車についてユーザーに知ってもらう機会を生み出すというコンセプトは新しくオープンするららぽーと湘南平塚店と同様であるとした。
また、ユーザーの来店回数減少の背景として、クルマを買うときの意思決定がこの10年で男性から女性に大きくシフトしている社会トレンドがあると分析。女性は自分がクルマには詳しくないことの自覚があり、セールスマンから受けるさまざまな解説や提案に対して不安な気持ちになったり、馬鹿にされているのではないかと感じることがあるという。このため女性にとっては買い物で最も足を運びたくない場所が自動車ディーラーになる傾向があったが、星野氏は「クルマ会社としては絶対にあってはならないこと」と語気を強め、もっと気楽にプレッシャーを感じることなく、子供と一緒にでも遊びに行く感覚でお茶を楽しんだりする場所にする各種施策を続けていると語った。
このほかに星野氏は、魅力ある製品作りという面で8月に発売した新型「セレナ」が1カ月間で2万台を超える受注を得て、実際に販売店で試乗した人からも自動運転技術「プロパイロット」が好評であると説明。今後も長い期間にわたってじわじわと人気が続く車種になるのではないかとの期待を口にした。
また、新たなシリーズハイブリッドパワートレーン「e-POWER」システムを搭載する新型コンパクトカーについては「この秋から冬にかけての市場投入」を予告。このクルマは全車速を電気の力を使ってモーターで走るが、走行中にはガソリンエンジンで発電する新しい機構を備えていると解説。リーフ同様の軽快さに加え、「まだ詳しくお話しはできませんが、すごくユニークないろいろな走りができるようになっています」とコメントしている。